あの日、梶井くんがチワワを連れて来た日は……初めて梶井くんがうちに泊まった日。何もかも初めてだったから覚えてる。
そしてその日は……梶井くんの命日になって……
今となっては記念日というには全く相応しくないその日付を4桁にして入力すると、あっけなくロックが解除された。
すぐに表示されたのは書きかけのメッセージで、宛先は久慈さん。
<てんぱって指輪を会社に忘れ>
そこでメッセージは終わっていた。
梶井くんの身に起きた事故は、信号待ちでスマホを見ていた梶井くんに、アクセルとブレーキを踏み間違えた乗用車が突っ込んだものだった。
事故に合う瞬間、梶井くんはこのメッセージを――
液晶画面に涙が落ちて、慌てて拭いた。
アルバムを開くと、たくさんの……わたしが作ったご飯の写真。
いつ撮ったのかわからない、わたしの写真もいっぱいあった。その全部が隠し撮りで、カメラを向いている写真は1枚もない。カメラを向いているのは眠っている写真だけで……
日記のようなメモもあった。
『焦るな俺 ゆっくり』
『メッセージこーい』
『一生想世のご飯食べていたい』
『気づけよ』
『思いが通じた!』
『初めて想世の隣で眠った』
『たまには電話くれー』
『写真GET これって犯罪?』
『会社でも彼女って言いふらしたい けど我慢』
『久慈に自慢してやる』
『1年かぁ』
『毎日会いたい ウザいって思われる?』
『警戒心MAXのワチチがいた』
『ワチチのやつ 想世みたいだ』
『想世 かわいいい』
『一緒にいたい』
『寝ている隙に指輪のサイズを測った』
『寝顔もかわいい』
『1年きた 明日 言う』
『神様 仏様 ワチチ様』
ずっと泣かなかったのに。
泣けないでいたのに。
大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちて、止まらなくなった。
そしてその日は……梶井くんの命日になって……
今となっては記念日というには全く相応しくないその日付を4桁にして入力すると、あっけなくロックが解除された。
すぐに表示されたのは書きかけのメッセージで、宛先は久慈さん。
<てんぱって指輪を会社に忘れ>
そこでメッセージは終わっていた。
梶井くんの身に起きた事故は、信号待ちでスマホを見ていた梶井くんに、アクセルとブレーキを踏み間違えた乗用車が突っ込んだものだった。
事故に合う瞬間、梶井くんはこのメッセージを――
液晶画面に涙が落ちて、慌てて拭いた。
アルバムを開くと、たくさんの……わたしが作ったご飯の写真。
いつ撮ったのかわからない、わたしの写真もいっぱいあった。その全部が隠し撮りで、カメラを向いている写真は1枚もない。カメラを向いているのは眠っている写真だけで……
日記のようなメモもあった。
『焦るな俺 ゆっくり』
『メッセージこーい』
『一生想世のご飯食べていたい』
『気づけよ』
『思いが通じた!』
『初めて想世の隣で眠った』
『たまには電話くれー』
『写真GET これって犯罪?』
『会社でも彼女って言いふらしたい けど我慢』
『久慈に自慢してやる』
『1年かぁ』
『毎日会いたい ウザいって思われる?』
『警戒心MAXのワチチがいた』
『ワチチのやつ 想世みたいだ』
『想世 かわいいい』
『一緒にいたい』
『寝ている隙に指輪のサイズを測った』
『寝顔もかわいい』
『1年きた 明日 言う』
『神様 仏様 ワチチ様』
ずっと泣かなかったのに。
泣けないでいたのに。
大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちて、止まらなくなった。



