「優希の番だよ?」
菫に名前を呼ばれて、はっとした。
今日の合コンは気合いを入れていたはずなのに、偶然耳にした「樋野晶」という言葉で頭の中がいっぱいになっていた。
「高屋優希です。M商事で受付をやっています。趣味は旅行です」
菫の友達の香月くんが眼科医で、あとの2人も外科医と歯科医。おまけに顔面偏差値も高い。こんな好条件の合コンが流れなくて良かった。
急にこっち側の子が1人来れなくなったと聞いた時は焦ったけれど、菫が「暇な人がいた」と抜けた穴を埋めた。
聞けばトリミングサロンで時々一緒になるくらいで、よく知らないひとだというから、そんな相手をよく誘ったな、と驚いた。しかも年を聞いたら2つ上。
浅葱想世という名の彼女は、見かけも地味だしノリもイマイチだった。
最初、浅葱さんの正面に座っていた橘さんは、どうにも会話が弾まなかったようで、早々に隣に座っていた香月くんと席を代わっていた。
年末年始の予定について話を振られた時も、浅葱さんだけがどこにも行く予定がないと言って場をしらけさせた。
彼女が一次会で帰ったので、残りの5人で二次会へ行くと、ずっと私と話していた外科医の有澤さんが残念そうな様子で言った。
「浅葱さん、帰っちゃったんだ。話してみたかったのにな」
「有澤さんは彼女みたいな子がタイプなんですか?」
彼女のどこがいいのかわからない。
髪型も、服装だって無難。メイクもよく言えばナチュラルメイクなのかもしれないけれど、ネイルだってしていなかったのに。
「おせちを作れる子なんてなかなかいないよね。それに、おっとりとしてる感じがいいな、と思ったんだけど残念」
本当に作れるのかなんてわかんないですよ、と言いたいところを我慢して、笑みを返した。
合コンの後、有澤さんは菫に浅葱さんの連絡先を聞いてきたらしい。
でも、菫も浅葱さんの連絡先を知らなかったから、「教えていいか聞いてみます」と答えて逃げたと、教えてくれた。
菫に名前を呼ばれて、はっとした。
今日の合コンは気合いを入れていたはずなのに、偶然耳にした「樋野晶」という言葉で頭の中がいっぱいになっていた。
「高屋優希です。M商事で受付をやっています。趣味は旅行です」
菫の友達の香月くんが眼科医で、あとの2人も外科医と歯科医。おまけに顔面偏差値も高い。こんな好条件の合コンが流れなくて良かった。
急にこっち側の子が1人来れなくなったと聞いた時は焦ったけれど、菫が「暇な人がいた」と抜けた穴を埋めた。
聞けばトリミングサロンで時々一緒になるくらいで、よく知らないひとだというから、そんな相手をよく誘ったな、と驚いた。しかも年を聞いたら2つ上。
浅葱想世という名の彼女は、見かけも地味だしノリもイマイチだった。
最初、浅葱さんの正面に座っていた橘さんは、どうにも会話が弾まなかったようで、早々に隣に座っていた香月くんと席を代わっていた。
年末年始の予定について話を振られた時も、浅葱さんだけがどこにも行く予定がないと言って場をしらけさせた。
彼女が一次会で帰ったので、残りの5人で二次会へ行くと、ずっと私と話していた外科医の有澤さんが残念そうな様子で言った。
「浅葱さん、帰っちゃったんだ。話してみたかったのにな」
「有澤さんは彼女みたいな子がタイプなんですか?」
彼女のどこがいいのかわからない。
髪型も、服装だって無難。メイクもよく言えばナチュラルメイクなのかもしれないけれど、ネイルだってしていなかったのに。
「おせちを作れる子なんてなかなかいないよね。それに、おっとりとしてる感じがいいな、と思ったんだけど残念」
本当に作れるのかなんてわかんないですよ、と言いたいところを我慢して、笑みを返した。
合コンの後、有澤さんは菫に浅葱さんの連絡先を聞いてきたらしい。
でも、菫も浅葱さんの連絡先を知らなかったから、「教えていいか聞いてみます」と答えて逃げたと、教えてくれた。



