以前仕事をしたクライアントからの紹介で、パンフレットを作る仕事を引き受けたら結婚式場だった。
まるでとっとと晶の結婚を受け入れろとでも言わんばかりの偶然。
打ち合わせを済ませた後、出口に向かって歩いていると、1組のカップルが仲良さそうに前から歩いて来る。
その男の顔には見覚えがある。晶が結婚相手だと言って送ってきた写真の男で間違いない。
更に驚いたのは、男の隣にいる女を俺がよく知っているということ。
「こんにちは」
声をかけると、男の方は不思議そうな顔をして俺を見た。
女の方は俺の顔を見てほんのわずかだけれど目が泳いだ。
「晶の友達の鈴峰さんだよね? 同じ高校だったの覚えてる?」
「あ……うん……」
男の方にも頭を下げた。
「東田と言います。鈴峰さんの友人の樋野晶の幼馴染なんです。こういう場所でお会いするということは、鈴峰さんとご結婚されるんですか?」
「和泉耀といいます。式はまだだいぶ先なんですけどね。僕の仕事の関係でなかなか打ち合わせにとれる時間がないので、早くから動いてるんです」
鈴峰さんが気まずそうなのとは反対に、男の方は俺が晶の幼馴染と知って安心したように見える。
「それはおめでとございます。結婚後は海外へ行かれるんですか?」
「まさか! 海外支店があるような大きな会社には勤めてないので」
「すみません、誰かと間違えたみたいです」
「いえいえ。海外勤務かぁ。いいですね」
こいつの態度には全く取り繕ったところがない。写真の通り見るからに善人としか言いようがない。
動揺しているのは鈴峰さんの方。
それなら――
「写真、ありがとうございます。晶の彼氏のフリとか迷惑だったでしょ? 事情があって俺がやるわけにはいかなかったから」
「そんなことないですよ。彼女の大切な友達が困ってると聞いて放ってはおけませんから」
ビンゴ。
こいつは鈴峰さんに隠れて晶と付き合っているわけじゃない。
しかも鈴峰さんの前で堂々と写真のことを口にするということは、鈴峰さんも写真の件を知っている。
「お陰様で無事解決しました」
「それは良かったです」
「では、失礼します。お幸せに」
まるでとっとと晶の結婚を受け入れろとでも言わんばかりの偶然。
打ち合わせを済ませた後、出口に向かって歩いていると、1組のカップルが仲良さそうに前から歩いて来る。
その男の顔には見覚えがある。晶が結婚相手だと言って送ってきた写真の男で間違いない。
更に驚いたのは、男の隣にいる女を俺がよく知っているということ。
「こんにちは」
声をかけると、男の方は不思議そうな顔をして俺を見た。
女の方は俺の顔を見てほんのわずかだけれど目が泳いだ。
「晶の友達の鈴峰さんだよね? 同じ高校だったの覚えてる?」
「あ……うん……」
男の方にも頭を下げた。
「東田と言います。鈴峰さんの友人の樋野晶の幼馴染なんです。こういう場所でお会いするということは、鈴峰さんとご結婚されるんですか?」
「和泉耀といいます。式はまだだいぶ先なんですけどね。僕の仕事の関係でなかなか打ち合わせにとれる時間がないので、早くから動いてるんです」
鈴峰さんが気まずそうなのとは反対に、男の方は俺が晶の幼馴染と知って安心したように見える。
「それはおめでとございます。結婚後は海外へ行かれるんですか?」
「まさか! 海外支店があるような大きな会社には勤めてないので」
「すみません、誰かと間違えたみたいです」
「いえいえ。海外勤務かぁ。いいですね」
こいつの態度には全く取り繕ったところがない。写真の通り見るからに善人としか言いようがない。
動揺しているのは鈴峰さんの方。
それなら――
「写真、ありがとうございます。晶の彼氏のフリとか迷惑だったでしょ? 事情があって俺がやるわけにはいかなかったから」
「そんなことないですよ。彼女の大切な友達が困ってると聞いて放ってはおけませんから」
ビンゴ。
こいつは鈴峰さんに隠れて晶と付き合っているわけじゃない。
しかも鈴峰さんの前で堂々と写真のことを口にするということは、鈴峰さんも写真の件を知っている。
「お陰様で無事解決しました」
「それは良かったです」
「では、失礼します。お幸せに」



