「オラァ! どうした桐宮、こんなもんかよ!」
戦闘が始まってからというもの、俺は完全に防戦一方に追い込まれていた。八雲の容赦のない連撃を双剣で受けるだけで精一杯で、反撃の糸口さえ掴めずにいる。
(――こいつ、マジで強すぎる……!)
これまで模擬戦や実戦で刃を交えてきた帝や雨宮も、強かった。だが、目の前で獰猛な笑みを浮かべる八雲は、性質の違う恐ろしさがある。純粋な戦闘センスと、一撃一撃の重さ。その二つが、あいつらとはまた違う脅威を感じさせる。
そして何より、奴の手にある『如意棒』が最高に厄介だった。
得物の間合いの外へ逃れようと、伸縮による勢いまで加わった刺突は、一発受けるだけでも腕が痺れるほど重い。が俺の顔面を掠めていく。
ただ伸縮するだけじゃない。その超高速の刺突が放つスピードと破壊力は、下手な上級魔法の直撃よりも遥かに重く、鋭かった。
「防いでばっかじゃ、俺には一生勝てねえぞ!」
「……んなこと、言われなくても分かってんだよッ!」
反撃する隙すら与えてくれないくせに、よくまあ軽口が叩けたものだ。こっちはガードの手を緩めた瞬間に骨を折られる恐怖と戦いながら、文字通り死に物狂いで守っているっていうのに。
戦う前、玲奈のやつに「絶対に勝つ」なんて大口を叩いてカッコつけた手前、無様な姿は見せられないが――正直、想像以上にまずい展開かもしれない。
「オラァッ!!」
「――がはっ……ッ!?」
思考が一瞬逸れた隙を突かれた。防御の構えを強引にこじ開けられ、八雲の重い蹴りが俺の腹部へ直撃する。
内臓が押し潰されるような衝撃に息が詰まり、俺の身体は弾かれたように後方へと吹き飛んだ。視界が激しく揺れる。空中でなんとか必死に体勢を立て直し、泥臭く地面を滑りながら両足で着地した。
……普通に痛え。めちゃくちゃ痛え。
どうすれば、この化け物に一矢報いることができる?
さっきから脳細胞をフル回転させて勝機を探っているが、何も思いつかない。いや、八雲みたいな野生の塊を相手に、頭でちまちま考えている時点でダメなのかもしれないな。
だったら、今の俺にできる最大火力を、がむしゃらにぶつけるだけだ!
「――上等だ、やるだけやってやるッ!!」
俺は湧き上がる魔力を強引に双剣へと流し込み、クロスさせて構えた。
「双炎剣壱ノ型――【陽炎】ッ!!」
右上、左上から交差するように斜めに振り下ろす。刀身から解き放たれた二筋の炎の斬撃が、激しい熱風を伴って八雲へと肉薄した。
「ハッ! 甘ぇんだよ!」
八雲はニヤリと笑い、一つ目の斬撃を如意棒を軽く一振りするだけで霧散させた。
だが、本命はそっちじゃない。二つ目の炎の斬撃は――。
「あ? どこ狙って……」
八雲の身体ではなく、その一歩手前――奴の足元の地面へと直撃した。
凄まじい爆発音と共に、グラウンドの乾燥した土壌が大量の砂煙となって巻き上がる。
「よし! 狙い通りだ!」
ここは障害物のない見通しの良いグラウンド。だからこそ、地面を目掛けて爆発的な斬撃を叩き込めば、濃密な砂塵のカーテンが作れる。これで確実に八雲の視界を奪ったはずだ。
俺はこの千載一遇のチャンスを逃さず、一気に地を蹴って走り出した。
「チッ、小賢しい真似しやがる……!」
煙の向こうから八雲の忌々しげな声が聞こえる。俺は正面から突っ込むと見せかけ、八雲の周囲をぐるりと円を描くように高速で回り込み、死角へと回りながら距離を取った。
「これで決める……! 双炎剣弐ノ型――【炎熱地獄】ッ!!」
八雲を取り囲むように配置した俺の魔力の残滓が、一斉に牙を剥く。
轟音とともに八雲を取り囲んだ炎が一斉に弾け、激しい爆炎と砂煙が巻き上がった。
「ハァ、ハァ、ハァ……っ。どうだ……やったか……!?」
肩を激しく上下させながら、炎の渦を見つめる。かなりの魔力を一気に消費したせいで、視界の端がチカチカする。頼むから、これで終わってくれ。
「……おっと。今のはモロに食らってたら、ちょっと危なかったな。中々良い攻撃じゃねぇか、桐宮ァ!」
パチパチと火の粉が爆ぜる音の向こう、ゆっくりと晴れていく煙の中から、聞き覚えのある楽しげな声が響いた。現れた八雲は、制服のあちこちが少しだけ焦げて破れているものの、その肉体には大したダメージが見当たらない。
嘘だろ、今のを避けたってのかよ。くそっ……!
