魔闘祭の予選が終了して、二週間が経った。
この期間に、一つとんでもないことが起きた。なんと、あの帝が謝ってきたのだ。
サラがその謝罪をあっさりと受け入れたため、俺や皆は特になにも言うことはなかったが……正直、あいつが頭を下げてくるなんて思いもしなかった。あいつも、少しは丸くなったということか。
「しかし、そんな別荘持ってるなんて相変わらず凄えな、この学園は」
不意に後ろから声をかけられ、俺は振り返った。親友の紘弥だ。
「ん? ああ、合宿の話か。確かに、全学年の代表者が泊まれる別荘を複数所有してるって、どんだけ金持ってんだって話だよな」
「まあ、日本有数の魔法学園だからな。……ってかよ、ここの学園長ってお前の母さんだろ?」
「えっ!? なんで知ってんだ!?」
いきなりの言葉に、俺は驚きを隠せず大きな声を出してしまった。クラス中の視線が一斉に俺たちに突き刺さる。
「……そんなわけねぇだろ。で、なんで知ってんだ?」
声を潜めて尋ねると、紘弥はニヤリと笑った。
「そりゃあ、自分が通ってる学校の学園長の名前ぐらい覚えてるからな。お前と同じ『桐宮』だろ? お前が楓さんの弟なら、必然的にそうなる」
「あー……そういうことか」
納得しつつも、自分の出自がバレていることに少しだけ居心地の悪さを感じる。
しかし、そんなことよりも気になるのは予選の最後に起きた異変だ。完全に魔力が尽きていたはずの俺に、突如として溢れ出してきた謎の魔力……。二週間経った今でも、その正体は全く分からないままだ。
「お~い、静かに席に座れー」
ガラリと教室のドアが開き、気の抜けた声が響いた。担任の**烏廻**さんだ。
「え~と、今からホームルームをする訳なんだが……めんどくせぇよなー。よし! ってことでホームルームは終わりに――」
「どういうわけだ!」
俺はたまらずツッコミを入れた。相変わらずこの人は……。
結局、投げやりな説明で「八月の二週目から二週間の強化合宿」が行われることだけが告げられた。
◆
合宿当日の朝。
午前八時十五分、校門前にはすでに代表選手たちが集まっていた。
サラや橘、そして隣人の玲奈と合流する。その後、珍しく絋弥も遅刻せずにやってきたが、肝心の烏廻先生、そして、長谷川がまだ来ていない。
集合時間の八時半。
「……ったく、あの二人は何やってんだ」
「先生はともかく長谷川君が遅刻するなんて珍しいね」
確かに、あの人はともかく長谷川が遅刻するとは考えにくい。
少し気になった、その時――
「おー、悪ぃ悪ぃ。待たせたな」
気の抜けた声が聞こえた。
振り向くと、烏廻さんが歩いてきていた。
……やっぱりこの人か。
「先生が遅刻してどうするんですか」
サラが呆れたように言う。
「いや〜、ちょっとトラブルがあってな」
どうせ昨日の夜ゲームのしすぎで寝坊したとかそんなところだろう。
「……おい、今回は本当にトラブルがあったんだ」
全員が鳥迴さんに疑いの目を向ける。
「長谷川が家庭の事情で強化合宿に来れなくなってな…流石にこの合宿を通さずに本戦に出るのも厳しいと思ってな」
「え?」
空気がわずかに変わる。
代表の欠席――それは普通のことではない。
「その代わり、別のやつを連れてきた」
烏廻さんが後ろを親指で示す。
そして――
そこに立っていたのは。
「……帝」
思わず名前が漏れた。
以前と変わらない、自信に満ちた表情。
だが、その瞳にはかつての傲慢さだけでなく、どこか複雑な色が混じっている気がした。
「……やあ。まさかこんな形でまた相まみえることになるとはね」
帝は俺たちの視線を正面から受け止め、小さく肩をすくめた。
「ちょっと待て、辰巳さん! なんで帝なんだよ!」
案の定、一番に噛みついたのは紘弥だった。
