いつも見上げていた東田さんがわたしを見上げている。
「おはよう」
「お……おはようございます」
「嘘のような本当の話を聞いてよ。クリスマスの前から一昨日までドイツに行ってたんだ」
東田さんのわちに噛まれた指が気になって見ていると、パーにした手を向けられた。
「少し跡がついただけ。もっとしっかり噛まれた方が良かった。そうしたら前みたいに心配してもらえたのに」
「……バカなこと言わないでください」
「本気だよ」
立ち上がった東田さんは背が高いから、今度はわたしが見上げる番。
「以前勤めてた会社の先輩から連絡があって、いきなりパスポートあるか?って。俺がそこで働いてた時にデザインしたものが向こうの実業家の目に止まったらしい。海外は長期休暇の時期かと思ってたのに、連れて行かれて、向こうで仕事させられてた」
東田さんはそこでスマホを取り出すと、画面をこちらへ向けた。
「これ証拠」
見せられた写真には、金髪の人達に囲まれた東田さんともうひとり日本人の男性が写っていた。
「ずっと連絡しなかったのは、そういう事情があったのと、話すならちゃんと顔を見ての方がいいと思ったから」
「おはよう」
「お……おはようございます」
「嘘のような本当の話を聞いてよ。クリスマスの前から一昨日までドイツに行ってたんだ」
東田さんのわちに噛まれた指が気になって見ていると、パーにした手を向けられた。
「少し跡がついただけ。もっとしっかり噛まれた方が良かった。そうしたら前みたいに心配してもらえたのに」
「……バカなこと言わないでください」
「本気だよ」
立ち上がった東田さんは背が高いから、今度はわたしが見上げる番。
「以前勤めてた会社の先輩から連絡があって、いきなりパスポートあるか?って。俺がそこで働いてた時にデザインしたものが向こうの実業家の目に止まったらしい。海外は長期休暇の時期かと思ってたのに、連れて行かれて、向こうで仕事させられてた」
東田さんはそこでスマホを取り出すと、画面をこちらへ向けた。
「これ証拠」
見せられた写真には、金髪の人達に囲まれた東田さんともうひとり日本人の男性が写っていた。
「ずっと連絡しなかったのは、そういう事情があったのと、話すならちゃんと顔を見ての方がいいと思ったから」