「……一体どうやって避けたんだ。周りに逃げ場は無かったはずだろ……っ!」
【炎熱地獄】は、全方位を炎の壁で囲んで退路を断った上で爆破する技だ。左右や前後にステップして避けられるはずがない。
「確かに、前後左右に逃げ場はなかったな」
「だったら、どうやって!」
俺が歯噛みしながら再度問い詰めると、八雲は白い歯を見せて笑い、一言だけ返した。
「――『周り』は、な」
言っていることの意味を俺の頭が理解するより早く、八雲は人差し指でツンと真上を指差した。
「……飛んだ、のか……?」
「まあな。ギリギリだったが……こいつ(如意棒)は本当に便利でな」
つまり奴は、自身の跳躍と同時に、如意棒を地面へ伸ばして身体を押し上げ、爆発の直前に上空へ逃れた。ギミック武器の特性を骨の髄まで生かしきった、荒技。
「……くそッ……!」
最大の切り札を凌がれた。今ので決めきれなかったのは、精神的にも魔力的にも、致命的と言っていい。
「今度は俺の番だ。いくぞ――伸びろ!」
八雲の鋭い眼光と共に、手元の如意棒が凄まじい速度で俺の胸元めがけて急成長してくる。俺は咄嗟に横っ飛びで身体を投げ出し、間一髪でその軌道から逃れた。
「――曲がれ」
「なっ!?」
地面に転がりながら八雲の方を見た瞬間、奴の冷徹な命令が鼓膜を刺した。
通り過ぎて背後に消えたはずの如意棒が、背後へ抜けた如意棒が大きく軌道を曲げ、無防備な俺の背中へ迫る。
「ガはっ……あッ……!」
あまりの衝撃に、俺はその勢いのまま前方へと激しく倒れ込んだ。口の中から鉄の味が広がる。
「悪いな、こいつは俺の意志一つで、長さも軌道もなにからなにまで自由自在なんだわ」
上から八雲の声が降ってくるが、背中を焼くような激痛と酸欠のせいで、まともに耳に入ってこない。
「ほら、立てよ。まだまだやれんだろ? おい」
痛む身体を無理やり動かし、睨みつけるように八雲の顔を見上げる。そこには、心底この極限状態を楽しんでいるような、狂気じみた笑顔があった。
こっちは死にそうなくらい痛いっての。戦闘民族のサディストめ。
……いや、サディストっていう形容詞は、どちらかと言えばあの掴みどころのないルイの野郎の方が似合っているか?
クソ、一瞬の余裕もありゃしないのに、こんな戦いの最中に関係ない雑念を抱いてる暇なんてないんだが。
そんな自嘲気味な思考を頭の隅で回しながら、俺は膝をガタガタと震わせ、ふらふらと、どうにか立ち上がった。
「そうこねぇとなぁッ!! まだまだ闘いたらねぇぞ桐宮ァ!」
俺が諦めていないのを見て、八雲の笑顔がさらに深く、凶悪に釣り上がる。奴は獲物を見つけた肉食獣のように、再びこちらへ突進してきた。
(こっちは全然楽しくねえってんだよ……っ!)
