今日は全体で朝の部活が休みだったらしくいつもは静かな教室も賑わっていた。
ホームルームが終わり、担任の元へ。
「先生、すみません。遅くなりました。」
昨日書けなかった進路希望を渡す。
先生は軽く目を通して受け取った。
「あ、三者面談のことだけどやっぱりできたら来れないか?少し時間かかってもいいから。」
「あぁ…えっと、伝えておきます…。」
毎年忙しいことを理由に一人で受けていたけど流石に2年の春となると進路を決める大事な時だ。
俺だけで決めれないことがあると判断したんだろう。
悪いな、と先生は少し謝り教室を後にした。
先生は何も悪くない。こんな生徒で申し訳ない。
「大丈夫だった?」
「うん、三者面談来れないかって。」
「そっか。これるといいね」
俺が酷い顔をしてたのか、侑李は俺の頭を撫でた。
そうされるだけで少し気持ちが軽くなる。
両親の連絡先も知らないからいつか帰ってきた時に話すしかない。
いつ帰ってくるかも分からないから本当に時間がかかるかもしれない。
午前の授業が終わって昼休み、侑李はもう少しで練習試合があるからと昼休みも部活のミーティングへ行ってしまうから一人で食べていた。
購買へ向かい、パンやお弁当を買って教室へ戻る。
「あ、あのっ西川くん、」
「ん?どうしたの?」
「これ、田島くんに渡してくれない…?」
別クラスの女子がそう言って手紙と紙袋を渡された。
「わかった。」
「ありがとう……!」
恐らくラブレターなんだろうな、と分かる。
前も何度か俺を通して渡して欲しいと言ってくる女子は居た。
自分で渡せよ、とその度に思うけどそれを言った時女子からの報復が怖いから言ったことはない。
ただ、俺からしてみれば面白いものじゃなくて、ただでさえ話せる時間が減ってモヤモヤしてるのに余計にモヤモヤが増えた。
「はあ。」
侑李は断ってくれると信じているけど、もし別れようなんて言われた日には俺は人生のどん底へ叩き落とされる。
そのぐらい侑李は大切な存在なんだ。
昼休み終了の15分前にミーティングから戻ってきた侑李へ先程の手紙と紙袋を渡す。
「……これなに?」
「別クラスの女子から。名前はわかんない。ごめん。」
「なんで受け取るの。」
「いや……断ったらなんか言われそうで。」
俺を介して女子からのプレゼントを渡すと侑李は少し機嫌が悪くなって「こっち来て」と言われて人が少ない方へ向かう。
「隼人は嫌じゃないの?」
「……思うけど、俺が断る理由ないじゃん。」
「隼人は俺の恋人じゃないの?それが断る理由にならない?」
「言えるわけないでしょ。」
ピリついた雰囲気になってきて冷や汗をかく。
確かに俺は侑李の恋人だし断る権限はあるかもしれない。
だけど男同士で付き合ってるなんて知られたら何を言われるかわからない。
学校なんて小さなコミュニティの中では噂なんてすぐに広まる。
もし俺が女の子だったら、「私たち付き合ってるから渡せない」と言えたかもしれない。
「隼人は俺と付き合ってること人に言えないの?」
「男同士で付き合ってるなんて、言えないよ。」
「恥ずかしい?」
「……恥ずかしいというか、変に思われるよ。」
侑李の顔がどんどん険しくなっていく。
見たことがないくらい冷たい顔。
「隼人はずっとそう思ってたんだ。」
「いや、そうじゃなくて!俺だって堂々としたいけど、周りからどう思われるかわかんないじゃん。」
なんで、なんでこんな事で喧嘩してんだろ。
そもそも俺は侑李へ渡して欲しい物を言われた通りにしただけなのに。
俺だってモヤモヤしてるのに。なんで。俺がこんな責められるんだ。
「……わかった。ごめん。これは俺から返す。」
「……そうしてくれると助かる。」
5分前のチャイムが鳴り、教室へ戻る。
何も会話せずそれぞれの席へ座る。
それから放課後まで俺たちは会話すること無かった。
今日は放課後の掃除当番でゴミを外の収集場まで持ってきた。
