月城くんの偏食事情。

光「俺、王様だ!」


1と2だけで何かさせる気は無い。
俺とどちらか一人が絡む命令にするから、二分の一で天国か地獄。
攻めた命令にして緋美を引いたら最悪だ……。


光「──南無三…!」

光「下僕2!!王様と恋人繋ぎして、目を見て名前呼んで大好きだよって囁く!」

緋「ふざけんなっすよ!!煩悩まみれじゃないっすか!」

緋「ちなみに俺、下僕2っすけど?!」

光「何でお前なんだよ!」

緋「知らんっすよ!」

月「まあまあ、それくらいは、ゲームだからやれば?」

緋「えーーーーっ!」

緋「……わかったよ…」


俺と緋美は、互いの指を絡め繋いだ両手を、肩の高さまで持ち上げた。

これ恋人繋ぎ?取っ組み合いでは?


緋「…チッ!……光、大好きだよ……」

光「…緋美……俺は大嫌いだよ…」

緋「そんな返しいらんすけど!?」

光「お前こそ大好きなのに舌打ちするなよ!」

月「はい終わり。次々。」


月城くんが間に入り俺たちを引き離した。


なっ!?やらせといてちょっと不機嫌になってない?!
王様になれないからかな?


月「はい!次引くよ!」
月「やた⭐︎次は僕が王様〜♪」


…なんか細工した?


月「下僕1と下僕2が、静夢大好きだよ〜!って言いながら王様にハグ!」

光「2人とも?!そんなのありなの?」

月「ありです!」

月「まず下僕1!どうぞ!」

緋「はい!」

緋「しーちゃん大好きだよ〜!!」

ギュッ…………

緋「ははっ!こんな命令ご褒美でしかないな!」

緋「24時間でも出来る!」

月「はいもう下僕1さんいいよ!ありがとう!美味しく育ってね!」


大好きメーター上げさせて、血の味上乗せ作戦じゃん!


月「下僕2、どうぞ!」

光「はい…」


ギュッ……


光「大好きだよ、静夢……」


耳元でそう言うと、腕の中の月城くんが、ぴくっと小さく揺れた。

あ〜小柄で繊細で髪サラサラで、
可愛いなぁ……

触れている体が、ほんのり熱を帯びていく。

月「は、はい、ありがとぉ……」


月「……実はね、」

月「あの古文書に、日光に強くなれる秘訣も、書いてあったの。」

光「えっ、そうなんだ!」

緋「どうすれば??」

月「個人差はあると思うんだけど…まずは血を吸われる人が、僕にいっぱい情欲の念を抱いてくれること。」

光「ああ〜だーい好きな気持ちね。うんうん。」

光「ん?でもそれなら、緋美はしーちゃんのことアホみたいに好きだから、もう昼間に海水浴できるくらいに強くなってなきゃおかしいよね?」

緋「アホって!まあ、間違ってはいないっすけど。」

月「うん、だから、もう一つ条件があって…」

月「それは今は言えないけど、」

光「言えない?!」

月「…上手くいくような気がしてるんだ。」

「とりあえずこれからも、そのピュアさを忘れずに、美味しい血のご提供をよろしくお願いします!」


「言えない」ってなんなの??
超絶気になる!

でも、1人で古文書読ませてしまったのは俺たちだし、無理に聞けないな…


光「わかった。進捗は教えて下さいね?王様。」

月「もちろんじゃ!」

月「あははっ!もうゲームは終わりね!」

月「2人とも、ありがとう。僕の体質改善のために…。」

月「良い収穫もあったし、血も美味しかったし、宴もたけなわじゃが、お開きにするとしよう!」

王様のパーティーだったのに!
殿様の宴になってる!


まあ、月城くんが…静夢がご機嫌なら、何でもいいや。二つ目の条件は気になるけど、見守っていこう。