月城くんの偏食事情。

「……ねえ…何してるの?」


月城くんは真顔でそう言うと、
俺と緋美を交互に悲しそうな目で見つめて、
自分の部屋へと去ってしまった。

「待って!静夢!!」


そりゃ…こうなるよな……。
月城くんは体質のこと知りたくて必死に古文書を解読してたのに、急に2人で抜けてしかも、今のは……イチャイチャに見えたよな……。


「緋美ーーー!何してくれてんだよ!」

「最悪っすね……」

「謝りに行こう!誤解を解かないと!!」

「でも、血を不味くさせようと思って先輩襲ってたなんて知られたら、もっと嫌われますよね…。」

「も〜!勝手に嫌われろ〜!部屋行くよ!!」



───コンコン…


「……静夢。」

「…真剣に古文書解読してたのに、ふざけたことしてて…本当にごめん…。」

「しーちゃん、ごめんなさい……。ちょっと、先輩と揉めちゃって?懲らしめようとしたってい
うか?」

「あんな懲らしめかたあるかよ…。」

「そうっすね…これ違いますね……。」


「とにかく本当にごめん。てか緋美が悪いんだって!」

「その…キスの相手が俺だってバレて…お兄ちゃんを取られたみたいで、嫌だったっぽくて…。」

「そーそー!俺まだ子どもだから!悔しかったんだよぉ〜。」

「静夢〜聞いてる?解読再開しよう?もう出てったりしないから〜」



「………。」


「…ダメだ。出てきてくれない…。」

「……なんか、天岩戸みたいだな……。」

「ああ〜日本神話のやつっすね。」

「弟が乱暴者だから天照大神はお隠れになったんだよ!この須佐之男!」

「しーちゃんが太陽神っすか。どっちかと言えば月っすけどね。」

「確か、宴会したら、気になって出てくるんだよな。」

「ルーマニアがルーツの人に、日本神話の原理がきますかね?」

「はっ…!俺の剣を捧げるとか……?」

「草薙剣って言ってよ…。お前が言うと下ネタにしか聞こえない…。」

「とりあえず宴会っぽくしてみますか。」

─────

「美味しそうな血ね〜。」

「あなたも〜美味しそう〜。」

「いやあなたこそ〜ピュアピュアで甘そうな血〜!」

「いや〜あなたもめちゃくちゃ童貞臭してステキ〜!」

「可愛い男の子に飲まれたいわね〜」

「あたしもあたしも〜」


「………食材側の宴会ってやっぱ、おかしくない…?」

「でも相手はしーちゃんっすよ。普通の宴会じゃダメっすよ。食事に興味ないじゃないですか。」
「大好物で興味引かないと…」

「あたしは色白で華奢で可愛くて優しい男の子に飲まれたいわ〜!」


キィ………



出てきた!!!!