左利きの私は、右利きの彼氏と付き合うことにした。

「どっちの手を使いますか?」

 と、誰かに聞かれたのであれば何となく決めなければいけないことはわかる。でも、私が左手を利き手にした理由は良く分からない。…何となく子供の時、大人たちの所作を見様見真似。鏡写しみたいにしたらこうなった。

「…としかいいようがないんです」

 一人暮らしの部屋の中、ぽつりとつぶやいた。

 気にしているわけではないけれど、なぜか気になる利き手。そうなると、私は有ることを思いつく。

「…やりたいこと、をか」

 早速白い紙を取り出すと、ある意味、目的や目標みたいなものを書きだしていくことに。

 就職、それから…なんだろうか。

 手がとまってしまう。

 懸命に勉強してきたというつもりはないのだけれど、この先に何が待っているのか。と言われると、働くことになるわけで。

 じゃあ、その働くことっていうのはどこかに勤めることで、私としてはそれでいいのか。というのが気になり始めてきた。

「どうなんだろうか」

 腕まくりをして、それからまた白い紙に向ってみる。…関係ないのか、これは。

 大抵、あってる。…あっているという言い方が正しくないことは何となく知っているけど、学校を卒業したら、就職して働く。…その先の生活の為に。というのはそのままだけど、別の道を歩く人もいるわけで。

「私には思いつかないような道を歩く人に出会いたいな」

 そう考えるようになっていた。

 となると、私とは別の事をしている人がいいのかもしれない。と考える。…学部とか、それより、学校とか?そういうのの中で私が知らないようなことをしている人。

「今なら簡単だよね」

 パソコンを起動。そこからAIに質問をしてみることに。

「…私と別の事をしている人と出会う」

 なんという、我ながら…そっけない質問の仕方であるが、とりあえずこれでいいのかも。とその時は思った。

「趣味…コミュニティに参加」

 私はそのまま横になる。

「結構、詩歩が言っていることは、そのままなのかもしれない」

 彼女は…まあ、言っていることはあれだけど、自分が今まで経験したことのないことをやろうとはしている。だから同好会、この場合はサークルかな。

 そこに入ろうとしているわけで。なるほど、じゃあ私も何かに入ることにするか。

 考えて、大学のホームページへ。…部活動、サークル一覧。

「2年生から入る人もいるのだろうか」

 中学、高校の時の考え方がそのままで、大学1年生から入るモノなのでは、とそう考えていたのだけれど、でも、こうやって生活に時間が見つかり始める2年生というのは、何かバイトを始めたり、サークルを始めることもあるのかもしれない。

 私みたいに。
「バイトでもいいかもしれないけど」

 そう、バイトでもいい。…詩歩じゃないけど、彼氏が出来たらどこかに出かけることもあるだろう。その時には何をするにもお金はいる。多少なり稼いでおいてもいいはずだ。

「バイトも出来て、サークルも…」

 バイトサークルみたいなのがあればいいなと思ったんだけど、でも、話すことないんだろうなと考える。みんな、自分の都合でバイトするわけで、集まることもなさそうだ。

「…まあ、いいや、詩歩と同じ場所に入ろう」

 そういうと私はそのまま寝ることにした。