俺は変わってしまった。
俺は江井君のことが好きになってしまった。
今まで友達からは男女問わず馬鹿にされることで出来た関係でしかなかった為好きな人なんてできなかったけど、優しくしてくれる江井君のことが好きになってしまった。
あんな顔よし、スタイルよし、頭よし、そして最近知ったけど家柄もいいそんな人を好きになってしまうなんて俺はとことん馬鹿だな。
初恋は実らない。それはほんとなんだな……なんてぼんやりと思った。
それでもこの気持ちを伝える気はない。
俺が何も言わなければこの関係は何も変わらないのだから。
そして二年生の二学期の期末テスト前、少し肌寒くなってきたころ。
いつも通り勉強するために旧校舎の図書館に向かおうと教室でスマホを見たら『今日は少し遅れるかも』というメッセージと俺がすすめたゆるかわなキャラがごめんねと謝っているスタンプが送られてきていた。
おすすめしたキャラスタンプを使ってくれている江井くんに嬉しくなり、クスリと笑う。
「江井君は偶に俺のクラスまで迎えに来てくれるのに俺は一度も行ったことがなかったから迎えに行ってみようかな...」そう思って俺は特進コースの教室へと足を向けた。
教室の中を覗くと江井君がいた。
「江井君...?」
と声をかけようとしたら江井君は友達と話をしていた。
邪魔してしまったら申し訳ないなと思いやっぱり先に図書館に行っておこうと思ったそのときちょうど会話が聞こえてしまった。
「江井また呼び出しかよ...で?どうしたの?」
「どうって...どうもするわけないでしょ?」
「まぁそうよな。結構かわいい子だったのに。今更だけどお前って好きなタイプとかあんの?」
「そりゃあるよ。」
「へー、どんな子?」
江井君の好きなタイプ…
盗み聞きするなんてよくないってわかってる。
でも出来ることなら江井君の好きなタイプになりたい。
江井君にいいなって思ってもらいたい。
あわよくば好きになってもらいたい。
「......努力できる子かな」
努力できる子…
やっぱりもっと勉強を頑張れば努力できる人だと思ってもらえるだろうか…?
ここで盗み聞きなんてやめておけばよかったのにばかな俺はこの先も聞いてしまった。
江井君の好きなタイプになりたいという思いと少しの好奇心だけだった。
「はいはい。じゃあ嫌いなタイプは?」
「そんなの、頭の悪い奴に決まってるだろ」
頭の悪い奴。
つまり勉強ができない奴ということだろうか。
まだ嫌いなタイプの話は続いている。
「頭の悪い奴と話していると疲れるんだ。それだけでストレスだよ」
ストレス…そっか。
俺と話すのは、江井くんにとってはストレスだったんだ。
きっと、勉強会をやめるタイミングがわかんなくなって今も続けてくれているだけでもうやめたいと思っているのかもしれない。
ならば俺から言うべきなのかもしれない。
こんな話を聞いてしまった後にのうのうと江井君の前に顔を出すことなどできず、この日は何も言わずに帰ってしまった。
スマホの電源は家に帰ってすぐに切った。
もしかしたら江井君から連絡が来ているかもしれない。
でももしかしたらなにも来ていないかもしれない。
来ていたとしてもなんと返したらいいのかわからないから。
きっと何も返せないくせに何も連絡が来ていなかったら来ていなかったできっと俺は傷ついてしまう。
俺は次の日から江井君となるべく会わないように生活した。
あの日の次の朝、勇気をだしてスマホの電源を入れてみたら何件かのメッセージと着信があったけど未だにそれには返信できていない。
