私の急襲に女将さんは目を白黒させ、花代子さんは不審の目で見てくるし、希絵ちゃんは興味津々だ。
「……というわけで、立地も味も素晴らしいので再建は可能だと思います。お金は多少かかりますけど」
「こんなド田舎の店、改装しても将来性なんてないやろ」
花代子さんは否定的だが。
「やってみんとわからんが。私、やりたい!」
希絵ちゃんは乗り気だ。
「……でもねえ」
女将さんは迷っているようだ。
「とりあえず、無料か少額ですむ範囲でやってみては」
私はそう提案してみた。経費が安くすむならそのほうがいいに決まっている。
「ちょっと、やってみようかしゃん」
「お母さん!」
「この店はまだまだ私のもんやで。好きなようにやらせてちょうよ」
「お金を渡すのだけはだめやよ。詐欺かもしれんし」
「お母さん、失礼すぎ」
希絵ちゃんが味方してくれたけど、苦笑するしかなかった。私を疑うのは当然だ。
きりをつけて店を出ると、希絵ちゃんが車まで送ってくれた。
「ありがと、小里江さん。連絡先、教えてほしい。また話を聞きたい」
「いいよ。でも私がサークルMの社員なのは内緒ね」
「倒す宣言しちゃったもんね」
「希絵ちゃんしか知らない機密事項だからね」
念を押すと、希絵ちゃんはくすくすと笑った。青春真っただ中って感じで、妙にまぶしい。
私にもこんなころがあったんだよね。高校を卒業してもう十年くらいか。時間がすぎるのって、あっという間だな。
🐱🐱
週末、私は再びドライブイン奥美濃に来ていた。
今度は完全にプライベートだ。
自分の青い車をドライブインに停めると、女将の叡子さんがしゃがんでいて、普段よりいっそう小さく見える。軍手をはめて、どうしてだかコンビニ側の草をむしっている。
隣には猫がいて、顔を少し傾けてねこじゃらし――エノコログサをちょいちょい、と前足でいじっている。か、かわいい……!
「……というわけで、立地も味も素晴らしいので再建は可能だと思います。お金は多少かかりますけど」
「こんなド田舎の店、改装しても将来性なんてないやろ」
花代子さんは否定的だが。
「やってみんとわからんが。私、やりたい!」
希絵ちゃんは乗り気だ。
「……でもねえ」
女将さんは迷っているようだ。
「とりあえず、無料か少額ですむ範囲でやってみては」
私はそう提案してみた。経費が安くすむならそのほうがいいに決まっている。
「ちょっと、やってみようかしゃん」
「お母さん!」
「この店はまだまだ私のもんやで。好きなようにやらせてちょうよ」
「お金を渡すのだけはだめやよ。詐欺かもしれんし」
「お母さん、失礼すぎ」
希絵ちゃんが味方してくれたけど、苦笑するしかなかった。私を疑うのは当然だ。
きりをつけて店を出ると、希絵ちゃんが車まで送ってくれた。
「ありがと、小里江さん。連絡先、教えてほしい。また話を聞きたい」
「いいよ。でも私がサークルMの社員なのは内緒ね」
「倒す宣言しちゃったもんね」
「希絵ちゃんしか知らない機密事項だからね」
念を押すと、希絵ちゃんはくすくすと笑った。青春真っただ中って感じで、妙にまぶしい。
私にもこんなころがあったんだよね。高校を卒業してもう十年くらいか。時間がすぎるのって、あっという間だな。
🐱🐱
週末、私は再びドライブイン奥美濃に来ていた。
今度は完全にプライベートだ。
自分の青い車をドライブインに停めると、女将の叡子さんがしゃがんでいて、普段よりいっそう小さく見える。軍手をはめて、どうしてだかコンビニ側の草をむしっている。
隣には猫がいて、顔を少し傾けてねこじゃらし――エノコログサをちょいちょい、と前足でいじっている。か、かわいい……!



