月城くんの偏食事情。

──昼になり、

緋美と俺は、静夢の作った『BLサンドイッチ』を食べた。

本当にマヨネーズたっぷりで、普通に美味しかった。

このマヨネーズさえも何かの隠語じゃないかと疑って、いやらしく感じていた自分が恥ずかしい…。


「食べ終わったら、こーくんの、たっぷり飲ませてね…♡」

ううっ…!この俺を焚きつけるあざとい言い方も、天然なんだろうな…。

『お腹すいたー!早くご飯ご飯!』

と、同じ意味なんだよなぁ……。


「せっかくだから、まずはピカピカに洗ってあげたいなぁ〜!」

「えっ!それはいいよ!お風呂は無しで……。」

「いやいや、しーちゃんが洗ってくれるって言ってるんすよ?食材としてありがたく享受するべきでしょ?」
「それに、しーちゃんが口つけるんすからね。綺麗にしとかないと!」


何こいつ、俺の俺自身がわんぱくになって、静夢に軽蔑されろと思ってる?


「合宿のとき、こーくんすぐ上がっちゃったし、改めて合宿気分味わうために、3人で入ろっか!」

「うえっ、俺も??」

「うん!緋美も洗ってあげる!」


俺にあんなこと言っておいて、断れる筈ないよな。プッ、バカなやつ。


「う、うん…わかった…。」

「よし!じゃあ、お風呂とタオル、準備してくるね!」


静夢はパタパタと駆けていった。


「先輩………。」
「勝負しましょ…!」
「どちらが最後まで生き残れるか!!」

「俺が勝ったら…この後BLサンドイッチ会、開催ですよ。いいですよね?男に二言はありませんよね?」


「二言もなにも、俺一言も発してないけど…。」

「てか、静夢ってさ、」
「男と、そういうことしたいと思ってるのかな?」
「処女の血が不味かっただけで、性的な対象は女の子なんじゃないよね?」

「は!?怖いこと言わないでくださいよ!」

「だって、童貞好きなのは、血の話…食事の話でしょ?食欲と性欲の嗜好が、同じとは限らないんじゃ…。」

「嘘でしょ……でも、確かに……。」

「BLサンドだなんて浮かれてるの、俺らだけって可能性もありますね…。」

「いや、それはお前だけだけど、」

「最悪は俺も、前に進めない可能性あるよな…。付き合うことと、そういう行為が結びついてなさそうだし…。」

「お前が情報制御したせいで…!」


「……女しか無理かもなんて、微塵も考えなかった…」

「よし!聞き出しましょう!風呂で!」

「嫌われない程度に、探りましょ!」

「善は急げ!我慢大会と、しーちゃんの性的嗜好探り作戦、同時にやりましょう!」


善……なのかなぁ〜…。
まあでも、知らなきゃいけないことだし、緋美なら上手く聞き出せそうだし、
ここは、乗るしかないか!


「二人とも〜お風呂準備できたよ〜おいで〜!」


うわっ、ついに…!!


俺と緋美は無言で顔を見合わせた。

静夢の愛撫(?)に耐えきれるか、
相手が愛撫(?)されているところを見て耐えられるか。
そもそも静夢は、男が性的な対象なのか…。

かなりハードなミッションだけど、
ここを通過しないと前に進めない…!


俺たちは覚悟を決めて、

風呂へと向かった……。