月城くんの偏食事情。

俺はいつの間にか寝てしまい、
気がついたら朝になっていた。

静夢は俺の方を向いて爆睡中。
緋美は床に落ちてる。


静夢の寝顔可愛いなぁ〜…
俺はそっと静夢の背中に手を回してみた。
薄い背中の感触が手のひらに伝わってくる。

静夢が起きないのをいいことに、
俺は背中に手を添えたまま、サラサラの銀髪に顔を埋めた。
はうっ…シャンプーの良い香り…
思わず頬擦りしてしまった。

そうだ、おでこ見ちゃおう。
そう思って静夢の前髪を掻き上げた瞬間、
寝ているはずの静夢の顔が、赤く染まった。

光「あ…起こしちゃった?ごめん…おはよ…」

俺が焦って手を離すと、
静夢はパッと瞳を開いて、

月「…おはよう。もう…!イタズラしないでよ…!」

月「…僕もするよ?」

静夢は俺の脇腹をくすぐってきた。

光「あはははは!やめて、静夢!」

俺も静夢の脇腹をくすぐり返すと、

月「アッ!アッ!ふふっ!そこ弱いからぁ…!こぉ〜くん…だめぇ…!」


ちょっとーーー!!言い方!!
血が一点集中するからやめてーーー!!
こんな反応するから、煩悩が先立っちゃうんだよ……!


緋「うぉおおおおおい!先輩!!俺を除け者にして!!!しーちゃんにちょっかい出さないでください!!!」

静夢の艶っぽい声で目を覚ました緋美が、俺達の上に飛び乗ってきた。

光「ちょ、重いって!お前が勝手に落ちてただけだろ!手なんか出してないよ、くすぐられたから仕返ししただけ!」

月「緋美おはよ〜朝から元気だね!」

月「朝ごはん食べよう、僕は瓶血液を飲もうかな。」


瓶牛乳みたいな感じに言うなぁ。


着替えてリビングに行くと、静夢の母親が朝食を作ってくれていた。

母「日向野くん、しーちゃん、ひーくん、おはよう!昨日はお疲れさま、少しは眠れたかしら。」

光「あ、はい。探し物も見つかって、ぐっすり眠れました。」

月「みんなはハムエッグだね。僕は市販の瓶血液を飲むけど、こーくん大丈夫?」

光「何が??」

月「他の子の血だよ?嫉妬しない?」

光「えっ!市販の栄養補助食品に嫉妬しないよ!」

俺が照れながらそう言うと、静夢はクスクスと笑った。

月「こーくん、目玉焼きは醤油派?ソース派?緋美はいつも醤油マヨネーズだよね!」

緋「とりあえずマヨネーズかけとけば何でも美味いんだよ。」

月「ふーん、そういうものなんだ。」

光「いやいや、緋美の舌がおこちゃまなんだよ。」

月「そういえば古文書に、食事についても書いてたなぁ。僕もいずれ、食事の味がわかるようになるかも…!」

光「そうなの?!古文書すごいじゃん!なんて書いてたの??」

月「それは、ええと…」


母「……やっぱり、あの手記を読んだのね…。
日向野くんの血を飲む関係にもなっているのね…。」

母「そろそろ、あなた達にちゃんと話すべきね、私たち一族のこと…。」


えっ!急に何??
吸血一族の秘密なんて、俺聞いていいやつ?


緋「アルバムのことも、教えてくれない?」


そうだ、緋美の写真のあの女性……


母「わかったわ。全て話すから、食事をとりながら、気持ちを楽にして聞いてね。」


既に空気が重たくて、ご飯が喉通らないんですけど?!


そんな俺をよそに、母親はゆっくりと話し始めた。