月城くんの偏食事情。

「こーくんと二人きりで寝るの、恋人になってから初めてだね♡楽しみだなぁ〜!」

そう言いながら静夢はすでに、ベッドに横たわる俺の上にいる。掛け布団さながらに。
ベッドが狭いからって、ここまでくっつかなくても…。

「静夢、その前に、お腹空いてるでしょ。弁当寝ちゃったから、俺の血を飲んでいいよ。」

「首元に絆創膏つけてるの家族に見られたら気まずいから、なるべく肩側を噛んでね。」

「うんわかった!ありがとうね!」


「ところでこーくん、僕ちょっと、悪いことしたくなってて…。」

「えっ!な…何?どんなこと?」

「このまま、血を飲みたい!」

「えっ!?ははっ!それは確かに行儀が悪いね。ベッドの上で、寝転んで食事するなんて!」

「そう。今まで儀式とか作法ばっかりに拘ってきたけど、たまには羽目を外したいなって。」

「わかる〜!俺もベッドでお菓子食べたことあるよ。ダメだってわかってるからこそ、背徳感があって楽しいんだよね。」

「いいよ、このまま飲んで。」

「やた!こーくんありがとう♡」

「じゃあ、パジャマの上、脱いでもらってもいい?」

「えっ、なんで!?」

「この体勢だと、シャツの襟が邪魔で飲み辛いから。」

「なるべく肩の方噛みたいから、下着も邪魔だね。上全部脱いでいいよ。」


いいよって…?!
俺がよくないですが??!


「僕の服も邪魔だなぁ。」

「よし、僕も脱いじゃおう!」

「は!?」

「上半身裸でベッドで食事って、めちゃくちゃ背徳感あるよね!あはは!」


静夢は躊躇いなく上の服を脱いで、薄い上掛け布団を纏った。

「肌に直接お布団かけるのも、背徳感ある〜!」

「こーくんも脱いで?一緒にお布団入ろ♪」


見慣れた布団から、静夢の白い鎖骨と、薄い肩が覗いている。
あまりに現実感のない光景を前に、俺の思考がフリーズしているその隙に、静夢は手際良く俺のパジャマと下着を脱がした。


「よしよし。これで邪魔モノはなくなった!」

そう言うと静夢は俺に跨って、布団とともに覆い被さってきた。
火照りを帯びジワリと汗ばんだ素肌と素肌が重なり合うと、完全に背徳感の探求どころではなくなった。

「あああああ!!!静夢!これダメなやつだ!!刺激が強すぎる!!!」

「強すぎると、どうなの?嫌?」

「静夢を押し返しちゃうかも…下半身が…,。」

「食事中に硬いのあたってたら、気が散るでしょ!!」

「大丈夫大丈夫!そうなっても、僕が後でどうにかするし。」

「お風呂のお返しもしたかったしね。いいよ、気にしないから!」

「こっちが気になるって!!」

お風呂やベッドで今日のことを思い出させて、俺にも悶々とさせるつもりだな!
それほど家で思い出して、静夢自身が悶々としてたんだろうな。
お返しっていうか、仕返しじゃん!
静夢、貪欲すぎるだろ…。
キングオブ童貞の座を譲るよ俺は…。


「こーくん、首舐めるね…」

俺がとっくにキャパオーバーなのもお構いなしに、静夢はその体勢のまま、俺の首筋に舌を這わせた。
本当に言い出したら聞かないな…!

ツー…

ペロッ

ツー……

ペロ…


「静夢!!無理無理!!!これなんか違うじゃん!!裸で抱き合って首舐めるってさすがにアウトでしょ!!」

「下は履いてるよ?舐めるのがダメなの?じゃあもうこのまま噛んじゃってもいい?」

「ダメって言っても聞かないでしょ…。」

「ふふっ、こーくんよくわかってる!じゃあ遠慮なく、いただきます…!」


カプッ…


ジュッ……!

「うう…やっぱりこーくんの、美味し…!」

ジュッ………!

「…ハァッ、たまんない…!イイ…!」

ヂュッヂュッ…!
ヂュウッ….…!!


よほどお腹が空いていたのか、静夢は我を忘れたように血を啜った。

俺の頭を抱き込む左手は、その味に陶酔するように、指先を忙しなくうごめかせている。
右手はシーツを掴んだり、俺の肩を撫でたりと、落ち着きなく彷徨っていたが、

次第にその手が俺の胸に……。


「はい!ストップ!!!!!」