ヘソ天を夢見てる。

晶は俺のプロポーズを断った。

『まだ25になってないからダメだよ』

笑ってそう言われた。



俺の気持ちなんておかまいなしに太陽は昇る。
目が覚めても過去には戻っていない。
自然の摂理には抗えない。


今日は晶の25歳の誕生日だった。

ひとりではいたくなかったから、商店街の中にある居酒屋へ立ち寄った。
空いている席はカウンターにひとつだけだったのでそこへ座ると、隣は女のおひとり様で、偶然にもデニムにTシャツという格好が俺のそれと色違いだった。
ふたりして似たような格好だったからか、店員に待ち合わせをしていたと思われたらしく、注文した品が取り皿と一緒に運ばれてきた。

それをきっかけに、なんとなく始まった会話の中で、かなり酔っていた彼女はチワワと暮らすようになった経緯を初対面の俺に話して聞かせた。



勝手にチワワを置いて去って行った彼女の想い人は、どこで何をしているのだろう?
彼女は何を想い、そのチワワと暮らしているのだろう?

あの写真アプリの投稿者も、今はどうしているのだろう?
アカウントを残したままでいるということは、自分の投稿した写真を見て懐かしんでいるのだろうか?


俺の想うひとは、もうこの世界にいない。


もっと早く自分の気持ちを伝えておけば良かった。
そのことばかり何度も考える。


「人生は変化するもの」と、誰かが言っていたのを思い出した。そしてそれは「受け入れるしかない」と。

晶のいない未来を、受け入れることができそうにない俺はどうしたらいいんだろう?





To be continued.


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