月城くんの偏食事情。

カプッ…

鋭い痛みが一瞬走ったかと思うと、

ジュッ……!

すぐに全身がえも言われぬ心地良さに包まれた。


ジュッ……「ハァッ……!」

ジュッ……「ン……フウッ…」

ジュウウッ……「アアッ……!」

ジュッ……ジュルッ…「ハァッ…ハァッ…!アッ…!」


んんんんんんん〜〜!!!?

俺の時だけ長くない!???

「待って…!静夢!飲み過ぎ!俺死んじゃう…!」

「えっ、あっ!ごめん!!」


静夢は慌てて離れると、両手で顔を覆い、指の隙間から俺を覗いた。
その隙間から見える頬は、耳まで真っ赤に染まっていた。


「『死んじゃう』なんて…こーくんってばぁ…♡」


なんで照れてる??
やいやマジで死ぬかと思ったんだけど?


「これキツいっすね…。外出とけばよかった…。」


ライバル食料的にはキツいよな……。
てかライバル食料って何?
もうわけわかんない……。


止血とハグをして、膝から降りた月城くんは、
満面の笑みで俺たちに向かって、


「それでは結果発表します!2人とも僕のこと、だ〜い好きですねッ!ピュッアッピュアの童貞拗らせ悶々ボーイ達で間違いありません!」


ブハッ!!

突然ハイテンションで酷いことを言うから、俺は吹き出してしまった。


「なんか静夢、酔っ払ってる??」

「様子がおかしいっすね(笑)」

「どちらも恋愛経験ゼロ、最高の童貞です!あははっ!」


2人の間に何もないことも、
2人とも自分のことが大好きだってこともわかって、その上美味しい血までたっぷり飲めたから、ご機嫌になっちゃったのかな。

夜も更けてきたし、月城くん絶好調の時間帯なのかも知れないな。


「なんかゲームしない?」

「王様ゲームとか。」


想像以上に深夜のパリピテンション!!!


「3人で?!」

「3人いればできるでしょ?」

「やったことないけど。」

「くじ作ればいいんでしょ?」


月城くんは細長く切った紙に、
「王様」「下僕1」「下僕2」
と書いて握りしめ、俺たちの前に差し出した。

『下僕』って要る?
俺もよく知らないけど…。


「王様だ〜れだ!」

「わ!俺だわ!王様…!」


緋美が王様!?嫌な予感がする…。

「二分の一か、よし……!
 下僕1が王様の唇にキスする!!」


王様を引いた緋美は、願うような顔で月城くんの方を見たけれど、


「……おい。下僕1は俺だ……。」

「ああああああ!!!二分の一外した!!!」

「緋美!キスなんてダメだよ!同意なくやるもんじゃないでしょ!」


いやそれ、巨大ブーメランですが!?


「緋美、もっと健全な命令にして!」

「じゃあ下僕2が王様に10分間ハグ〜♡」

「10分とか長いし!てかもう番号わかってて言ってるから無効だろ!」


「ちぇっ……」


結局くじを引き直した。