「おーい。広瀬。ファミレスいこーぜ」
放課後、たまに4人で帰るようになった。
駅前のファミレスにより、たわいもない話をし、日が暮れるまでの時間を過ごすこともあった。
この日も生田と五十嵐と別れ、じゃあまた。と帰ろうとすると、
「まだ時間ある?」
少し歩かない?と風間に誘われた。
駅前のタワマンに住んでいる風間はわざと寄り道をして帰る事が多かった。
4人で遊んだ後も必ず最後まで風間は残り、俺と2人で時間を共有するようになっていた。
「あ、俺ここ寄りたい」
おしゃれな雑貨屋を通りかかると風間の足が雑貨屋に向かう。
「欲しいものあるの?」
「弁当箱買いたいなーって。いつも広瀬の使わせてもらってるの悪じゃん」
「実は俺も思ってたんだよね。風間にはもう少し大きめのサイズがいいかなって。俺の弁当、気持ち足りないでしょ」
「弁当サイズでかいとそれはそれで負担にならん?」
「それは…ないよ。作るのは嫌じゃないし。美味しかったって食べてくれるの、すごく嬉しいし」
「だってうまいもん。広瀬の弁当。契約の日は俺の事だけ考えて作ってくれてると思うとめちゃくちゃ嬉しい」
優しく笑う。
俺に届くように、いつもストレートに気持ちを伝えてくれる。
その笑顔に、毎回俺の胸はうるさくなる。
「んー、どれがいいかなー?」
「丸より四角いタイプが詰めやすくって俺は好きかな」
種類豊富に弁当グッズが揃っていた。
これだけ種類があると迷ってしまう。
「あ…」
弁当コーナー横にステッカーが売られている。
「何?」
「このステッカー防水だから洗っても全然とれないんだって。弁当箱に貼ろうかなって」
「いいね。俺もマネしたい」
「どれにしようかなー」
「んー、じゃあコレ。ちょっと広瀬に似てる」
ペンギンのステッカー。
「似てるかな」
「広瀬はどうする?」
「じゃあ、お揃いで」
同じステッカーを選ぶ。
「オケ。じゃあ俺が買う。今日付き合ってくれたお礼。あと弁当箱はこれにする。ちょっと買ってくるから待ってて」
風間は俺からステッカーを取るとレジに向かっていった。
風間を1人で待っていると背後から名前を呼ばれ振り替える。背中が一瞬で凍りついた。
「や…山中」
会いたくない相手だった。
久しぶりに聞く、山中の声。
俺は顔を上げることができなかった。
うつむいたままだが、山中がどんな顔をして俺を見ているかは分かる。
「へぇー。宙、まだ弁当作ってんだ」
俺が会いたくなかった人物。
体中の血液が、一斉に逆流するかのような感覚。
「う…うん」
やっとのことで言葉を絞り出した。
嫌な記憶は些細なことで思い出される。
「へぇ…。そうなんだ」
山中はそれ以上何も言わなかった。
「広瀬?」
帰り道。風間に何度か呼ばれて気付いた。
「あ、うん。ごめんね、ボーッとしてた。気に入ったの買えてよかったね」
「……なんかあった?買い物付き合わせてごめんな。疲れたよな」
「違う。風間は何も悪くない。ごめん…なんでもないから」
「……はい、コレ」
ペンギンのステッカー。
「ありがとう」
無理やり笑って見せた。
「お揃い、照れるな」
風間が俺に向ける笑顔は、いつも優しい。
優しすぎて…辛い。
ダメだ、泣きそうだ。
「ごめん…。俺、帰る」
「え?広瀬?」
山中にあんなところで会うなんて。
風間は山中とは違うのに。
好きになればなるほど、怖くなる。
あの時のように拒絶されるかもしれない。
そんな事になるくらいならいっそ、好きにならなきゃよかった。
手遅れなほどに、俺は風間を好きになっていた。
⭐︎
「広瀬。なんかあったんかー?」
