みなさんはホテルのラウンジで飲み直すと言うので、1次会でお別れした。
家に帰ってから、上手く話せなかったことを猛省。
少し遠巻きにわたしの様子を伺うわちに「おいで」と声をかけると嬉しそう(多分)に駆け寄って来て、数十センチ手前にお座りをした。
「おいで」
もう一度声をかけると、ようやく「撫でて」と言わんばかりにぴたりと体を寄せて来る。
距離感バグ夫くんは、わたしがお出かけして帰って来ると最初だけ人見知りが発動するのか、遠慮なのか、二段階の近づき方をする。
「お留守番のご褒美いる?」
言葉の意味がわかるらしく、わちは目を輝かせてぴょんぴょんと二足歩行を披露した。
歯磨きガムを持って来て「お座りは?」と声をかけると、なぜか座ったまま数歩後ろへ下がる。
細長い歯磨きガムの端っこを持って、わちがガジガジするのを眺めた。
「ちっとも気の利いた話が出来なかったのに奢ってもらっちゃって、申し訳ない感じだったよ」
わちは歯磨きガムの魅力に取り憑かれていて、わたしの話には興味がない。
「あ、写真」
スマホを向けるとわちが動いたので、またブレた写真が増えた。
わちはスマホやリモコンが怖いので、向けると逃げる。
梶井くんがいなくなってから、彼の写真を1枚も持っていないことに気がついた。梶井くんのことを忘れることはないけれど、ふたりが一緒にいた時間を残したものも何もない。
それで、一日に最低一枚はわちの写真を撮ることにしたのだけれど……未だに寝顔以外はまともに撮れたものがない。
わちは個人情報の管理が厳しい。
家に帰ってから、上手く話せなかったことを猛省。
少し遠巻きにわたしの様子を伺うわちに「おいで」と声をかけると嬉しそう(多分)に駆け寄って来て、数十センチ手前にお座りをした。
「おいで」
もう一度声をかけると、ようやく「撫でて」と言わんばかりにぴたりと体を寄せて来る。
距離感バグ夫くんは、わたしがお出かけして帰って来ると最初だけ人見知りが発動するのか、遠慮なのか、二段階の近づき方をする。
「お留守番のご褒美いる?」
言葉の意味がわかるらしく、わちは目を輝かせてぴょんぴょんと二足歩行を披露した。
歯磨きガムを持って来て「お座りは?」と声をかけると、なぜか座ったまま数歩後ろへ下がる。
細長い歯磨きガムの端っこを持って、わちがガジガジするのを眺めた。
「ちっとも気の利いた話が出来なかったのに奢ってもらっちゃって、申し訳ない感じだったよ」
わちは歯磨きガムの魅力に取り憑かれていて、わたしの話には興味がない。
「あ、写真」
スマホを向けるとわちが動いたので、またブレた写真が増えた。
わちはスマホやリモコンが怖いので、向けると逃げる。
梶井くんがいなくなってから、彼の写真を1枚も持っていないことに気がついた。梶井くんのことを忘れることはないけれど、ふたりが一緒にいた時間を残したものも何もない。
それで、一日に最低一枚はわちの写真を撮ることにしたのだけれど……未だに寝顔以外はまともに撮れたものがない。
わちは個人情報の管理が厳しい。