「実力的に文句ねぇだろ? 長谷川の穴を埋めるには最適なんだよ」
「それは……そうかもしれないですけど」
紘弥がぐぬぬと唸る。確かに、帝の実力は誰もが認めるところだ。
そんな俺たちのやり取りを無視して、烏廻さんはパンパンと手を叩いた。
「よし、全員揃ったな。それじゃあ今から移動する。全員で輪になって、隣の奴の肩に手を置け。俺も混ざるからよ」
「輪になって肩に……ですか?」
俺たちは顔を見合わせながらも、言われるがままに円陣を組んだ。
俺は左隣の玲奈の肩に手を置き、右隣からは紘弥の手が俺の肩に乗る。烏廻さんもその輪の一部に加わり、全員が物理的に一つの「円」として繋がった。
女子の肩に触れるという状況に、ほんの少しの緊張が走る。だが、それを茶化す余裕もないほど、烏廻さんの纏う空気が一変した。
「全員いいな? 舌噛むんじゃねぇぞ。――転移」
烏廻さんが短く呟いた瞬間、視界がぐにゃりと歪んだ。
肩に置いた手から、暴力的なまでの魔力の奔流が伝わってくる。全身を貫くような衝撃と、胃が浮き上がる強烈な浮遊感。
次の瞬間――足に伝わってきたのは、アスファルトではなく柔らかな土の感触だった。
「……っ、ここ、どこだ?」
目を開けると、そこには潮の香りと、巨大な和風建築が鎮座していた。
「学校が所有している別荘だ。今日から二週間、ここがお前らの拠点になる」
唖然とする俺たちの横で、玲奈が戦慄したような声を漏らす。
「魔法陣もなしに……これだけの人数を転移させるなんて。あの先生、何者なの……?」
普段のやる気のない姿からは想像もできない高等魔法。烏廻辰巳という男の底知れなさを改めて突きつけられた気分だった。
烏廻先生の規格外な魔法によって連れてこられたのは、海沿いに建つ広大な別荘だった。
畳の匂いが残る大広間に集まった俺たちは、代表メンバーとしての顔合わせを兼ねた自己紹介を行うことになった。
「はーい!……えっと、名前は五十嵐 凛です! 趣味はいっぱいあります! ……これくらいでいいですか?」
トップバッターは五十嵐だ。
茶髪のベリーショートを揺らして元気よく手を挙げる。スラっとしたモデル体型で、身長は女子の中ではかなり高い方だ。俺とあまり変わらないくらいだろうか。
何度か会話したことがあるが、活発で、見た目も相まって「カッコいい女の子」という言葉がよく似合う。紘弥の情報によれば、本人は気にして髪を伸ばそうか迷っているらしいが……どこで仕入れたんだその情報は。
「橘 瑞希です。趣味は、茶華道です。よろしくお願いします」
深々とお辞儀をする姿を見て、俺は改めて感心してしまった。
やっぱり橘は大和撫子でthe・清楚って感じだよな。茶道に華道……彼女の纏う、凛としていてどこか浮世離れした美しさは、そういった古風な嗜みから来ているんだろう。
「ルイ・エスクードです。趣味は……そうですね、実験ですかね。よろしくお願いします」
ルイは最後に不敵な笑みを浮かべてそう言った。実験って一体何をするつもりだ。あの不気味な笑みに背筋が寒くなったのは、俺だけではないはずだ。
促されたのは、一人の男子生徒だった。
「……黒崎 辰也。趣味は特にない」
黒髪を少し長めに流し、端正な顔立ちを崩さずに短く言い切る。身長は百七十センチちょっとか。冷静で大人びた雰囲気を持つイケメンだ。
女子人気も高そうだが、俺はまだ一度も彼と会話したことがない。この合宿中に、少しでも「壁」を壊せればいいんだが。
「帝 竜二だ。……趣味は特にないね」
ちょっと偉そうな態度は相変わらずだが、予選の時のような刺々しさはない。あいつもあいつなりに、このチームに馴染もうとしているのかもしれない。
「……ティオナ・ローレンツ」
そう呟くように言うと、その女子生徒はすぐに座ってしまった。
え? それだけ?
