笹と川のせせらぎ

茂みを這って進んでいくといつも遊んでいる公園の裏の方に出た。
出たといっても裏から入ってきたので柵が邪魔していた。
しかし、だ。
柵は子供一人くらいは通れそうな幅はあるのでなんなくすり抜けられる。
すり抜けた先は公園なのだが、公園の裏までは遊具もなく、
今まで寄り付いたことがなかったのでなんとなく新鮮な気持ちになった。
なにより、特別感があったのは目の前にそこそこ高い丘があることだ。
その丘のおかげで馴染みの公園にいるはずなのにそんな気がしないのだ。
なんとなく、ゲームなどである「バグ」を想起させる。
正規ルートではない道を通ってきたことでワクワク感があるのと同時に、なんとな~く背徳感なんかも感じた。
そんなに悪いことをしたわけでもないのにソワソワするような感覚である。
そんな不思議な感覚に包まれているときに隊長が一言。

『ここ、ボクたちの秘密基地にしよっか!』

とんでもないことを提案してきたのだ。
雨風を凌げるものがあるわけではない。
あるのは後ろにそびえたつ子供たちにとっては山のような丘と公園の境界線である柵、
2,3人くらいは過ごせるスペースとかろうじて小雨くらいは凌げそうな木々が生い茂っているくらい。
アウトドア派な彼女は時々こう、突拍子もないことを言い出す。

「え!」

と言っても彼女は私の返答を待っていたわけではなく、このスペースをどう活かそうか考えているようだった。
仕方ないので私も提案してみた。

「秘密基地にするならまずは座れないとね」
「段ボール、何枚かゲットしててきて敷いてみるだけでも違うかも?」

なんて適当に提案してみた。
あろうことか彼女は目を輝かせ、

『それいい!いっぱい敷いてゆったりできるスペースつくろ!』

彼女のワクワクしている顔を見て、私もふと笑顔になった。