月城くんの偏食事情。

緋「しーちゃん!」
光「静夢!」

緋・光「ごめん!!」

俺たちは土下座して謝った。


月「君たちさぁ……仲良過ぎない?」

 「付き合ってるの?」

 「僕を1人にして…あんなこと…」

不機嫌そうにそう言う月城くんの目元は少し赤くなり、瞳は潤んでいた。

ええ…泣いてたのかな…。

光「付き合ってるなんてとんでもない!!オレコイツキライ!」

緋「超絶仲悪いよ!貶めたい気持ちしかない!」

光「静夢の笑顔が見たいって気持ちだけは同じだから、意気投合する時はあるんだけど、俺たちはライバルなんだよ。」

緋「そうそう、共感できる部分はあるけど、血の味を争うライバルだよ!」


月「……2人とも、僕のこと好きなの?」

緋・光「好き好き!」

月「じゃあ、証拠飲ませて。」

証拠?
飲ませる?

証拠って飲ませるもの?


月「2人とも、部屋に入って。」


どういうことかわからないまま、俺達は月城くんの部屋に入った。


月「…君たちがイチャついてる間、僕は古文書を読み進めていました。」

月「情欲の念ってのはつまり、静夢のことがだーい好きって気持ちだよって、僕のチャッピーが教えてくれました。」


え〜…月城くんのチャッピー、かわい〜…


月「もし2人が付き合ってて、僕に言ってる“大好き”が嘘なら、味が落ちてるはず。」

月「それに、2人で何かしてたなら……恋愛経験値が上がってたら…」

光・緋「ないないない!」

月「論より証拠!ってことで、パーティーをはじめます!」

 「カンパーイ」

そう言って、俺と緋美にグータッチしてきた。

何このパリピ感!?
あ、さっきの宴会ね!洋風に変換されてちゃんと効いてたのか!

月「どっちからにしようかなぁ、う〜ん、じゃあ緋美から。OK?」

緋「はいっ!」

月城くんは緋美に跨って、首元を舐め始めた。

うわっ、これまた見ないといけないのはキツっ…

俺は両手で顔を覆って俯いた。


月「…もういくよ、いい?」

緋「うん、きてしーちゃん…」

月「いただきます…」


あー緋美キモい…耳栓欲しい…


プスっ…

緋「………んっ!」

ジュッ…ジュッ……

緋「んんっ……!」

緋美耐えてる!
この前、喘ぎ声再現されたの恥ずかしかったんだな!


月「…ごちそうさま。」


早いな!
味見だからか雑なのか。

目を開けると、緋美は恍惚とした表情をしていた。
けれど、あまりにあっさり終わったせいか、どこか名残惜しそうでもある。


月「次!こーくん!」

光「はい!」

月「いいよね?」

光「はい!」

なんかキビキビしてるなぁ。
今まで緋美任せにしてたのに
初めて自分の体質に向き合って
変わるために頑張っているんだね。

緋美が「俺が育てた!」って豪語してたけど、血をあげたら確かにそんな気持ちになるかも…

そうしみじみと考えている俺の膝に、
月城くんは跨ってきた。

月「吸血の作法に決まりはないって、相談して決めていいものなんだって、書いてたんだ。」

月「唾液に止血作用や、痛みを緩和する効果はあると思うから、首は舐めます。いい?」

光「はい、仰せのままに…。」

月城くんは俺の首元を舐め、

月「…いくよ…少し痛いかも、我慢してね…」

あー!!そういうセリフは心臓口から出てきそうだからやめて欲しいー!
でも俺が勝手に変な感じに取ってるだけだから言いづらい!!

光「は、はい…」

俺は目をギュッとつぶって、唇を結んだ。

さっきのセリフの威力と、噛まれる時の緊張感で、心臓が激しく鳴っている。


……なかなか噛んでこないから、薄めを開けて見てみると、

月城くんは、うっとりした顔で俺を見つめていた。

えっ!この怖がってる顔が好きなのか?
Sなの?ドSなの月城くん??


緋「しーちゃん!早く噛んで!ダメだよ!絶対キスしないで!!!」


ヤジを飛ばす緋美を鬱陶しそうに一瞥し、
「はっ」と小さく息を吐き、
俺の首元を噛んだ。