月城くんの偏食事情。

レポートを書いたり活動内容をまとめたりしていたら、消灯の時間になった。

月城くんは俺に背中を向けたままだ。
寝ているのか、起きているのかさえもわからない。

俺が月城くんの背中にそっと、

「…おやすみ…。」

と呟くと、

「…おやすみ。」

と、小さな声で直ぐに返事が返ってきた。

起きてんじゃん。
なのに、そっぽ向いたままなのか……。

やっぱりお風呂に置き去りにしたこと、怒ってるのかな?
今日はもう顔さえ見てくれないから、明日謝ろう…。

俺も隣に布団を敷き、
電気を暗くして、
布団を被った。

血を吸うとか吸わないとかの話が出なくなったことには、正直少しホッとしたけれど、機嫌直してくれるかな…。
月城くんの笑顔が見たいな……。


そう考えながらウトウトしていると、

シャリッ…シャリッ……
ごそごそ……

えっ!

月城くんは、俺の布団に入ってきた。


「どどどどど、どうしたの??」

「うーん、やっぱりさ……、
 夜なんてそう簡単に眠れるもんじゃないね。ははっ…。」

「……で、あの……さっきの女の子…、
 なんの用事だったの?」

「えっ?ああ!う〜ん、あんまり言っていいかわかんないんだけど…、
 手紙を貰ったんだ。…俺と仲良くなりたいんだって。」

「…ふーん。」

「で、どうするの、付き合うの?」

「いやっ、まだそんな、仲良くなりたいってだけだし、告白とかじゃないから。」

「……ふーん、でも、嬉しそうだね。」

「こんな手紙もらったの初めてだし、俺のこと見てくれてる人もいるんだなって、そりゃ、ちょっと嬉しかったかも。」

「あっ、でも、付き合うとか、考えてないよ。まだ初めましての状態だし、まずはお互いを知らないと」

「ふーん。『まだ』、『まずは』ね。」


月城くんは俺の布団に入ったまま、また背中を向けてしまった。


何がしたいんだこの子は??
なんか拗ねてる?

牛乳だけだと情緒不安定になるの?
教えて、変態の弟よ……。

そんなことを考えているうちに、俺はいつの間にか眠りについていた。


──どれくらい経ったのだろう、

なんとなく目が覚めて、
隣を見たが、
月城くんの背中は、無い。

月城くんの布団………も空だ。


まさか……!
他の誰かに、血をねだりに行ったんじゃ…!!

月城くんが他の誰かの首筋を舐め、
ハァ…ハァ…と熱い吐息を漏らしながら美味しそうに血を吸うことを想像すると、胸がギュッと締めつけられた。

そしてその人が、緋美みたいに喘いだら…?

想像すると、胸が更に、破裂しそうなほど締めつけられていく。

月城くんは血を飲まないと栄養不足になるってわかってたのに、あれだけ月城くんが俺の血を気に入ってくれていたのに、
俺は自分の体裁ばかり気にして、月城くんのことを考えてあげられていなかったんだ……。

間に合うなら、月城くんに謝りたい。

そして、俺の血を、月城くんにあげたい…!


俺は部屋を飛び出して、

月城くんを探した。