笹と川のせせらぎ

「冒険」といってもそんな大それたものじゃない。
小学生にとっては冒険なのかもしれないが、何時間もかけて隣町まで行こう!とかそういうのではない。
下校ルートが学校から一直線だったとして、私たちの冒険はせいぜい
直線道路から左か右に曲がってちょっとだけルートをはずれるだけ。
でもそれが楽しいのだ。
いつもと違う道というだけで何故か無性にわくわくしてしまうのである。
枝分かれしたいくつもの道の一つが今まで使ったことのない道であればそれはもう新たな冒険の一歩なのだ。

探検隊長が言う。

『この前はここを右に曲がったから。。。』
『次は左にいってみよっか!』

そう言って左にあるそこそこなボリュームのある茂みを指さす。
あきらかにそこは「道」ではなかった。

「隊長!そこは道じゃないですよ!」

そう言いたかったが、彼女に何か進言しても意味はない。
一度決めたことは曲げないのだ。
よく言えば「ぶれない」悪く言えば「頑固」なのである。
無駄な抵抗をしても仕方ないので大人しく従うことにした。
彼女には頭があがらないなーっとつくづく感じた。

さて
冒険の続きだ。

茂みは基本的にツツジが群生して出来ており、子供一人が這っていけば入れそうな空洞がぽっかり空いていた。
しかし普通は通らない。
彼女だからこそ、「道」と認識するのであって一般人は決して道とは思わない。
そんな道を隊長もとい彼女はズンズンと率先して進んでいく。
普通の女の子はこんなことしないよなーと思いつつ、彼女の後ろを金魚のフンのごとくついていくが、
彼女がハーフパンツでよかったなと心の底から思った。