ティオナと呼ばれた彼女は、小柄な女の子。百五十センチ程で童顔なこともあり、街で見かけたら小学生と間違えてしまいそうだ。しかし、腰まである燃えるような赤い髪が、彼女にどこか異質な存在感を与えている。
黒崎以上に無口そうな彼女と、この二週間で仲良くなれるのか……? 俺は少しだけ不安になった。
そして残りの俺、玲奈、サラ、絋弥と自己紹介をしていった。
個性豊かな(というか、クセの強すぎる)メンバーが揃ったところで、烏廻先生がニヤリと笑った。
「んじゃ、早速だが今日から修行――ではなく、今日は海に行く!」
「「「…………は?」」」
全員の声が重なった。
「強化合宿ですよね!?」
俺のツッコミに、烏廻さんは耳をほじりながら答える。
「決まってんだろ。まずは親睦を深めるのが先決だ。こっちにも準備があるからな、今日一日は存分に遊べ。水着なら別荘に用意してあるし、持参した奴はそれを使え」
この人、ただ自分が遊びたいだけなんじゃ……。
そんな疑念が渦巻く中、紘弥だけは「よっしゃあああ! 水着回だぁぁ!」と砂浜へ走り出していった。
こうして、俺たちの強化合宿という名の「嵐の二週間」が、青い空と海の下で幕を開けたのだった。
俺たちの背後で、烏廻さんがふと空を見上げ、独り言を漏らす。
(……ま、平和に遊べるのも今のうちだろうしな)
その瞳には、先ほどまでのふざけた様子とは違う、鋭い光が宿っていた。
この期間に、一つとんでもないことが起きた。なんと、あの帝が謝ってきたのだ。
サラがその謝罪をあっさりと受け入れたため、俺や皆は特になにも言うことはなかったが……正直、あいつが頭を下げてくるなんて思いもしなかった。あいつも、少しは丸くなったということか。
「しかし、そんな別荘持ってるなんて相変わらず凄えな、この学園は」
不意に後ろから声をかけられ、俺は振り返った。親友の紘弥だ。
「ん? ああ、合宿の話か。確かに、全学年の代表者が泊まれる別荘を複数所有してるって、どんだけ金持ってんだって話だよな」
「まあ、日本有数の魔法学園だからな。……ってかよ、ここの学園長ってお前の母さんだろ?」
「えっ!? なんで知ってんだ!?」
いきなりの言葉に、俺は驚きを隠せず大きな声を出してしまった。クラス中の視線が一斉に俺たちに突き刺さる。
「……そんなわけねぇだろ。で、なんで知ってんだ?」
声を潜めて尋ねると、紘弥はニヤリと笑った。
「そりゃあ、自分が通ってる学校の学園長の名前ぐらい覚えてるからな。お前と同じ『桐宮』だろ? お前が楓さんの弟なら、必然的にそうなる」
「あー……そういうことか」
納得しつつも、自分の出自がバレていることに少しだけ居心地の悪さを感じる。
しかし、そんなことよりも気になるのは予選の最後に起きた異変だ。完全に魔力が尽きていたはずの俺に、突如として溢れ出してきた謎の魔力……。二週間経った今でも、その正体は全く分からないままだ。
「お~い、静かに席に座れー」
ガラリと教室のドアが開き、気の抜けた声が響いた。担任の**烏廻**さんだ。
「え~と、今からホームルームをする訳なんだが……めんどくせぇよなー。よし! ってことでホームルームは終わりに――」
「どういうわけだ!」
俺はたまらずツッコミを入れた。相変わらずこの人は……。
結局、投げやりな説明で「八月の二週目から二週間の強化合宿」が行われることだけが告げられた。
◆
合宿当日の朝。