迫り来る如意棒の変幻自在の打撃を、迫り来る如意棒の変幻自在の打撃を、両手の剣で必死に捌く。だが、正直に言ってもう限界だった。
こいつの闘い方には、一切の「型」がない。武術のセオリーを無視した、野生の直感のままに振り回される予測不能の変則スタイル。先が全く読めない戦闘は、これまでにないほど精神を摩耗させる。
「オラァッ!!」
――ガキンッ!!!
金属同士が激しくぶつかり合う、耳を劈くような硬質な音が響く。
「しまっ――!?」
あまりの腕力による打撃に耐えきれず、俺の右手に握られていたはずの『レーヴァテイン』が弾き飛ばされ、綺麗な弧を描いて遥か遠くの地面へと突き刺さった。片翼を失った。
「――伸びろ」
武器を失い、完全に体勢を崩した俺の胸元へ、冷酷な二文字が突き刺さる。
視界を埋め尽くす真紅の鉄柱が、容赦のない速度で俺の鳩尾へと突き進み――そして、直撃した。
ゴフッ、と、言葉にならない悲鳴が喉の奥で潰れる。
視界を埋めるように伸びてきた如意棒が、俺の鳩尾へ直撃した。
肺から一気に空気が押し出され、身体が後方へ弾き飛ばされる。
受け身を取る余裕もなく地面を転がり、そのまま仰向けに倒れた。
「ごほっ、ごふっ……は、あ……っ」
息がうまく吸えない。全身に痛みが走り、視界が急速に狭まっていく。
全身の神経が悲鳴を上げ、視界が急速に狭まっていく。
くそ、玲奈に……勝つって……。
必死に抗おうとする俺の意思とは裏腹に、目の前が真っ黒に染まっていく。
激しい焦燥感の中で、俺の意識は――完全に、途切れた。
戦闘が始まってからというもの、俺は完全に防戦一方に追い込まれていた。八雲の容赦のない連撃を双剣で受けるだけで精一杯で、反撃の糸口さえ掴めずにいる。
(――こいつ、マジで強すぎる……!)
これまで模擬戦や実戦で刃を交えてきた帝や雨宮も、強かった。だが、目の前で獰猛な笑みを浮かべる八雲は、性質の違う恐ろしさがある。純粋な戦闘センスと、一撃一撃の重さ。その二つが、あいつらとはまた違う脅威を感じさせる。
そして何より、奴の手にある『如意棒』が最高に厄介だった。
得物の間合いの外へ逃れようと、伸縮による勢いまで加わった刺突は、一発受けるだけでも腕が痺れるほど重い。が俺の顔面を掠めていく。
ただ伸縮するだけじゃない。その超高速の刺突が放つスピードと破壊力は、下手な上級魔法の直撃よりも遥かに重く、鋭かった。
「防いでばっかじゃ、俺には一生勝てねえぞ!」
「……んなこと、言われなくても分かってんだよッ!」
反撃する隙すら与えてくれないくせに、よくまあ軽口が叩けたものだ。こっちはガードの手を緩めた瞬間に骨を折られる恐怖と戦いながら、文字通り死に物狂いで守っているっていうのに。
戦う前、玲奈のやつに「絶対に勝つ」なんて大口を叩いてカッコつけた手前、無様な姿は見せられないが――正直、想像以上にまずい展開かもしれない。
「オラァッ!!」
「――がはっ……ッ!?」
思考が一瞬逸れた隙を突かれた。防御の構えを強引にこじ開けられ、八雲の重い蹴りが俺の腹部へ直撃する。
内臓が押し潰されるような衝撃に息が詰まり、俺の身体は弾かれたように後方へと吹き飛んだ。視界が激しく揺れる。空中でなんとか必死に体勢を立て直し、泥臭く地面を滑りながら両足で着地した。
……普通に痛え。めちゃくちゃ痛え。
どうすれば、この化け物に一矢報いることができる?
