ヘソ天を夢見てる。

言われている意味はよくわかる。わたしも自分が浮いているのはわかっている。
小箱さんもお友達の高屋さんも、ブランド物に身を包み、綺麗な色の長い髪を巻いて、指先のネイルまで隙がなく、全てがキラキラしている。
一方わたしは地味な服装に、よく言えばナチュラルメイク。黒髪のおかっぱ頭は横文字に言い換えてもただのボブでしかない。


「もしかして強引に連れてこられた?」

「そんなことは――」

困っていたら、そのタイミングで小箱さんがこちらを、と言うより香月さんの方を向いた。

「今ね、冬休みにどこへ行くかって話をしてたんだけど、香月くんは?」

「俺? 去年と一緒」

わたしと話していた時とは香月さんの声のトーンが違う。

「カナダでスキー? 寒い時に寒いところへ行って楽しいの?」

スキーをするためにカナダ――住んでいる世界が違いすぎる。

「そういう小箱は?」

「ハワイの別荘」

小箱さんはハワイに別荘があるんだ。すごいな。

残りの3人も、年末年始は海外で過ごすということだった。
気を遣ってなのか、香月さんはわたしにも質問した。

「浅葱さんの予定は?」

「わたしですか? わちがいるのでどこにも……」

わちは人が大勢いるところは苦手だから、年末年始に公共の交通機関になんて乗ったら過呼吸気味になってしまう。だから実家にも帰らない。

「じゃあ、予定なし?」

「バイト先のオーナーと一緒におせちを作ることになってます」

わたしの返答のせいで、場がシーンとなってしまった。
なんだか……空気が読めなくてすみません……

「おせちって作るもの? 買うものだと思ってた。作れるなんて神っ」

小箱さんのセリフに、「それお前の家だけ」という香月さんのツッコミが入って、またさっきまでの賑やかな雰囲気に戻ったので、ほっとした。