あれから約二週間。
俺は一度も江井君には会っていない。
そこで俺は気づいた。
あの関係は江井君の優しさからくるものだったのにも関わらず、勝手な盗み聞きと勝手な被害妄想から俺が勝手に関係を断ち切ったのだと。
江井君の優しさに胡座をかいていた。
人の優しさは無償ではないことを今までの経験から痛いほど理解していたはずなのに。
こんな俺が江井君に恋なんてしてしまった事が間違いだったんだ。
あれから放課後、もしかしたら教室に江井君が来てくれるのではないかと思ってだらだらと帰る支度をするようになった。
そんなことをしてもなんの意味なんてないのに。
あれ以降あからさまに元気がなくなり、表情が暗くなった俺をクラスメイトたちは心配してくれたけど、俺が頑なに何も言わなかったことから俺から何か言うまでは何も言わないといつも通り接してくれる。
勉強できない頭の悪い奴らの集まり。
この学校の落ちこぼれ集団。
なんてこのひとクラスしかない俺の在籍するコースの奴らは俺を含め言われているけど、こういう優しくて人の気持ちを理解してくれる優しいクラスメイトに出会えただけで俺は今幸せなのかもしれないと思った。
そして遂にまったく勉強に身が入らないまま期末テストを迎えてしまった。
結果からいうと散々だった。
どの教科もまったく勉強してなかったからか、気持ちの問題なのか、その両方なのか、一番最初のテストくらい点数は散々だった。
「最近ずっと調子よかったのにどうしたんだ?」と先生にも心配されてしまった。
俺は悲惨な点数の並ぶテスト用紙をもって気がついたら旧校舎の図書館に来ていた。
ここに来れば人気を気にせず少しは落ち着けるかと思ったのに、周りを見渡せば江井君との思いでが蘇ってきて涙が止まらなくなってしまった。
江井君に会いたい、優しく抱きしめてほしい。
江井君の優しい表情を思い出していた時、
「見つけた…」
そう声が聞こえた。
遂に幻聴だろうか。
そう思って顔をあげるとそこにはずっと会いたいと恋焦がれていた江井君がいた。
「敦紀君…」
少し掠れた声で江井君が俺の名前を呼んだ。
俺は逃げようとした。
顔を合わせたらいけない。
会話をしたら江井君にストレスを与えてしまう。
もしかしたら、今までのストレスを今発散しようとしているのかもしれない。
そんなことする人じゃないってわかってる。でも、頭の中がぐちゃぐちゃしていて冷静でいられない。今は一緒にいるべきじゃない。
そう思い立ち上がろうとしたのに自分が自棄になってばら撒いた答案用紙に足を滑らせて転んでしまい、手をつかまれ逃げられない状況になってしまった。
「敦紀君!聞いて!」
普段声を荒げない江井君が声を荒げたことにびっくりして逃げる気なんて失せてしまった。
大人しくどんな罵詈雑言も受け入れよう。
そう思った。
「俺、敦紀君と連絡つかなくなって成績の上がった敦紀くんにとって俺はもういらない存在なんだと思った。敦紀君がそうしたいならそうするべきなんだと思った。思おうとした。でも、さっき敦紀君の担任の先生に敦紀君が元気なくて成績が下がってるけど何か知らないか?って言われて俺と勉強しなくなって成績が下がってるなら、敦紀君から身を引くなんてできなくなって、それで必死に敦紀君のこと探しちゃったんだ。こんなの俺のエゴでしかなくて、敦紀君にとって迷惑かもしれない。そんなのわかってるのに自分を止められなかった。ごめんね。敦紀君。ごめん。俺、敦紀君のことが好きなんだ。」
いつも冷静な江井君が一息で早口で捲し立てる。
好き?
江井君が俺のことを好き?