さっきから脳細胞をフル回転させて勝機を探っているが、何も思いつかない。いや、八雲みたいな野生の塊を相手に、頭でちまちま考えている時点でダメなのかもしれないな。
だったら、今の俺にできる最大火力を、がむしゃらにぶつけるだけだ!
「――上等だ、やるだけやってやるッ!!」
俺は湧き上がる魔力を強引に双剣へと流し込み、クロスさせて構えた。
「双炎剣壱ノ型――【陽炎】ッ!!」
右上、左上から交差するように斜めに振り下ろす。刀身から解き放たれた二筋の炎の斬撃が、激しい熱風を伴って八雲へと肉薄した。
「ハッ! 甘ぇんだよ!」
八雲はニヤリと笑い、一つ目の斬撃を如意棒を軽く一振りするだけで霧散させた。
だが、本命はそっちじゃない。二つ目の炎の斬撃は――。
「あ? どこ狙って……」
八雲の身体ではなく、その一歩手前――奴の足元の地面へと直撃した。
凄まじい爆発音と共に、グラウンドの乾燥した土壌が大量の砂煙となって巻き上がる。
「よし! 狙い通りだ!」
ここは障害物のない見通しの良いグラウンド。だからこそ、地面を目掛けて爆発的な斬撃を叩き込めば、濃密な砂塵のカーテンが作れる。これで確実に八雲の視界を奪ったはずだ。
俺はこの千載一遇のチャンスを逃さず、一気に地を蹴って走り出した。
「チッ、小賢しい真似しやがる……!」
煙の向こうから八雲の忌々しげな声が聞こえる。俺は正面から突っ込むと見せかけ、八雲の周囲をぐるりと円を描くように高速で回り込み、死角へと回りながら距離を取った。
「これで決める……! 双炎剣弐ノ型――【炎熱地獄】ッ!!」
八雲を取り囲むように配置した俺の魔力の残滓が、一斉に牙を剥く。
轟音とともに八雲を取り囲んだ炎が一斉に弾け、激しい爆炎と砂煙が巻き上がった。
「ハァ、ハァ、ハァ……っ。どうだ……やったか……!?」
肩を激しく上下させながら、炎の渦を見つめる。かなりの魔力を一気に消費したせいで、視界の端がチカチカする。頼むから、これで終わってくれ。
「……おっと。今のはモロに食らってたら、ちょっと危なかったな。中々良い攻撃じゃねぇか、桐宮ァ!」
パチパチと火の粉が爆ぜる音の向こう、ゆっくりと晴れていく煙の中から、聞き覚えのある楽しげな声が響いた。現れた八雲は、制服のあちこちが少しだけ焦げて破れているものの、その肉体には大したダメージが見当たらない。
嘘だろ、今のを避けたってのかよ。くそっ……!
