ある日、同期の梶井くんがケーキの箱のように持ち手のついた小さな段ボール箱を持って現れた。
サイドに空気穴の開いたその箱の中には、びっくりするくらい小さなチワワが入っていて、それがあまりにも小さいから生まれたばっかりなんじゃないかと思ったら、生後2ヶ月ちょっとだと言われた。
「可愛いだろ?」
「それは……うん。かわいい……」
「プレゼント」
言われている意味が理解できなくて、目の前にいる梶井くんと、箱の中で震えているチワワとを見比べた。
「いつまでオレに持たせてるつもり?」
「あの……でも……いきなり……」
「犬が好きって言ってたろ?」
「好き……だけど……そうじゃなくて……」
だって、その子は生きてるんだよ?
これから10年以上一緒に暮らすことになるのに、何の相談もなく、無計画にプレゼントだと言われても……
「喜んでくれると思ったのに」
「でも、このマンション、ペット禁止で……」
「帰る」
それはあまりにも唐突で――
「帰るって――フードとかトイレシーツとか買いに行かないと何もないのに……」
梶井くんは、わたしがなかなか受け取ろうとしなかったからか、チワワの入った段ボールの箱を玄関に置くと、背を向けドアノブに手をかけた。
「待ってよ。わたしどうしたら――」
梶井くんは振り向くと、一旦ドアノブから手を離し、わたしの頭を撫でると出て行った。
玄関に小さな命を残して。
サイドに空気穴の開いたその箱の中には、びっくりするくらい小さなチワワが入っていて、それがあまりにも小さいから生まれたばっかりなんじゃないかと思ったら、生後2ヶ月ちょっとだと言われた。
「可愛いだろ?」
「それは……うん。かわいい……」
「プレゼント」
言われている意味が理解できなくて、目の前にいる梶井くんと、箱の中で震えているチワワとを見比べた。
「いつまでオレに持たせてるつもり?」
「あの……でも……いきなり……」
「犬が好きって言ってたろ?」
「好き……だけど……そうじゃなくて……」
だって、その子は生きてるんだよ?
これから10年以上一緒に暮らすことになるのに、何の相談もなく、無計画にプレゼントだと言われても……
「喜んでくれると思ったのに」
「でも、このマンション、ペット禁止で……」
「帰る」
それはあまりにも唐突で――
「帰るって――フードとかトイレシーツとか買いに行かないと何もないのに……」
梶井くんは、わたしがなかなか受け取ろうとしなかったからか、チワワの入った段ボールの箱を玄関に置くと、背を向けドアノブに手をかけた。
「待ってよ。わたしどうしたら――」
梶井くんは振り向くと、一旦ドアノブから手を離し、わたしの頭を撫でると出て行った。
玄関に小さな命を残して。