昨日ファミレスに寄った時は普通だったのに。
生田が何度か声をかけてきたが、「ごめん、何でもないから」と謝った。
昨日山中に会ってから、俺は皆と向き合う事ができなくなっていた。
体調のせいにして、彼らを遠ざけた。
「広瀬…」
風間の心配そうな声。
顔を見れなかった。
「ごめん、大丈夫だから。しばらく1人にして欲しい」
みんな、ごめん。
大丈夫だと思っていたのに、あんな一瞬で暗闇に引き戻されるなんて…。
不安な気持ちが湧き水のように湧き出てきて、俺は深く飲み込まれて行った。
⭐︎
「どーすんだよ。広瀬っち」
生田が珍しく怒り口調だ。
今日で3日目。
広瀬はまだ、塞ぎ込んでいる。
「心当たり。ないのか?」
五十嵐に聞かれた。
広瀬の様子が変わったあの日。
レジに並んでいる間、広瀬が誰かと話している様子があった。
同じ制服。
確かあれは1組の山中だった。
何かあったとすれば恐らく彼が鍵なのだろう。
「できれば広瀬から、話してくれるの待ちたいんだよ」
必要とされたかった。
「待ってるだけでいいのか?」
「五十嵐…」
「お前は待ってられるのか?今まで1人になろうとする広瀬を無理矢理引き上げてきたのに、以外と無責任なんだな」
そうだった。
広瀬はずっと、何かに怯えている。
1人でいる事を選んでしまう。
⭐︎
木曜日。
今日は風間に弁当を作る約束の日だ。
俺はあの日から弁当を作れないでいる。
インスタも更新できずにいた。
俺はあの頃から結局前に進めないでいる。
話したら、風間はどう思うんだろう。不安だけが募る。
話したい。
でも怖い。
教室に入り、静かに座った。
そのまま机に顔を埋め目を閉じた。
深く落ちていきそうだ。
風間達と仲良くなる前の事が、もう思い出せない。
1人で今までどうやって過ごしていたのか、わからなくなっていた。
気を抜くと泣いてしまいそうで、グッと拳を強く握る。
「…広瀬」
ふわっと風が吹いて、頭上に風間の声がした。
頭に風間の手が優しく触れたのがわかる。
風間だ。
「広瀬、話せる?」
耳元に風間の声がする。
泣きそうになった。目頭が熱い。
俺は顔を埋めたまま頷いた。
それを確認して、風間が俺の腕を引いて歩き出した。
授業開始のチャイムが響く。
席に着くクラスメイト達の流れをかき分けていく。
教室を抜ける時、生田の声がした。
『頑張れ』だの、『あとはまかせろ』だの、生田らしい声に我慢していた思いが溢れ出しそうになる。
⭐︎
「俺さ、昔ちょっと冷やかしの対象になったことがあってさ」
手を繋いだまま、風間が先に口を開いた。
「母親の弁当がきっかけでしばらくクラスの男子にひやかされてた。うちは両親は共働きだったし、母親は元々料理得意じゃない人でさ。家庭より仕事。って感じのバリバリキャリアウーマンでさ。夜も遅くまで働いて、それでも用意してくれのに…。
それがきっかけで母親は弁当作はなくなってさ。
俺がもっと強かったら、違ったかもなって、ずっと思ってた』
ゆっくりと、話してくれた。
「だから俺、昔から遠足とか運動会とか手作り弁当に憧れてたんだ。ちょっと恥ずかしいけどさ。
別に愛されてなかったとかじゃないんだ。両親は大事に育ててくれてんのは分かってたし、忙しいのも理解してたからワガママ言えなくて。
よくインスタで弁当あげてる人達のアカウント見るようになって。
そんな時に広瀬のインスタを見つけて。同じ高校生で、しかも毎日弁当作ってて。凄いなって。思ったんだ。
だからさ、広瀬が何に悩んで不安になってるのかわからないけど。広瀬の力になれるなら、俺が出来ることならなんでもしてあげたい」