そこで見えたのがあの女子と侑李の姿だった。
聞き取りづらいけど2人の会話が少し聞こえてきて、ダメだと思いつつ影に隠れて盗み聞きした。
「こういうのは直接俺に来て欲しい。」
「ごめんねっ、田島くん忙しそうで渡すタイミング逃しちゃって。」
「そうだったんだ。でもごめん、これは受け取れない。俺付き合ってる人いるから。」
「あっそうなんだね。ごめん!」
侑李の静かでどこかイラついたような声。
女の子は何も言い返せず渡した物を受け取って走って戻っていった。
暗くて見えづらいけど泣いていたように見えた。
「盗み聞きなんて良くないね。」
「っ!」
「断ったよ。今日はごめん。冷静になって考えてみたら俺がちゃんと断らないのがダメなんだよなって思って。」
死角で気づかれないと思っていたのに、いつから気がついていたのか。
「なんで俺に平然とした顔で渡して来るんだろ、って何も思ってないのかな、とか思ってたら隼人に苛立ったのぶつけてた。
ごめん。」
「いや、俺も断らなかったし。ごめん。」
「もうこういう事は直接俺に来てって言ったから。多分もうないと思う。
隼人に嫌な思いさせてごめん。」
「いいよ、侑李なら断ってくれるって思ってたし。」
お互い謝ってゴミを捨てて教室へ戻る。
人が少なくなった校舎の中でふいに手を繋がれる。
「少しこうさせて。」
手が触れるだけでドキドキとする。
さっきまでの不穏な空気とは変わっていつもの柔らかい穏やかな空気が流れる。
このまま気まづくならなくて良かった。
もうすぐで部活が始まる時間になる。
侑李は身支度を済ませて教室を出ようとした。
「今日待っててもいい?」
「いつもありがとう、なるべく早く戻る!」
「部活頑張って。」
侑李を見送って俺は図書室へ。
どうせ家に帰っても一人だから、2時間ここで待つぐらい全然苦じゃない。
明日のデートどこ行こう。楽しみだな。
スマホでおすすめの場所を調べていくつかピックアップした。
帰り途中にどこか行きたいところはあるか聞いてみよう。
ホームルームが終わり、担任の元へ。
「先生、すみません。遅くなりました。」
昨日書けなかった進路希望を渡す。
先生は軽く目を通して受け取った。
「あ、三者面談のことだけどやっぱりできたら来れないか?少し時間かかってもいいから。」
「あぁ…えっと、伝えておきます…。」
毎年忙しいことを理由に一人で受けていたけど流石に2年の春となると進路を決める大事な時だ。
俺だけで決めれないことがあると判断したんだろう。
悪いな、と先生は少し謝り教室を後にした。
先生は何も悪くない。こんな生徒で申し訳ない。
「大丈夫だった?」
「うん、三者面談来れないかって。」
「そっか。これるといいね」
俺が酷い顔をしてたのか、侑李は俺の頭を撫でた。
そうされるだけで少し気持ちが軽くなる。
両親の連絡先も知らないからいつか帰ってきた時に話すしかない。
いつ帰ってくるかも分からないから本当に時間がかかるかもしれない。
午前の授業が終わって昼休み、侑李はもう少しで練習試合があるからと昼休みも部活のミーティングへ行ってしまうから一人で食べていた。
購買へ向かい、パンやお弁当を買って教室へ戻る。
「あ、あのっ西川くん、」
「ん?どうしたの?」
「これ、田島くんに渡してくれない…?」
別クラスの女子がそう言って手紙と紙袋を渡された。
「わかった。」
「ありがとう……!」
恐らくラブレターなんだろうな、と分かる。
前も何度か俺を通して渡して欲しいと言ってくる女子は居た。
自分で渡せよ、とその度に思うけどそれを言った時女子からの報復が怖いから言ったことはない。
ただ、俺からしてみれば面白いものじゃなくて、ただでさえ話せる時間が減ってモヤモヤしてるのに余計にモヤモヤが増えた。
「はあ。」
侑李は断ってくれると信じているけど、もし別れようなんて言われた日には俺は人生のどん底へ叩き落とされる。
そのぐらい侑李は大切な存在なんだ。