午前八時十五分、校門前にはすでに代表選手たちが集まっていた。
サラや橘、そして隣人の玲奈と合流する。その後、珍しく絋弥も遅刻せずにやってきたが、肝心の烏廻先生、そして、長谷川がまだ来ていない。
集合時間の八時半。
「……ったく、あの二人は何やってんだ」
「先生はともかく長谷川君が遅刻するなんて珍しいね」
確かに、あの人はともかく長谷川が遅刻するとは考えにくい。
少し気になった、その時――
「おー、悪ぃ悪ぃ。待たせたな」
気の抜けた声が聞こえた。
振り向くと、烏廻さんが歩いてきていた。
……やっぱりこの人か。
「先生が遅刻してどうするんですか」
サラが呆れたように言う。
「いや〜、ちょっとトラブルがあってな」
どうせ昨日の夜ゲームのしすぎで寝坊したとかそんなところだろう。
「……おい、今回は本当にトラブルがあったんだ」
全員が鳥迴さんに疑いの目を向ける。
「長谷川が家庭の事情で強化合宿に来れなくなってな…流石にこの合宿を通さずに本戦に出るのも厳しいと思ってな」
「え?」
空気がわずかに変わる。
代表の欠席――それは普通のことではない。
「その代わり、別のやつを連れてきた」
烏廻さんが後ろを親指で示す。
そして――
そこに立っていたのは。
「……帝」
思わず名前が漏れた。
以前と変わらない、自信に満ちた表情。
だが、その瞳にはかつての傲慢さだけでなく、どこか複雑な色が混じっている気がした。
「……やあ。まさかこんな形でまた相まみえることになるとはね」
帝は俺たちの視線を正面から受け止め、小さく肩をすくめた。
「ちょっと待て、辰巳さん! なんで帝なんだよ!」
案の定、一番に噛みついたのは紘弥だった。
「実力的に文句ねぇだろ? 長谷川の穴を埋めるには最適なんだよ」
「それは……そうかもしれないですけど」
紘弥がぐぬぬと唸る。確かに、帝の実力は誰もが認めるところだ。
そんな俺たちのやり取りを無視して、烏廻さんはパンパンと手を叩いた。
「よし、全員揃ったな。それじゃあ今から移動する。全員で輪になって、隣の奴の肩に手を置け。俺も混ざるからよ」
「輪になって肩に……ですか?」
俺たちは顔を見合わせながらも、言われるがままに円陣を組んだ。
俺は左隣の玲奈の肩に手を置き、右隣からは紘弥の手が俺の肩に乗る。烏廻さんもその輪の一部に加わり、全員が物理的に一つの「円」として繋がった。
女子の肩に触れるという状況に、ほんの少しの緊張が走る。だが、それを茶化す余裕もないほど、烏廻さんの纏う空気が一変した。
「全員いいな? 舌噛むんじゃねぇぞ。――転移」
烏廻さんが短く呟いた瞬間、視界がぐにゃりと歪んだ。
肩に置いた手から、暴力的なまでの魔力の奔流が伝わってくる。全身を貫くような衝撃と、胃が浮き上がる強烈な浮遊感。
次の瞬間――足に伝わってきたのは、アスファルトではなく柔らかな土の感触だった。
「……っ、ここ、どこだ?」
目を開けると、そこには潮の香りと、巨大な和風建築が鎮座していた。
「学校が所有している別荘だ。今日から二週間、ここがお前らの拠点になる」
唖然とする俺たちの横で、玲奈が戦慄したような声を漏らす。
「魔法陣もなしに……これだけの人数を転移させるなんて。あの先生、何者なの……?」
普段のやる気のない姿からは想像もできない高等魔法。烏廻辰巳という男の底知れなさを改めて突きつけられた気分だった。
烏廻先生の規格外な魔法によって連れてこられたのは、海沿いに建つ広大な別荘だった。