「1人になろうとするなよ」
見上げると風間は俺の好きな笑顔を向けてくれた。
⭐︎
人気のないない音楽室。
俺は少しずつ押さえていた感情を紐解いて行った。複雑に絡み合って上手く言語化できない思いを、早瀬は全て受け入れてくれる。
話していいのかもしれない。
風間になら。全部。
「俺ね。去年まで好きな人がいたんだ」
山中。
親友を好きになった。
「そいつも昼は売店のパンばっかでさ。俺、前は母親に作ってもらってたから、たまにおかず、あげてたんだよね。
母親の弁当みて美味しいって食べてくれて。その顔がすごく好きで。好きになっちゃって…。
次第に作ってあげたくなって。俺、料理なんてしたことないんだけどさ。母さんに頼んで作り方教えてもらって。それなりに形になった時にあいつに渡して。
告白、しようと思ったんだ。
俺が作ったの内緒にして渡して。嬉しかった。美味しいって言って食べてくれたから。
嬉しくて。『実は僕が作ったんだ』ってあいつに言ったんだよね。そしたら…」
『キモ』
「…それからあいつとは距離空いちゃって。それから学校でも1人になっちゃって。
もう弁当作る理由も無くなって。しばらく弁当作るのやめたんだけどさ、しばらくしてやっぱり楽しかったから。また作るようになったんだ。
みんなといるのは楽しい。でも、またいつか何かのきっかけで嫌われてしまうんじゃないかって思うと怖くて。不安で…」
壊れてしまうのが怖くて。
自分から壊した。
1人なら傷つかないから。
「広瀬はさ、まだそいつの事が好きなの?」
流れる涙を、風間が拭ってくれる。
俺は首を横に振った。
「…前に言った答え合わせ、今してもいいかな。
俺、広瀬が好きだよ」
風間が真っ直ぐに俺を見た。
「好きだよ」
放課後、たまに4人で帰るようになった。
駅前のファミレスにより、たわいもない話をし、日が暮れるまでの時間を過ごすこともあった。
この日も生田と五十嵐と別れ、じゃあまた。と帰ろうとすると、
「まだ時間ある?」
少し歩かない?と風間に誘われた。
駅前のタワマンに住んでいる風間はわざと寄り道をして帰る事が多かった。
4人で遊んだ後も必ず最後まで風間は残り、俺と2人で時間を共有するようになっていた。
「あ、俺ここ寄りたい」
おしゃれな雑貨屋を通りかかると風間の足が雑貨屋に向かう。
「欲しいものあるの?」
「弁当箱買いたいなーって。いつも広瀬の使わせてもらってるの悪じゃん」
「実は俺も思ってたんだよね。風間にはもう少し大きめのサイズがいいかなって。俺の弁当、気持ち足りないでしょ」
「弁当サイズでかいとそれはそれで負担にならん?」
「それは…ないよ。作るのは嫌じゃないし。美味しかったって食べてくれるの、すごく嬉しいし」
「だってうまいもん。広瀬の弁当。契約の日は俺の事だけ考えて作ってくれてると思うとめちゃくちゃ嬉しい」
優しく笑う。
俺に届くように、いつもストレートに気持ちを伝えてくれる。
その笑顔に、毎回俺の胸はうるさくなる。
「んー、どれがいいかなー?」
「丸より四角いタイプが詰めやすくって俺は好きかな」
種類豊富に弁当グッズが揃っていた。
これだけ種類があると迷ってしまう。
「あ…」
弁当コーナー横にステッカーが売られている。
「何?」
「このステッカー防水だから洗っても全然とれないんだって。弁当箱に貼ろうかなって」
「いいね。俺もマネしたい」
「どれにしようかなー」
「んー、じゃあコレ。ちょっと広瀬に似てる」
ペンギンのステッカー。
「似てるかな」
