クリスマスや、ふたりの誕生日、それ以外にもcielへ通うことが増えて、いつしか私達はお店の常連さんになっていた。
ご主人がイギリスの人だと知って、ある時、たどたどしい英語であいさつをしたら、流暢な日本語が返ってきた。
「いつもご贔屓にしてくださってありがとうございます」
「日本語がお上手なんですね」
「日本へは学生の頃から住んでいますね。20歳の時に留学生として来て早江さんに恋をして、そのままこっちで働き始めたから。こんなに素敵な女性はいないでしょ?」
「ねぇ、あなた達、ここは奥ゆかしさが求められる日本だと言ってやって」
ご主人の早江さんに向ける瞳には愛情があふれている。呆れたような口調で反応する早江さんも、その顔には幸せがあふれている。
「早江さんといると僕は毎日が薔薇色です。あなたのいない人生は考えられない」
「ずっとこんなふうだから、本気なのか冗談なのかわからなくて」
「早江さんのご両親反対しました。それで、30歳になっても独身だったら結婚を許してくださいと約束を取り付けました。そしてお店をがんばって結婚しました」
「私がずっと独身だったから、両親もあきらめたみたい」
「ご両親に感謝です。早江さんと結婚できました」
「感謝をするなら私にでしょ?」
そこにあるのは、穏やかな時間。
お店を出た帰り、どちらかが言ったわけでもなく、自然と家への道を遠回りした。
「30歳になっても独身だったら結婚――か……」
「素敵なふたりだね」
「30歳になってもお互い独身だったら結婚しよう」は、よくマンガなんかで聞くフレーズだったけれど、ご主人はそれを早江さんのご両親に向けた。
駆け落ちでも何でも出来たはずなのにそうしなかったのは、早江さんのため。
ふたりは20歳の時に出会い、10年をかけて両親を説得し結婚した。
それをとても簡単なことのように言ってのけたけれど、きっといろんなことがあったんじゃないかと思う。
それだけ長い間、相手を想ってる自信があったということ。
ご主人がイギリスの人だと知って、ある時、たどたどしい英語であいさつをしたら、流暢な日本語が返ってきた。
「いつもご贔屓にしてくださってありがとうございます」
「日本語がお上手なんですね」
「日本へは学生の頃から住んでいますね。20歳の時に留学生として来て早江さんに恋をして、そのままこっちで働き始めたから。こんなに素敵な女性はいないでしょ?」
「ねぇ、あなた達、ここは奥ゆかしさが求められる日本だと言ってやって」
ご主人の早江さんに向ける瞳には愛情があふれている。呆れたような口調で反応する早江さんも、その顔には幸せがあふれている。
「早江さんといると僕は毎日が薔薇色です。あなたのいない人生は考えられない」
「ずっとこんなふうだから、本気なのか冗談なのかわからなくて」
「早江さんのご両親反対しました。それで、30歳になっても独身だったら結婚を許してくださいと約束を取り付けました。そしてお店をがんばって結婚しました」
「私がずっと独身だったから、両親もあきらめたみたい」
「ご両親に感謝です。早江さんと結婚できました」
「感謝をするなら私にでしょ?」
そこにあるのは、穏やかな時間。
お店を出た帰り、どちらかが言ったわけでもなく、自然と家への道を遠回りした。
「30歳になっても独身だったら結婚――か……」
「素敵なふたりだね」
「30歳になってもお互い独身だったら結婚しよう」は、よくマンガなんかで聞くフレーズだったけれど、ご主人はそれを早江さんのご両親に向けた。
駆け落ちでも何でも出来たはずなのにそうしなかったのは、早江さんのため。
ふたりは20歳の時に出会い、10年をかけて両親を説得し結婚した。
それをとても簡単なことのように言ってのけたけれど、きっといろんなことがあったんじゃないかと思う。
それだけ長い間、相手を想ってる自信があったということ。



