ヘソ天を夢見てる。

大切なひとが目の前から突然いなくなる気持ちは……誰よりもわかる。
東田さんの言った「同じ想いを抱えてる」というのは……そういう……意味……

「シロツメクサの咲く季節に晶はもういなかった。だから、あれを挟んだのはお互いの気持ちを伝え合う前。色が変色しないように加工までしてあったから、最近のものだと勘違いしただけ。わかった?」

いつからか梶井くんのことを忘れてる時間が増えて、気がついたらそこに東田さんがいた。

「お互いの傷を慰め合いたいわけじゃない。浅葱さんだから、一緒にいたいと思ったんだ」

わたしに起きた奇跡を最初に伝えたいひとは、ひとりしかいない。

「俺との未来を考えてよ」

「……わちが……へそ天で寝てるのを見て……それを1番に伝えたいと思ったのは東田さんだった」

「それって、YESだ」

頷いて、1回では足らない気がして、続けて2回頷いた。

「ここ寒いから、うちで話そう。それとも今ここで温めあう?」

頭を大きく振った私を見て東田さんが笑った。

わたしにも、伝えなければいけないことがある。

「わたし……東田さんの……年上だけど……」

年上だけど、「ありえない」なんて言わないで欲しい。

「知ってる。2つ上」

「誕生日がきたから3つ上」

「やばっ」

「と、年上はありえないかもしれないけど、でも……」

「今からでもお祝い間に合う?」

4回目に頷いた時、東田さんがわたしの手をとった。
ふたりの手は冷たかったけれど、ぎゅっと繋いだから、きっとすぐに暖かくなる。


誕生日の日、たくさんの奇跡が起きた。





END