初めての体育の授業の日。
俺はチャンスとばかりに、月城くんに話しかけた。
光「月城くん、次体育だよね。更衣室はどこ?教えてくれる?」
月「ああ…えっとね、体育館わかる?その隣にある、体育倉庫の裏だよ。」
光「あ、ありがと。大体わかったけど、月城くんは行かないの?」
月「うん、今月の体育サッカーだから。」
…サッカーだから?
…サッカーだから、何…??
女子「日向野くん、更衣室教えてあげる!私たちと行こう〜!」
女子達に背中を押されながら、俺は教室を後にした。
体操服に着替える時も、サッカーをしている時も、月城くんの言った言葉の意味を考え込んでしまい、
俺は目の前に飛んできたボールに反応できず、顔面で受け止めてしまった。
「…ッ!テテッ…!」
ポタ…ポタ……
男1「あ!日向野!鼻血でてる!」
男2「大丈夫??保健室行きな!職員室の隣だから、わかる?」
心配そうに声を掛けてくれるクラスメイトたちに、俺は鼻を押さえながら小さく頷き、足早に保健室へ向かった。
ガラッ…
光「失礼します。すみません鼻血出ちゃって…」
保健室に入ると、先生は不在で、
なぜかそこには、月城くんがいた。
月城くんは背もたれのある椅子に腰掛け目を閉じていたが、俺の声でパッと目を開けた。
光「あ、月城くん。ごめんね起こしちゃったかな。保険の先生は?」
月「……………。」
月「……………。」
月「……………。」
月城くんはさっきまで寝ていたとは思えないほど大きな目を見開き、瞬きもせず、無言でじっと俺を見つめていた。
光「…月城くん…?」
月「……あっ、ごめん!保険の先生は今いなくて……鼻血…大変だね、はい、ティッシュ…。」
光「ありがとう、顔面でサッカーボール受けちゃってさ。恥ずかしいな。」
そう言って照れ笑いした俺につられることもなく、月城くんは大きな目でまっすぐ俺を見つめながら、
月「ううん…全然恥ずかしくなんて…むしろ…」
光「えっ…?」
月「良い匂い…」
光「はっ…?!」
真剣な顔でゆっくり近づいてくる。
ただならぬ雰囲気に背筋が寒くなる。
だけれどその顔が美し過ぎて…目を逸らせない。
月城くんは俺の顔を包むように両手を伸ばしてきた。
光「ちょ…月城くん!!どうしたの?」
月「……あ…ごめん!鼻血…止まったかなと思って。」
そう言って、伸ばしていた手をサッと引っ込めた。
なんだ、心配してくれていたのか。
「良い匂い」って聞こえた気がするけど…気のせいだな。
光「鼻血止まったみたいだ、良かった。
光「月城くんは、どうしたの?どこか悪いの?」
月「…僕?僕は肌が弱くて…焼けちゃうから…外での体育は毎回休んでるんだ。見学もできないから、毎回保健室で寝てる。」
光「そっか、大変だね。あ、日光苦手って!そういうことかあ。」
月「そうそう、だから、名前も見た目もお日様キラキラなイメージの君と、」
月「仲良くなれるかなって……」
月「……思ってたんだけど………」
月城くんはグッと、俺に顔を近づけて、
月「……なりたいな……君と…仲良く……」
そう言いながら頬をほんのり赤く染めてはにかんだ月城くんに、心臓がドクン!と大きく脈を打つ。
光「あ……。よ、よろしくね!!じゃあ俺、体育に戻るから!ありがと!またね!」
鼻血のついたティッシュをゴミ箱へ捨て、高鳴る鼓動を悟られないように、急いで保健室を後にした。
あれだけ俺に興味がなさそうだったのに、急にどうしたんだ???
