パンフレットのデザインを考えようとする度に晶の顔が浮かぶ。
想像の中の晶はいつも笑っていた――
芸大は想像していた以上に毎日が忙しく、1日があっという間だった。
真っ暗な部屋に戻り、窓を開けても見えるのは向かいのマンションの壁で、月も星も見えない夜空を見ながら、思い出すのは晶のことだった。
夏休みになればまた会えると思っていたのに、思いの外忙しくて、結局帰れたのはお盆の3日間だけで、晶の誕生日を祝うのが一ヶ月遅れになった。
それでも晶は笑っていた。
大学2年の、毎日雨が降り続く日。
紙が湿気を吸っていつものように鉛筆がのらなくて、思うような線が出ずにいた時、晶から電話があった。
『あのね、彼氏が出来た』
突然告げられた言葉に、不本意な真っ黒い点が白い紙に強い跡を残した。
「ふうん」とか「へぇ」とか、そんな相槌を打ったような気がする。
『だから……私の誕生日はお祝いしなくていいよ……彼に、悪いから』
『そっか』
その後はもう何を話したのか覚えていない。
それからは実家への足が遠のき、たまに帰っても晶と会うことを避けるようになった。
やがて晶を忘れるために他の女と遊ぶようになり、大学を卒業後、懇意にしていた先輩の事務所で働き始めてからは完全に晶とは会う機会がなくなった。
想像の中の晶はいつも笑っていた――
芸大は想像していた以上に毎日が忙しく、1日があっという間だった。
真っ暗な部屋に戻り、窓を開けても見えるのは向かいのマンションの壁で、月も星も見えない夜空を見ながら、思い出すのは晶のことだった。
夏休みになればまた会えると思っていたのに、思いの外忙しくて、結局帰れたのはお盆の3日間だけで、晶の誕生日を祝うのが一ヶ月遅れになった。
それでも晶は笑っていた。
大学2年の、毎日雨が降り続く日。
紙が湿気を吸っていつものように鉛筆がのらなくて、思うような線が出ずにいた時、晶から電話があった。
『あのね、彼氏が出来た』
突然告げられた言葉に、不本意な真っ黒い点が白い紙に強い跡を残した。
「ふうん」とか「へぇ」とか、そんな相槌を打ったような気がする。
『だから……私の誕生日はお祝いしなくていいよ……彼に、悪いから』
『そっか』
その後はもう何を話したのか覚えていない。
それからは実家への足が遠のき、たまに帰っても晶と会うことを避けるようになった。
やがて晶を忘れるために他の女と遊ぶようになり、大学を卒業後、懇意にしていた先輩の事務所で働き始めてからは完全に晶とは会う機会がなくなった。