これは俺が見ている都合のいい夢なのではないか
「はじめてここで敦紀君に出会ったときから好きだった。何かにずっと怯えてる敦紀君を見てから、この子を俺が笑顔に、幸せにしてあげたいってそう思ったんだ。ずっとこんな気持ち隠してたなんて気持ち悪いよね。ごめんね。絶対に変なことをしたりしないって誓うからまた、近くにいさせてほしい。」
これは妄想でも、幻覚でも、幻聴でもない。
現実だ。
大好きでずっと恋焦がれていた江井君の鼓動が、息遣いが聞こえる。
だとしたら俺も伝えなくてはならない。
「…嫌だよ。俺も、俺も江井君のことが好きなんだもん。江井君に触れたいし、触れてほしい。江井君が大好き。俺なんかと一緒にいたらストレスになっちゃうかもしれないけど俺も江井君が好き。一番じゃなくてもいいから傍にいたい。」
涙ながらに自分の想いを少ない言葉で伝える。
「...ストレス?一番じゃない?どういうこと?」
俺の言葉を聞いた江井君は笑みを消し、わずかに眉をひそめた。
「だって、頭の悪い人が嫌いなタイプなんでしょ?そんなの俺じゃん…。頭の悪い人と話しているとストレスが溜まるって」
「は?いつ俺がそんなこと…もしかしてあの日、教室で話してたの聞いてた?」
「うん。たまには俺が江井君のことを迎えに行こうと思って教室に行ったらクラスメイトと話してて、すぐに立ち去ろうとしたんだけど江井君の好きなタイプ気になっちゃって…」
言ってから何を俺は正直に言っているのだろうと思った。こういうところが頭が悪いんだ。
「あのね、敦紀君俺の好きなタイプは敦紀君だしあのクラスメイトは幼馴染で、はじめてできた好きな人にどうしたらいいのかわからなくて相談に乗ってもらってただけ。嫌いなタイプってのは、最近好きな人がいるからって断ってるににいつも昼休みとか放課後にしつこく声かけてくる女の子がいてその子のことなんだ。普段はあんまり悪口言ったりしないんだけど、敦紀くんとの時間が減ったと思うとついイライラしちゃって...俺の敦紀くんへの気持ち知ってるあいつに愚痴っちゃたんだ。こんな俺は嫌いかな?」
言いたいことを一気に言い切って、口を閉じた。
好きなタイプが俺で、嫌いなタイプは別の女の子。
ということは全部俺の勘違い…?
「ご、ごめ…俺、勘違いで…江井君のこと避けたりして…ほんと、頭悪い。」
「そんなことない...!敦紀君は努力のできるかわいいいい子だよ!そんなところが大好きなの!」
「お、俺も大好き…」
久しぶりの敦紀君と初めての敦紀君のデレ…
そう呟いた江井君を無視して俺は久しぶりの江井君の胸を堪能した。
「江井君、これからも俺と勉強してくれる?」
「勉強だけ?それじゃまだ赤点だよ?」
「で...デートも、したいな…映画館とか水族館とか経験ないからわかんないけど、恋人っぽいことしたい、です」
「ん、100点。」
人生で初めての100点は大好きな江井君からもらうことができた俺は世界一の幸せ者です。
俺は江井君のことが好きになってしまった。
今まで友達からは男女問わず馬鹿にされることで出来た関係でしかなかった為好きな人なんてできなかったけど、優しくしてくれる江井君のことが好きになってしまった。
あんな顔よし、スタイルよし、頭よし、そして最近知ったけど家柄もいいそんな人を好きになってしまうなんて俺はとことん馬鹿だな。
初恋は実らない。それはほんとなんだな……なんてぼんやりと思った。
それでもこの気持ちを伝える気はない。
俺が何も言わなければこの関係は何も変わらないのだから。
そして二年生の二学期の期末テスト前、少し肌寒くなってきたころ。
いつも通り勉強するために旧校舎の図書館に向かおうと教室でスマホを見たら『今日は少し遅れるかも』というメッセージと俺がすすめたゆるかわなキャラがごめんねと謝っているスタンプが送られてきていた。
おすすめしたキャラスタンプを使ってくれている江井くんに嬉しくなり、クスリと笑う。
「江井君は偶に俺のクラスまで迎えに来てくれるのに俺は一度も行ったことがなかったから迎えに行ってみようかな...」そう思って俺は特進コースの教室へと足を向けた。
教室の中を覗くと江井君がいた。
「江井君...?」
と声をかけようとしたら江井君は友達と話をしていた。
邪魔してしまったら申し訳ないなと思いやっぱり先に図書館に行っておこうと思ったそのときちょうど会話が聞こえてしまった。
「江井また呼び出しかよ...で?どうしたの?」
「どうって...どうもするわけないでしょ?」
「まぁそうよな。結構かわいい子だったのに。今更だけどお前って好きなタイプとかあんの?」
「そりゃあるよ。」
「へー、どんな子?」
江井君の好きなタイプ…
盗み聞きするなんてよくないってわかってる。
でも出来ることなら江井君の好きなタイプになりたい。
江井君にいいなって思ってもらいたい。
あわよくば好きになってもらいたい。
「......努力できる子かな」
努力できる子…
やっぱりもっと勉強を頑張れば努力できる人だと思ってもらえるだろうか…?