昼休み終了の15分前にミーティングから戻ってきた侑李へ先程の手紙と紙袋を渡す。
「……これなに?」
「別クラスの女子から。名前はわかんない。ごめん。」
「なんで受け取るの。」
「いや……断ったらなんか言われそうで。」
俺を介して女子からのプレゼントを渡すと侑李は少し機嫌が悪くなって「こっち来て」と言われて人が少ない方へ向かう。
「隼人は嫌じゃないの?」
「……思うけど、俺が断る理由ないじゃん。」
「隼人は俺の恋人じゃないの?それが断る理由にならない?」
「言えるわけないでしょ。」
ピリついた雰囲気になってきて冷や汗をかく。
確かに俺は侑李の恋人だし断る権限はあるかもしれない。
だけど男同士で付き合ってるなんて知られたら何を言われるかわからない。
学校なんて小さなコミュニティの中では噂なんてすぐに広まる。
もし俺が女の子だったら、「私たち付き合ってるから渡せない」と言えたかもしれない。
「隼人は俺と付き合ってること人に言えないの?」
「男同士で付き合ってるなんて、言えないよ。」
「恥ずかしい?」
「……恥ずかしいというか、変に思われるよ。」
侑李の顔がどんどん険しくなっていく。
見たことがないくらい冷たい顔。
「隼人はずっとそう思ってたんだ。」
「いや、そうじゃなくて!俺だって堂々としたいけど、周りからどう思われるかわかんないじゃん。」
なんで、なんでこんな事で喧嘩してんだろ。
そもそも俺は侑李へ渡して欲しい物を言われた通りにしただけなのに。
俺だってモヤモヤしてるのに。なんで。俺がこんな責められるんだ。
「……わかった。ごめん。これは俺から返す。」
「……そうしてくれると助かる。」
5分前のチャイムが鳴り、教室へ戻る。
何も会話せずそれぞれの席へ座る。
それから放課後まで俺たちは会話すること無かった。
今日は放課後の掃除当番でゴミを外の収集場まで持ってきた。
そこで見えたのがあの女子と侑李の姿だった。
聞き取りづらいけど2人の会話が少し聞こえてきて、ダメだと思いつつ影に隠れて盗み聞きした。
「こういうのは直接俺に来て欲しい。」
「ごめんねっ、田島くん忙しそうで渡すタイミング逃しちゃって。」
「そうだったんだ。でもごめん、これは受け取れない。俺付き合ってる人いるから。」
「あっそうなんだね。ごめん!」
侑李の静かでどこかイラついたような声。
女の子は何も言い返せず渡した物を受け取って走って戻っていった。
暗くて見えづらいけど泣いていたように見えた。
「盗み聞きなんて良くないね。」
「っ!」
「断ったよ。今日はごめん。冷静になって考えてみたら俺がちゃんと断らないのがダメなんだよなって思って。」
死角で気づかれないと思っていたのに、いつから気がついていたのか。
「なんで俺に平然とした顔で渡して来るんだろ、って何も思ってないのかな、とか思ってたら隼人に苛立ったのぶつけてた。
ごめん。」
「いや、俺も断らなかったし。ごめん。」
「もうこういう事は直接俺に来てって言ったから。多分もうないと思う。
隼人に嫌な思いさせてごめん。」
「いいよ、侑李なら断ってくれるって思ってたし。」
お互い謝ってゴミを捨てて教室へ戻る。
人が少なくなった校舎の中でふいに手を繋がれる。
「少しこうさせて。」
手が触れるだけでドキドキとする。
さっきまでの不穏な空気とは変わっていつもの柔らかい穏やかな空気が流れる。
このまま気まづくならなくて良かった。
もうすぐで部活が始まる時間になる。
侑李は身支度を済ませて教室を出ようとした。
「今日待っててもいい?」
「いつもありがとう、なるべく早く戻る!」
「部活頑張って。」
侑李を見送って俺は図書室へ。
どうせ家に帰っても一人だから、2時間ここで待つぐらい全然苦じゃない。
明日のデートどこ行こう。楽しみだな。
スマホでおすすめの場所を調べていくつかピックアップした。
帰り途中にどこか行きたいところはあるか聞いてみよう。

