続いて入ってきたのは中年の女性。どうやら彼女の母親のようだ。
「希絵ちゃん、花代子。よう来んさった。ごはんあるでね」
「ごめんね、お母さん。希絵がおばあちゃんのごはんが食べたいって言うもんで。私も手伝うから」
希絵ちゃんは遠慮なく席に座り、花代子さんは厨房に向かう。
中年女性が女将の娘の花代子さん、孫が希絵ちゃんのようだ。
「ええから、座っといて。希絵ちゃんはけいちゃん焼き?」
「もちろん!」
希絵ちゃんは嬉しそうに返事をしている。
ほのぼのと眺めていると、うにゃあ、と声がした。
見ると、猫が店内に入り込んでしまっている。
「希絵がちゃんとドアをしめとかんもんで」
花代子さんは慌てて猫を捕まえようとするが、猫はするっと逃げて希絵ちゃんに甘えるように体をこすりつける。
「おなかすいてんのかな。おばあちゃんに猫が食べられそうなものあるか、聞いてくる」
「いつくからあかんよ。いっつもごみ漁って」
立ち上がった希絵ちゃんを花代子さんが止める。
「餌をあげればごみも漁らんのやない?」
「そんな簡単にはいかんよ」
花代子さんにつかまった猫は両脇を抱えて持ち上げられた。顏はしょんぼりしてひげが垂れ、両前足がばんざいするように伸び、体ものびーんと伸びている。
猫って意外に表情あるんだ? てかこの子、無抵抗でかわいい!
戻ってきた花代子さんと目が合うと会釈をされて、私は軽く頭を下げ返した。
しばらくすると、店主の女性がけいちゃん焼き定食を持ってきた。すぐに引き返し、もうひとつのけいちゃん焼き定食を持って現れる。
「メニューの紙、古いままやね」
「おじいさんが書いたやつだもんで、変えたくないんやわ」
女将さんの垂れた目が笑みに弧を描き、目尻のしわが増える。
そっか、思い出がつまってるんだね。
「今日は学校で進路の話やったんやろ?」
女将さんに聞かれ、花代子さんは顔をしかめる。
「希絵ちゃん、花代子。よう来んさった。ごはんあるでね」
「ごめんね、お母さん。希絵がおばあちゃんのごはんが食べたいって言うもんで。私も手伝うから」
希絵ちゃんは遠慮なく席に座り、花代子さんは厨房に向かう。
中年女性が女将の娘の花代子さん、孫が希絵ちゃんのようだ。
「ええから、座っといて。希絵ちゃんはけいちゃん焼き?」
「もちろん!」
希絵ちゃんは嬉しそうに返事をしている。
ほのぼのと眺めていると、うにゃあ、と声がした。
見ると、猫が店内に入り込んでしまっている。
「希絵がちゃんとドアをしめとかんもんで」
花代子さんは慌てて猫を捕まえようとするが、猫はするっと逃げて希絵ちゃんに甘えるように体をこすりつける。
「おなかすいてんのかな。おばあちゃんに猫が食べられそうなものあるか、聞いてくる」
「いつくからあかんよ。いっつもごみ漁って」
立ち上がった希絵ちゃんを花代子さんが止める。
「餌をあげればごみも漁らんのやない?」
「そんな簡単にはいかんよ」
花代子さんにつかまった猫は両脇を抱えて持ち上げられた。顏はしょんぼりしてひげが垂れ、両前足がばんざいするように伸び、体ものびーんと伸びている。
猫って意外に表情あるんだ? てかこの子、無抵抗でかわいい!
戻ってきた花代子さんと目が合うと会釈をされて、私は軽く頭を下げ返した。
しばらくすると、店主の女性がけいちゃん焼き定食を持ってきた。すぐに引き返し、もうひとつのけいちゃん焼き定食を持って現れる。
「メニューの紙、古いままやね」
「おじいさんが書いたやつだもんで、変えたくないんやわ」
女将さんの垂れた目が笑みに弧を描き、目尻のしわが増える。
そっか、思い出がつまってるんだね。
「今日は学校で進路の話やったんやろ?」
女将さんに聞かれ、花代子さんは顔をしかめる。