ここで盗み聞きなんてやめておけばよかったのにばかな俺はこの先も聞いてしまった。
江井君の好きなタイプになりたいという思いと少しの好奇心だけだった。
「はいはい。じゃあ嫌いなタイプは?」
「そんなの、頭の悪い奴に決まってるだろ」
頭の悪い奴。
つまり勉強ができない奴ということだろうか。
まだ嫌いなタイプの話は続いている。
「頭の悪い奴と話していると疲れるんだ。それだけでストレスだよ」
ストレス…そっか。
俺と話すのは、江井くんにとってはストレスだったんだ。
きっと、勉強会をやめるタイミングがわかんなくなって今も続けてくれているだけでもうやめたいと思っているのかもしれない。
ならば俺から言うべきなのかもしれない。
こんな話を聞いてしまった後にのうのうと江井君の前に顔を出すことなどできず、この日は何も言わずに帰ってしまった。
スマホの電源は家に帰ってすぐに切った。
もしかしたら江井君から連絡が来ているかもしれない。
でももしかしたらなにも来ていないかもしれない。
来ていたとしてもなんと返したらいいのかわからないから。
きっと何も返せないくせに何も連絡が来ていなかったら来ていなかったできっと俺は傷ついてしまう。
俺は次の日から江井君となるべく会わないように生活した。
あの日の次の朝、勇気をだしてスマホの電源を入れてみたら何件かのメッセージと着信があったけど未だにそれには返信できていない。
あれから約二週間。
俺は一度も江井君には会っていない。
そこで俺は気づいた。
あの関係は江井君の優しさからくるものだったのにも関わらず、勝手な盗み聞きと勝手な被害妄想から俺が勝手に関係を断ち切ったのだと。
江井君の優しさに胡座をかいていた。
人の優しさは無償ではないことを今までの経験から痛いほど理解していたはずなのに。
こんな俺が江井君に恋なんてしてしまった事が間違いだったんだ。
あれから放課後、もしかしたら教室に江井君が来てくれるのではないかと思ってだらだらと帰る支度をするようになった。
そんなことをしてもなんの意味なんてないのに。
あれ以降あからさまに元気がなくなり、表情が暗くなった俺をクラスメイトたちは心配してくれたけど、俺が頑なに何も言わなかったことから俺から何か言うまでは何も言わないといつも通り接してくれる。
勉強できない頭の悪い奴らの集まり。
この学校の落ちこぼれ集団。
なんてこのひとクラスしかない俺の在籍するコースの奴らは俺を含め言われているけど、こういう優しくて人の気持ちを理解してくれる優しいクラスメイトに出会えただけで俺は今幸せなのかもしれないと思った。
そして遂にまったく勉強に身が入らないまま期末テストを迎えてしまった。
結果からいうと散々だった。
どの教科もまったく勉強してなかったからか、気持ちの問題なのか、その両方なのか、一番最初のテストくらい点数は散々だった。
「最近ずっと調子よかったのにどうしたんだ?」と先生にも心配されてしまった。
俺は悲惨な点数の並ぶテスト用紙をもって気がついたら旧校舎の図書館に来ていた。
ここに来れば人気を気にせず少しは落ち着けるかと思ったのに、周りを見渡せば江井君との思いでが蘇ってきて涙が止まらなくなってしまった。
江井君に会いたい、優しく抱きしめてほしい。
江井君の優しい表情を思い出していた時、
「見つけた…」
そう声が聞こえた。
遂に幻聴だろうか。
そう思って顔をあげるとそこにはずっと会いたいと恋焦がれていた江井君がいた。
「敦紀君…」
少し掠れた声で江井君が俺の名前を呼んだ。
俺は逃げようとした。
顔を合わせたらいけない。
会話をしたら江井君にストレスを与えてしまう。
もしかしたら、今までのストレスを今発散しようとしているのかもしれない。
そんなことする人じゃないってわかってる。でも、頭の中がぐちゃぐちゃしていて冷静でいられない。今は一緒にいるべきじゃない。
そう思い立ち上がろうとしたのに自分が自棄になってばら撒いた答案用紙に足を滑らせて転んでしまい、手をつかまれ逃げられない状況になってしまった。
「敦紀君!聞いて!」
普段声を荒げない江井君が声を荒げたことにびっくりして逃げる気なんて失せてしまった。
大人しくどんな罵詈雑言も受け入れよう。
そう思った。
「俺、敦紀君と連絡つかなくなって成績の上がった敦紀くんにとって俺はもういらない存在なんだと思った。敦紀君がそうしたいならそうするべきなんだと思った。思おうとした。でも、さっき敦紀君の担任の先生に敦紀君が元気なくて成績が下がってるけど何か知らないか?って言われて俺と勉強しなくなって成績が下がってるなら、敦紀君から身を引くなんてできなくなって、それで必死に敦紀君のこと探しちゃったんだ。こんなの俺のエゴでしかなくて、敦紀君にとって迷惑かもしれない。そんなのわかってるのに自分を止められなかった。ごめんね。敦紀君。ごめん。俺、敦紀君のことが好きなんだ。」
いつも冷静な江井君が一息で早口で捲し立てる。
好き?
