好きな人がいるって、もしかして俺のこと?

 俺は…。
 朝倉への気持ち。
 とうにわかっていたのに。

 何も伝えることができなかった。
 

「よ、水木」
「相良…。長谷川…」


 あれからまた席替えが行われて、朝倉とは隣ではなくなった。
 朝倉の様子が気になって、たまに見ていたけど、あいつはちゃんと教科書を持って来ていたし、あれが俺だけの特別であったことがわかる。

 勘違いではなかったのだと。
 朝倉から向けられていた好意は。勘違いなんかじゃなかった。

「朝倉となんかあった?」
 長谷川が聞いてきた。
「告白でもされた?」
「…」
 黙って頷いた。

「おー。マジか。ついに告ったか」

「ま、俺らには関係ないことだけどさ。あいつさ、お前のこと、本気なのは確かだから」
 相良。
「そうそう。あいつが誰とも付き合わなくなったの。お前がいるからだからな」
 長谷川がフォローする。

「え……2人は、知ってたの?」
「まあ、相手の名前は聞いてたからな。あいつに」
「相良はみずきって女の子だと思ってたけどな」
「…」
「あいつの初恋なんじゃん?水木って。告る勇気はないくせに感情ダダ漏れだったからこっちも面白くて。…ってごめん。…あいつなりに水木にさ、好きって言えなくても、伝えたかったんじゃないかな」
「本当…めんどくさいやつだよな」
 

「なんで俺……?」
 一軍男子に想われる心当たりがない。
 好意は嬉しいけど、なんで自分なのか分からなくて混乱していた。
 

「あいつが告白断るようになったの、水木の言葉がきっかけなんだぜ」
 長谷川が何も言えずにいた俺をみかねて話始めた。