本当に読めないやつ…でも……、
やっぱり、綺麗だな……。
──その後の保健室──
養護教諭「月城くん、ごめんね番を頼んじゃって。さっきの時間、誰も来てない?」
月「はい。だ〜れも。」
養護教諭「そう、良かったわ。ありがとう。」
───鼻血を捨てた筈のゴミ箱は空になっていた────
俺はチャンスとばかりに、月城くんに話しかけた。
光「月城くん、次体育だよね。更衣室はどこ?教えてくれる?」
月「ああ…えっとね、体育館わかる?その隣にある、体育倉庫の裏だよ。」
光「あ、ありがと。大体わかったけど、月城くんは行かないの?」
月「うん、今月の体育サッカーだから。」
…サッカーだから?
…サッカーだから、何…??
女子「日向野くん、更衣室教えてあげる!私たちと行こう〜!」
女子達に背中を押されながら、俺は教室を後にした。
体操服に着替える時も、サッカーをしている時も、月城くんの言った言葉の意味を考え込んでしまい、
俺は目の前に飛んできたボールに反応できず、顔面で受け止めてしまった。
「…ッ!テテッ…!」
ポタ…ポタ……
男1「あ!日向野!鼻血でてる!」
男2「大丈夫??保健室行きな!職員室の隣だから、わかる?」
心配そうに声を掛けてくれるクラスメイトたちに、俺は鼻を押さえながら小さく頷き、足早に保健室へ向かった。
ガラッ…
光「失礼します。すみません鼻血出ちゃって…」
保健室に入ると、先生は不在で、
なぜかそこには、月城くんがいた。
月城くんは背もたれのある椅子に腰掛け目を閉じていたが、俺の声でパッと目を開けた。
光「あ、月城くん。ごめんね起こしちゃったかな。保険の先生は?」
月「……………。」
月「……………。」
月「……………。」
月城くんはさっきまで寝ていたとは思えないほど大きな目を見開き、瞬きもせず、無言でじっと俺を見つめていた。
光「…月城くん…?」
月「……あっ、ごめん!保険の先生は今いなくて……鼻血…大変だね、はい、ティッシュ…。」
光「ありがとう、顔面でサッカーボール受けちゃってさ。恥ずかしいな。」
そう言って照れ笑いした俺につられることもなく、月城くんは大きな目でまっすぐ俺を見つめながら、
月「ううん…全然恥ずかしくなんて…むしろ…」
光「えっ…?」
月「良い匂い…」
光「はっ…?!」
真剣な顔でゆっくり近づいてくる。
ただならぬ雰囲気に背筋が寒くなる。
だけれどその顔が美し過ぎて…目を逸らせない。
月城くんは俺の顔を包むように両手を伸ばしてきた。
光「ちょ…月城くん!!どうしたの?」
月「……あ…ごめん!鼻血…止まったかなと思って。」
そう言って、伸ばしていた手をサッと引っ込めた。
なんだ、心配してくれていたのか。
「良い匂い」って聞こえた気がするけど…気のせいだな。
光「鼻血止まったみたいだ、良かった。
光「月城くんは、どうしたの?どこか悪いの?」
月「…僕?僕は肌が弱くて…焼けちゃうから…外での体育は毎回休んでるんだ。見学もできないから、毎回保健室で寝てる。」
光「そっか、大変だね。あ、日光苦手って!そういうことかあ。」
月「そうそう、だから、名前も見た目もお日様キラキラなイメージの君と、」
月「仲良くなれるかなって……」
月「……思ってたんだけど………」
月城くんはグッと、俺に顔を近づけて、
月「……なりたいな……君と…仲良く……」
そう言いながら頬をほんのり赤く染めてはにかんだ月城くんに、心臓がドクン!と大きく脈を打つ。
光「あ……。よ、よろしくね!!じゃあ俺、体育に戻るから!ありがと!またね!」
鼻血のついたティッシュをゴミ箱へ捨て、高鳴る鼓動を悟られないように、急いで保健室を後にした。
あれだけ俺に興味がなさそうだったのに、急にどうしたんだ???
本当に読めないやつ…でも……、
やっぱり、綺麗だな……。
──その後の保健室──
養護教諭「月城くん、ごめんね番を頼んじゃって。さっきの時間、誰も来てない?」
月「はい。だ〜れも。」
養護教諭「そう、良かったわ。ありがとう。」
───鼻血を捨てた筈のゴミ箱は空になっていた────