江井君が俺のことを好き?
これは俺が見ている都合のいい夢なのではないか
「はじめてここで敦紀君に出会ったときから好きだった。何かにずっと怯えてる敦紀君を見てから、この子を俺が笑顔に、幸せにしてあげたいってそう思ったんだ。ずっとこんな気持ち隠してたなんて気持ち悪いよね。ごめんね。絶対に変なことをしたりしないって誓うからまた、近くにいさせてほしい。」
これは妄想でも、幻覚でも、幻聴でもない。
現実だ。
大好きでずっと恋焦がれていた江井君の鼓動が、息遣いが聞こえる。
だとしたら俺も伝えなくてはならない。
「…嫌だよ。俺も、俺も江井君のことが好きなんだもん。江井君に触れたいし、触れてほしい。江井君が大好き。俺なんかと一緒にいたらストレスになっちゃうかもしれないけど俺も江井君が好き。一番じゃなくてもいいから傍にいたい。」
涙ながらに自分の想いを少ない言葉で伝える。
「...ストレス?一番じゃない?どういうこと?」
俺の言葉を聞いた江井君は笑みを消し、わずかに眉をひそめた。
「だって、頭の悪い人が嫌いなタイプなんでしょ?そんなの俺じゃん…。頭の悪い人と話しているとストレスが溜まるって」
「は?いつ俺がそんなこと…もしかしてあの日、教室で話してたの聞いてた?」
「うん。たまには俺が江井君のことを迎えに行こうと思って教室に行ったらクラスメイトと話してて、すぐに立ち去ろうとしたんだけど江井君の好きなタイプ気になっちゃって…」
言ってから何を俺は正直に言っているのだろうと思った。こういうところが頭が悪いんだ。
「あのね、敦紀君俺の好きなタイプは敦紀君だしあのクラスメイトは幼馴染で、はじめてできた好きな人にどうしたらいいのかわからなくて相談に乗ってもらってただけ。嫌いなタイプってのは、最近好きな人がいるからって断ってるににいつも昼休みとか放課後にしつこく声かけてくる女の子がいてその子のことなんだ。普段はあんまり悪口言ったりしないんだけど、敦紀くんとの時間が減ったと思うとついイライラしちゃって...俺の敦紀くんへの気持ち知ってるあいつに愚痴っちゃたんだ。こんな俺は嫌いかな?」
言いたいことを一気に言い切って、口を閉じた。
好きなタイプが俺で、嫌いなタイプは別の女の子。
ということは全部俺の勘違い…?
「ご、ごめ…俺、勘違いで…江井君のこと避けたりして…ほんと、頭悪い。」
「そんなことない...!敦紀君は努力のできるかわいいいい子だよ!そんなところが大好きなの!」
「お、俺も大好き…」
久しぶりの敦紀君と初めての敦紀君のデレ…
そう呟いた江井君を無視して俺は久しぶりの江井君の胸を堪能した。
「江井君、これからも俺と勉強してくれる?」
「勉強だけ?それじゃまだ赤点だよ?」
「で...デートも、したいな…映画館とか水族館とか経験ないからわかんないけど、恋人っぽいことしたい、です」
「ん、100点。」
人生で初めての100点は大好きな江井君からもらうことができた俺は世界一の幸せ者です。
