奥美濃町は平成の大合併のとき、美濃市と郡上市、どちらに合併するかでもめた。町民がぎすぎすしたため合併を見送ったが、観光資源がないから通り道になってしまった。
「観光客は家族づれとか団体で来ることが多いから、ターゲットからはずそう。どのみち、観光客は美濃市か郡上市の観光地で食べると思う」
「うちの店、ぼっちいしね」
あ、古くてぼろぼろって、やっぱり思ってたんだ。
「よし、決定。千里の道も一歩から。観光客なんてふわふわした存在より、まずは固定客であるトラックドライバーを逃さずリピート率を上げる。ドライバーさんにはネットワークがあるし、口コミで広がると思う。交通量が減ったとはいえ、今でも156号線は南北の動脈。物流トラックはそれなりに通るからね」
「なんかわくわくしてきた!」
希絵ちゃんの目が生き生きと輝く。
「個人的には『女ひとり出張めしで行きたいお店』を最終目標にしたい」
「こんな田舎に出張に来ないよ」
希絵ちゃんが現実をつきつける。
「だけど、名古屋とか東京とか、都会のごはんばっかり注目されるの悔しいから。ど田舎にもおいしいものがあるってわからせたい。映え目的の店に勝ちたい」
「それはそう」
希絵ちゃんがうんうんと頷く。
「希絵ちゃんが提案してくれたモーニングは却下。手を広げすぎるとよくないから」
「岐阜市も名古屋もモーニングでにぎわっとるやん」
「叡子さんがそこまでは無理って言ってるし、それとも希絵ちゃん、ひとりでやってみる?」
「……無理」
「だよね」
あっさり降参してくれて、私はほっとする。
「お菓子や雑貨は置くのやめよう」
「なんで?」
「販売歴を見せてもらったけど、ぜんぜん売れてないからリソースを裂きたくない。お店が雑然として居心地が悪くなるし、便利はコンビニに任せて、おいしいごはんの提供に注力しよう!」
希絵ちゃんは目を真ん丸くした。
「観光客は家族づれとか団体で来ることが多いから、ターゲットからはずそう。どのみち、観光客は美濃市か郡上市の観光地で食べると思う」
「うちの店、ぼっちいしね」
あ、古くてぼろぼろって、やっぱり思ってたんだ。
「よし、決定。千里の道も一歩から。観光客なんてふわふわした存在より、まずは固定客であるトラックドライバーを逃さずリピート率を上げる。ドライバーさんにはネットワークがあるし、口コミで広がると思う。交通量が減ったとはいえ、今でも156号線は南北の動脈。物流トラックはそれなりに通るからね」
「なんかわくわくしてきた!」
希絵ちゃんの目が生き生きと輝く。
「個人的には『女ひとり出張めしで行きたいお店』を最終目標にしたい」
「こんな田舎に出張に来ないよ」
希絵ちゃんが現実をつきつける。
「だけど、名古屋とか東京とか、都会のごはんばっかり注目されるの悔しいから。ど田舎にもおいしいものがあるってわからせたい。映え目的の店に勝ちたい」
「それはそう」
希絵ちゃんがうんうんと頷く。
「希絵ちゃんが提案してくれたモーニングは却下。手を広げすぎるとよくないから」
「岐阜市も名古屋もモーニングでにぎわっとるやん」
「叡子さんがそこまでは無理って言ってるし、それとも希絵ちゃん、ひとりでやってみる?」
「……無理」
「だよね」
あっさり降参してくれて、私はほっとする。
「お菓子や雑貨は置くのやめよう」
「なんで?」
「販売歴を見せてもらったけど、ぜんぜん売れてないからリソースを裂きたくない。お店が雑然として居心地が悪くなるし、便利はコンビニに任せて、おいしいごはんの提供に注力しよう!」
希絵ちゃんは目を真ん丸くした。



