ヘソ天を夢見てる。

お米に塩と味醂を入れると、そこで「味醂を入れるんですか?」と、また聞かれた。

「炊き込みご飯とか作る時にも入れませんか?」

「味噌汁の隠し味みたいな感じ?」

「もしかして、それテレビドラマですか? わたしも見てました」

「俺の周りには見てるやつが誰もいなくて」

そんな話をしながら、冷ました焼き栗も入れて、炊飯器のスイッチを押した。
弱火でことことと煮たかぼちゃはいい感じに仕上がっている。

「浅葱さんはcielで働く前は何をしてたんですか?」

「会社員です。事務をしてました」

「じゃあ、仕事から帰ってご飯を作ってたんですか?」

「だから時短出来ることはどんどん取り入れてました」

「ワチを置いて行ったひとにもご飯を作ってましたか?」

「……そうですね」

「そろそろアスパラの豚巻きを作ります。浅葱さんの言葉を借りれば肉巻き巻きでしたね」

質問しておきながら、また急に話を変えられた。
さっきもいろいろ聞かれたけれど、どうしてなんだろう? そういう性格?


東田さんは冷蔵庫から長いままの太いアスパラを出すと、それを豚肉でくるくると器用に巻いていく。

「このアスパラはオーストラリア産のだから、太いのにスジっぽいところがなくて柔らかいんですよ。浅葱さんの肉巻きは豚肉の幅に合わして野菜をカットするでしょ? それよりこっちの方がおすすめです」

「わたし、そんなこと言いました?」

「いいえ。そんな気がしました」


なるほど。
東田さんは洞察力があるらしい。