「広瀬はどうする?」
「じゃあ、お揃いで」
同じステッカーを選ぶ。
「オケ。じゃあ俺が買う。今日付き合ってくれたお礼。あと弁当箱はこれにする。ちょっと買ってくるから待ってて」
風間は俺からステッカーを取るとレジに向かっていった。
風間を1人で待っていると背後から名前を呼ばれ振り替える。背中が一瞬で凍りついた。
「や…山中」
会いたくない相手だった。
久しぶりに聞く、山中の声。
俺は顔を上げることができなかった。
うつむいたままだが、山中がどんな顔をして俺を見ているかは分かる。
「へぇー。宙、まだ弁当作ってんだ」
俺が会いたくなかった人物。
体中の血液が、一斉に逆流するかのような感覚。
「う…うん」
やっとのことで言葉を絞り出した。
嫌な記憶は些細なことで思い出される。
「へぇ…。そうなんだ」
山中はそれ以上何も言わなかった。
「広瀬?」
帰り道。風間に何度か呼ばれて気付いた。
「あ、うん。ごめんね、ボーッとしてた。気に入ったの買えてよかったね」
「……なんかあった?買い物付き合わせてごめんな。疲れたよな」
「違う。風間は何も悪くない。ごめん…なんでもないから」
「……はい、コレ」
ペンギンのステッカー。
「ありがとう」
無理やり笑って見せた。
「お揃い、照れるな」
風間が俺に向ける笑顔は、いつも優しい。
優しすぎて…辛い。
ダメだ、泣きそうだ。
「ごめん…。俺、帰る」
「え?広瀬?」
山中にあんなところで会うなんて。
風間は山中とは違うのに。
好きになればなるほど、怖くなる。
あの時のように拒絶されるかもしれない。
そんな事になるくらいならいっそ、好きにならなきゃよかった。
手遅れなほどに、俺は風間を好きになっていた。
⭐︎
「広瀬。なんかあったんかー?」
昨日ファミレスに寄った時は普通だったのに。
生田が何度か声をかけてきたが、「ごめん、何でもないから」と謝った。
昨日山中に会ってから、俺は皆と向き合う事ができなくなっていた。
体調のせいにして、彼らを遠ざけた。
「広瀬…」
風間の心配そうな声。
顔を見れなかった。
「ごめん、大丈夫だから。しばらく1人にして欲しい」
みんな、ごめん。
大丈夫だと思っていたのに、あんな一瞬で暗闇に引き戻されるなんて…。
不安な気持ちが湧き水のように湧き出てきて、俺は深く飲み込まれて行った。
⭐︎
「どーすんだよ。広瀬っち」
生田が珍しく怒り口調だ。
今日で3日目。
広瀬はまだ、塞ぎ込んでいる。
「心当たり。ないのか?」
五十嵐に聞かれた。
広瀬の様子が変わったあの日。
レジに並んでいる間、広瀬が誰かと話している様子があった。
同じ制服。
確かあれは1組の山中だった。
何かあったとすれば恐らく彼が鍵なのだろう。
「できれば広瀬から、話してくれるの待ちたいんだよ」
必要とされたかった。
「待ってるだけでいいのか?」
「五十嵐…」
「お前は待ってられるのか?今まで1人になろうとする広瀬を無理矢理引き上げてきたのに、以外と無責任なんだな」
そうだった。
広瀬はずっと、何かに怯えている。
1人でいる事を選んでしまう。
⭐︎
木曜日。
今日は風間に弁当を作る約束の日だ。
俺はあの日から弁当を作れないでいる。
インスタも更新できずにいた。
俺はあの頃から結局前に進めないでいる。
話したら、風間はどう思うんだろう。不安だけが募る。
話したい。
でも怖い。
教室に入り、静かに座った。
そのまま机に顔を埋め目を閉じた。
深く落ちていきそうだ。
風間達と仲良くなる前の事が、もう思い出せない。
1人で今までどうやって過ごしていたのか、わからなくなっていた。