畳の匂いが残る大広間に集まった俺たちは、代表メンバーとしての顔合わせを兼ねた自己紹介を行うことになった。
「はーい!……えっと、名前は五十嵐 凛です! 趣味はいっぱいあります! ……これくらいでいいですか?」
トップバッターは五十嵐だ。
茶髪のベリーショートを揺らして元気よく手を挙げる。スラっとしたモデル体型で、身長は女子の中ではかなり高い方だ。俺とあまり変わらないくらいだろうか。
何度か会話したことがあるが、活発で、見た目も相まって「カッコいい女の子」という言葉がよく似合う。紘弥の情報によれば、本人は気にして髪を伸ばそうか迷っているらしいが……どこで仕入れたんだその情報は。
「橘 瑞希です。趣味は、茶華道です。よろしくお願いします」
深々とお辞儀をする姿を見て、俺は改めて感心してしまった。
やっぱり橘は大和撫子でthe・清楚って感じだよな。茶道に華道……彼女の纏う、凛としていてどこか浮世離れした美しさは、そういった古風な嗜みから来ているんだろう。
「ルイ・エスクードです。趣味は……そうですね、実験ですかね。よろしくお願いします」
ルイは最後に不敵な笑みを浮かべてそう言った。実験って一体何をするつもりだ。あの不気味な笑みに背筋が寒くなったのは、俺だけではないはずだ。
促されたのは、一人の男子生徒だった。
「……黒崎 辰也。趣味は特にない」
黒髪を少し長めに流し、端正な顔立ちを崩さずに短く言い切る。身長は百七十センチちょっとか。冷静で大人びた雰囲気を持つイケメンだ。
女子人気も高そうだが、俺はまだ一度も彼と会話したことがない。この合宿中に、少しでも「壁」を壊せればいいんだが。
「帝 竜二だ。……趣味は特にないね」
ちょっと偉そうな態度は相変わらずだが、予選の時のような刺々しさはない。あいつもあいつなりに、このチームに馴染もうとしているのかもしれない。
「……ティオナ・ローレンツ」
そう呟くように言うと、その女子生徒はすぐに座ってしまった。
え? それだけ?
ティオナと呼ばれた彼女は、小柄な女の子。百五十センチ程で童顔なこともあり、街で見かけたら小学生と間違えてしまいそうだ。しかし、腰まである燃えるような赤い髪が、彼女にどこか異質な存在感を与えている。
黒崎以上に無口そうな彼女と、この二週間で仲良くなれるのか……? 俺は少しだけ不安になった。
そして残りの俺、玲奈、サラ、絋弥と自己紹介をしていった。
個性豊かな(というか、クセの強すぎる)メンバーが揃ったところで、烏廻先生がニヤリと笑った。
「んじゃ、早速だが今日から修行――ではなく、今日は海に行く!」
「「「…………は?」」」
全員の声が重なった。
「強化合宿ですよね!?」
俺のツッコミに、烏廻さんは耳をほじりながら答える。
「決まってんだろ。まずは親睦を深めるのが先決だ。こっちにも準備があるからな、今日一日は存分に遊べ。水着なら別荘に用意してあるし、持参した奴はそれを使え」
この人、ただ自分が遊びたいだけなんじゃ……。
そんな疑念が渦巻く中、紘弥だけは「よっしゃあああ! 水着回だぁぁ!」と砂浜へ走り出していった。
こうして、俺たちの強化合宿という名の「嵐の二週間」が、青い空と海の下で幕を開けたのだった。
俺たちの背後で、烏廻さんがふと空を見上げ、独り言を漏らす。
(……ま、平和に遊べるのも今のうちだろうしな)
その瞳には、先ほどまでのふざけた様子とは違う、鋭い光が宿っていた。