「……一体どうやって避けたんだ。周りに逃げ場は無かったはずだろ……っ!」
【炎熱地獄】は、全方位を炎の壁で囲んで退路を断った上で爆破する技だ。左右や前後にステップして避けられるはずがない。
「確かに、前後左右に逃げ場はなかったな」
「だったら、どうやって!」
俺が歯噛みしながら再度問い詰めると、八雲は白い歯を見せて笑い、一言だけ返した。
「――『周り』は、な」
言っていることの意味を俺の頭が理解するより早く、八雲は人差し指でツンと真上を指差した。
「……飛んだ、のか……?」
「まあな。ギリギリだったが……こいつ(如意棒)は本当に便利でな」
つまり奴は、自身の跳躍と同時に、如意棒を地面へ伸ばして身体を押し上げ、爆発の直前に上空へ逃れた。ギミック武器の特性を骨の髄まで生かしきった、荒技。
「……くそッ……!」
最大の切り札を凌がれた。今ので決めきれなかったのは、精神的にも魔力的にも、致命的と言っていい。
「今度は俺の番だ。いくぞ――伸びろ!」
八雲の鋭い眼光と共に、手元の如意棒が凄まじい速度で俺の胸元めがけて急成長してくる。俺は咄嗟に横っ飛びで身体を投げ出し、間一髪でその軌道から逃れた。
「――曲がれ」
「なっ!?」
地面に転がりながら八雲の方を見た瞬間、奴の冷徹な命令が鼓膜を刺した。
通り過ぎて背後に消えたはずの如意棒が、背後へ抜けた如意棒が大きく軌道を曲げ、無防備な俺の背中へ迫る。
「ガはっ……あッ……!」
あまりの衝撃に、俺はその勢いのまま前方へと激しく倒れ込んだ。口の中から鉄の味が広がる。
「悪いな、こいつは俺の意志一つで、長さも軌道もなにからなにまで自由自在なんだわ」
上から八雲の声が降ってくるが、背中を焼くような激痛と酸欠のせいで、まともに耳に入ってこない。
「ほら、立てよ。まだまだやれんだろ? おい」
痛む身体を無理やり動かし、睨みつけるように八雲の顔を見上げる。そこには、心底この極限状態を楽しんでいるような、狂気じみた笑顔があった。
こっちは死にそうなくらい痛いっての。戦闘民族のサディストめ。
……いや、サディストっていう形容詞は、どちらかと言えばあの掴みどころのないルイの野郎の方が似合っているか?
クソ、一瞬の余裕もありゃしないのに、こんな戦いの最中に関係ない雑念を抱いてる暇なんてないんだが。
そんな自嘲気味な思考を頭の隅で回しながら、俺は膝をガタガタと震わせ、ふらふらと、どうにか立ち上がった。
「そうこねぇとなぁッ!! まだまだ闘いたらねぇぞ桐宮ァ!」
俺が諦めていないのを見て、八雲の笑顔がさらに深く、凶悪に釣り上がる。奴は獲物を見つけた肉食獣のように、再びこちらへ突進してきた。
(こっちは全然楽しくねえってんだよ……っ!)
迫り来る如意棒の変幻自在の打撃を、迫り来る如意棒の変幻自在の打撃を、両手の剣で必死に捌く。だが、正直に言ってもう限界だった。
こいつの闘い方には、一切の「型」がない。武術のセオリーを無視した、野生の直感のままに振り回される予測不能の変則スタイル。先が全く読めない戦闘は、これまでにないほど精神を摩耗させる。
「オラァッ!!」
――ガキンッ!!!
金属同士が激しくぶつかり合う、耳を劈くような硬質な音が響く。
「しまっ――!?」
あまりの腕力による打撃に耐えきれず、俺の右手に握られていたはずの『レーヴァテイン』が弾き飛ばされ、綺麗な弧を描いて遥か遠くの地面へと突き刺さった。片翼を失った。
「――伸びろ」
武器を失い、完全に体勢を崩した俺の胸元へ、冷酷な二文字が突き刺さる。
視界を埋め尽くす真紅の鉄柱が、容赦のない速度で俺の鳩尾へと突き進み――そして、直撃した。
ゴフッ、と、言葉にならない悲鳴が喉の奥で潰れる。
視界を埋めるように伸びてきた如意棒が、俺の鳩尾へ直撃した。
肺から一気に空気が押し出され、身体が後方へ弾き飛ばされる。
受け身を取る余裕もなく地面を転がり、そのまま仰向けに倒れた。
「ごほっ、ごふっ……は、あ……っ」
息がうまく吸えない。全身に痛みが走り、視界が急速に狭まっていく。
全身の神経が悲鳴を上げ、視界が急速に狭まっていく。
くそ、玲奈に……勝つって……。
必死に抗おうとする俺の意思とは裏腹に、目の前が真っ黒に染まっていく。
激しい焦燥感の中で、俺の意識は――完全に、途切れた。