気を抜くと泣いてしまいそうで、グッと拳を強く握る。
「…広瀬」
ふわっと風が吹いて、頭上に風間の声がした。
頭に風間の手が優しく触れたのがわかる。
風間だ。
「広瀬、話せる?」
耳元に風間の声がする。
泣きそうになった。目頭が熱い。
俺は顔を埋めたまま頷いた。
それを確認して、風間が俺の腕を引いて歩き出した。
授業開始のチャイムが響く。
席に着くクラスメイト達の流れをかき分けていく。
教室を抜ける時、生田の声がした。
『頑張れ』だの、『あとはまかせろ』だの、生田らしい声に我慢していた思いが溢れ出しそうになる。
⭐︎
「俺さ、昔ちょっと冷やかしの対象になったことがあってさ」
手を繋いだまま、風間が先に口を開いた。
「母親の弁当がきっかけでしばらくクラスの男子にひやかされてた。うちは両親は共働きだったし、母親は元々料理得意じゃない人でさ。家庭より仕事。って感じのバリバリキャリアウーマンでさ。夜も遅くまで働いて、それでも用意してくれのに…。
それがきっかけで母親は弁当作はなくなってさ。
俺がもっと強かったら、違ったかもなって、ずっと思ってた』
ゆっくりと、話してくれた。
「だから俺、昔から遠足とか運動会とか手作り弁当に憧れてたんだ。ちょっと恥ずかしいけどさ。
別に愛されてなかったとかじゃないんだ。両親は大事に育ててくれてんのは分かってたし、忙しいのも理解してたからワガママ言えなくて。
よくインスタで弁当あげてる人達のアカウント見るようになって。
そんな時に広瀬のインスタを見つけて。同じ高校生で、しかも毎日弁当作ってて。凄いなって。思ったんだ。
だからさ、広瀬が何に悩んで不安になってるのかわからないけど。広瀬の力になれるなら、俺が出来ることならなんでもしてあげたい」
「1人になろうとするなよ」
見上げると風間は俺の好きな笑顔を向けてくれた。
⭐︎
人気のないない音楽室。
俺は少しずつ押さえていた感情を紐解いて行った。複雑に絡み合って上手く言語化できない思いを、早瀬は全て受け入れてくれる。
話していいのかもしれない。
風間になら。全部。
「俺ね。去年まで好きな人がいたんだ」
山中。
親友を好きになった。
「そいつも昼は売店のパンばっかでさ。俺、前は母親に作ってもらってたから、たまにおかず、あげてたんだよね。
母親の弁当みて美味しいって食べてくれて。その顔がすごく好きで。好きになっちゃって…。
次第に作ってあげたくなって。俺、料理なんてしたことないんだけどさ。母さんに頼んで作り方教えてもらって。それなりに形になった時にあいつに渡して。
告白、しようと思ったんだ。
俺が作ったの内緒にして渡して。嬉しかった。美味しいって言って食べてくれたから。
嬉しくて。『実は僕が作ったんだ』ってあいつに言ったんだよね。そしたら…」
『キモ』
「…それからあいつとは距離空いちゃって。それから学校でも1人になっちゃって。
もう弁当作る理由も無くなって。しばらく弁当作るのやめたんだけどさ、しばらくしてやっぱり楽しかったから。また作るようになったんだ。
みんなといるのは楽しい。でも、またいつか何かのきっかけで嫌われてしまうんじゃないかって思うと怖くて。不安で…」
壊れてしまうのが怖くて。
自分から壊した。
1人なら傷つかないから。
「広瀬はさ、まだそいつの事が好きなの?」
流れる涙を、風間が拭ってくれる。
俺は首を横に振った。
「…前に言った答え合わせ、今してもいいかな。
俺、広瀬が好きだよ」
風間が真っ直ぐに俺を見た。
「好きだよ」

