命にかかわる失恋


高校生の時の失恋は水ぼうそうみたいなもの。
物心もつかない頃にかかっておけば、大人になってからまたかかっても、経験済みの苦しさだから甘んじて受け入れられる。

かつて純粋な高校生だった大人たちは口を揃えて言う。
「失恋はしておいた方がいい、大人になってからこじらせずに済む。子どもの頃の失恋なんて大した痛みは残らない。かさぶたすらも残らない」

でも(みこと)はそうじゃなかった。

たった1度の失恋で命の心は真っ逆様に沈んで、浮き上がろうと上を目指して泳いでも沈んでいくばかり。足に鉛をつけられたままもがくけど過去の亡霊が海底から呼んでいる。

忘れるのは許さない。
忘れられると思うなんて、許さない。