左利きの私は、右利きの彼氏と付き合うことにした。

 新しい出会いを求めてやってきたサークル活動。でも、周りというか外から見たらただの大学生が集まって、スポーツを楽しんでいる。ただ、それだけのこと。にも見える。

 体を動かしたい。という気持ちはそこまでなかったわけで。いきなりフットサルなんかをやることになったのだけれど、まあ、当然そんなに出来ることも無く。

 私はしばらくしたら、体育館に置いてあったベンチに座ることになる。

「…」

 何も言わずに座っていると、坂本さんがこちらに来て、同じベンチに座った。

「ねえ、藤咲さん」

「はい?」

「今までの休みとかは何してた?…寝てるだけ?」

「あっと、そうかもしれませんね。あとは学部的にレポートが多いのでそれをやったりとか」

 もちろんそんなことはしていない。パソコンでドラマをみたり、アニメを見たり。やってみたいゲームが有ればそれをやったりと。そんな感じで過ごしている。あとは、そうだな、気になる配信者とかが居ればそれを見るとか。

 我ながら何を気にしているんだろう、とは思うけれど、そこはかとなく、当たり障りのない形というのはこんな感じだろうと思うわけで。

「じゃあ、あれだ。基本的に家に居るんだ」

「そうですね。…まあだからこうして参加をしてみようかなと」

 そういうと坂本さんは少しだけ体を傾けて私の方に来る。

「…それで?本当の目的は?」

「本当の目的…ですか?」

 なぜだかわからないけれど、この坂本さんという女性には本当の事を言った方がいい気がしている。…私の感覚だけれど。まあでも、詩歩について来た、というのはそのままだから、詩歩のことを少し話せばいいのかな。とも思ったわけで。

「友人の詩歩が彼氏を作りたいっていって、それで同好会とかサークルに入りたいって話になって、それで私もついでにって感じですね」

 そういうと坂本さんは腕を組んだ。

「それはみればわかるよ。…だって完全に男を見つけに来ましたって感じの恰好じゃない?あれ」

 視線が詩歩に行く。…まあ確かに、ジャージとしてはかなりかわいい感じのを着ているのとメイクもしっかりしているのを見れば、そうなのだろうとは思うわけで。

「…私は、藤咲さん。あなたがこのサークルに参加してきた理由が、友人が行くから付いてきました。って感じには見えないんだよね」

「…そうですか?」

「うん。なんかそういう感じではなさそうな人だなと思ったから」

「それと…」

 坂本さんは私の左手を見た。

「あなた、私たちの手。右手を凄い見てるでしょ」

 これは私が今まで感じたことのない経験だった。…まさか自分の目線がそう読まれるとは思ってなかった。というよりも言ってくる人が今まで言わなかったのかもしれない。

 私は坂本さんの方を見て、少しだけ左手を見つめていた。