そんなことを思いながら白米を口にして、私はまた、くうぅ! となる。
「この白米、病みつき。おいしすぎる」
「地元の銘柄の『宝珠の光』だよ」
「こんなおいしいお米があったんだ」
私は茶碗をまじまじと見る。
銘柄のせいだけじゃない。叡子さんはお米のおいしさを極限まで引き出しているように思える。
「小里江さん、ごはんだけで元気になっちゃった」
くすくすと希絵ちゃんが笑う。
「私だけじゃないよ。ごはんって人を元気にする。逆に言えば人はごはんに支配されてるんだなって思う」
私は天高く茶碗をかかげた。右手には箸を握ったまま。
「つまりごはんを制する者は人を制する!」
「グルメドラマの主人公みたい」
耐え切れない、というように希絵ちゃんが手を叩いてけらけらと笑う。
ウケた。
本気だったのに。なんてことは隠して、笑いをとるために言った雰囲気を出しておいた。
ごはんを食べ終えたら、お店を盛り上げる作戦会議をする。
平日はトラックドライバー、土日は観光客が多いらしい。
「メインターゲットをどっちにするか……」
「全員じゃダメなの?」
希絵ちゃんが首をかしげる。
「ドライバー向けとか観光客向けとかでメニューを再考したい」
「気にしなくていいんじゃないかな。おばあちゃん、お客さんに合わせて味を調節してるの。トラックドライバーさんの料理には塩気も味も濃い目にしてるんだって」
「細かい気遣い、すごい!」
チェーン店では真似できない。ドライバーさんたちみんなにこれを教えたい!
「でもおばあちゃんひとりでやってるから、お客さんが多すぎても困るって言ってた」
聞けば、食堂としてオープンした昭和のころ、まだ東海北陸自動車道がなく、平日はトラックドライバー、土日は観光客でにぎわっていたらしい。コンビニもなかった当時、客の要望に応えて雑貨やおみやげも置くようになり、従業員を何人も雇い、ドライブインとしてにぎわっていたという。特に平成にスキーが流行ったころ、国道156号線は毎冬、渋滞ばかり。お店は息つく間もないほど忙しかったとか。
東海北陸自動車道の完成以降は交通量が減り、コンビニもあちこちにできて客が激減したそうだ。
「この白米、病みつき。おいしすぎる」
「地元の銘柄の『宝珠の光』だよ」
「こんなおいしいお米があったんだ」
私は茶碗をまじまじと見る。
銘柄のせいだけじゃない。叡子さんはお米のおいしさを極限まで引き出しているように思える。
「小里江さん、ごはんだけで元気になっちゃった」
くすくすと希絵ちゃんが笑う。
「私だけじゃないよ。ごはんって人を元気にする。逆に言えば人はごはんに支配されてるんだなって思う」
私は天高く茶碗をかかげた。右手には箸を握ったまま。
「つまりごはんを制する者は人を制する!」
「グルメドラマの主人公みたい」
耐え切れない、というように希絵ちゃんが手を叩いてけらけらと笑う。
ウケた。
本気だったのに。なんてことは隠して、笑いをとるために言った雰囲気を出しておいた。
ごはんを食べ終えたら、お店を盛り上げる作戦会議をする。
平日はトラックドライバー、土日は観光客が多いらしい。
「メインターゲットをどっちにするか……」
「全員じゃダメなの?」
希絵ちゃんが首をかしげる。
「ドライバー向けとか観光客向けとかでメニューを再考したい」
「気にしなくていいんじゃないかな。おばあちゃん、お客さんに合わせて味を調節してるの。トラックドライバーさんの料理には塩気も味も濃い目にしてるんだって」
「細かい気遣い、すごい!」
チェーン店では真似できない。ドライバーさんたちみんなにこれを教えたい!
「でもおばあちゃんひとりでやってるから、お客さんが多すぎても困るって言ってた」
聞けば、食堂としてオープンした昭和のころ、まだ東海北陸自動車道がなく、平日はトラックドライバー、土日は観光客でにぎわっていたらしい。コンビニもなかった当時、客の要望に応えて雑貨やおみやげも置くようになり、従業員を何人も雇い、ドライブインとしてにぎわっていたという。特に平成にスキーが流行ったころ、国道156号線は毎冬、渋滞ばかり。お店は息つく間もないほど忙しかったとか。
東海北陸自動車道の完成以降は交通量が減り、コンビニもあちこちにできて客が激減したそうだ。



