「こーくん、おはよう!」
──翌日、教室に入ると、月城くんがいつもの笑顔で声をかけてきた。
光「えっ!おはよう!珍しいね、静夢が朝から起きてるなんて!」
月「ふふっ!僕ね、日中に起きて夜寝るように、頑張ろうと思ってて。」
月「体質だからって諦めずに、やれるだけやってみようと思うんだ!だから昨日は、帰ってからずっとベッドで寝てたの。」
月「まあ、殆ど眠れなかったけど……段々と慣れてくるんじゃないかなって。」
光「大丈夫なの??靴履きながら寝ちゃうくらいなのに。体質なんだから、そんな急に無理しなくても…。」
月「急に無理する必要があるの!」
月城くんは、一枚の紙をヒラヒラさせて、俺に見せてきた。
その紙には、『林間学校について』と書かれていた。
月「今まで日中の野外活動は全部休んできたけど、今回は、いきます!」
月城くんは、異論は認めない!と言わんばかりに、張り切った口調で宣言した。
「えええ、外の体育も全部休んでるのに、林間学校なんてアウトドアメインの活動、出来るの?」
月「出来るかじゃくて、やるんです!」
月「こーくんと山歩いて、こーくんとお風呂に入って、こーくんと同じ布団で寝る!」
クラスの空気がざわめいた。
光「ちょちょちょ…!声大きいよ…。また誤解されちゃうから…。」
月「たのしみだね!僕、がんばるから!」
月城くんに野外活動なんて出来る気がしないけれど、あれだけ張り切ってるんだから、本当に参加するつもりなんだろう。
確かに血を飲むチャンスは多そうだな…ウォークラリーで、「疲れたー、おんぶしてー、血飲ませてー」って言ってる月城くんの姿が目に浮かぶもんな……
ただ昨日の雰囲気と違って、血を飲むことに真っ直ぐな月城くんに戻っていて、俺はホッとしたような、少し残念な気持ちにもなっていた。
昨日は危うく勘違いしそうだったからな…
それにしても、日光に弱いだけじゃなく、食料(緋美)もいないし、牛乳だけじゃ体力持たないだろうし、本当に大丈夫なのかなぁ…
月城くんが滅茶苦茶弱ったら……、
俺は血をあげられるのかな……。
もしそれでも無理だと拒否したら、月城くんは無理やり俺の血を吸うかな?
それとも、他に血を吸わせてくれる童貞を探すかも知れない。
月城くんは美人だし、事情を話せば血を飲ませてくれる男の1人や2人くらい、いるだろう。
その男の血が、俺のより美味しかったら……?
<…光の想像…>
「日向野くん、君より美味しい子を見つけたから、もう君にしつこく血を飲ませてなんて言わないよ。今までごめんね。じゃっ!」
……ズキッ………
心臓が、針で突かれたように痛んだ。
…そんなふうに、月城くんが俺の知らない他の子の血を気に入ってしまったら、俺は、どうなるんだろう……。
血を介さない俺らの関係って………。
隣を見ると、月城くんは微笑みながら、林間学校のチラシを眺めている。
机の上には、カラフルな洗濯バサミが大量に置かれていた。
うそっ!?眠くなったらあれでどっかつまむつもり?!
俺の視線に気付いた月城くんは、ニコッと笑いかけ、洗濯バサミを「カチカチッ!」っとおどけたように鳴らした。
ちょっと…!肌弱いのに無理だって……!
授業中、何度か隣から「ててっ!」と聞こえてきた。恐る恐る目を向けると、月城くんの指先は、洗濯バサミだらけになっていた。
シザーハンズかよ………。
──翌日、教室に入ると、月城くんがいつもの笑顔で声をかけてきた。
光「えっ!おはよう!珍しいね、静夢が朝から起きてるなんて!」
月「ふふっ!僕ね、日中に起きて夜寝るように、頑張ろうと思ってて。」
月「体質だからって諦めずに、やれるだけやってみようと思うんだ!だから昨日は、帰ってからずっとベッドで寝てたの。」
月「まあ、殆ど眠れなかったけど……段々と慣れてくるんじゃないかなって。」
光「大丈夫なの??靴履きながら寝ちゃうくらいなのに。体質なんだから、そんな急に無理しなくても…。」
月「急に無理する必要があるの!」
月城くんは、一枚の紙をヒラヒラさせて、俺に見せてきた。
その紙には、『林間学校について』と書かれていた。
月「今まで日中の野外活動は全部休んできたけど、今回は、いきます!」
月城くんは、異論は認めない!と言わんばかりに、張り切った口調で宣言した。
「えええ、外の体育も全部休んでるのに、林間学校なんてアウトドアメインの活動、出来るの?」
月「出来るかじゃくて、やるんです!」
月「こーくんと山歩いて、こーくんとお風呂に入って、こーくんと同じ布団で寝る!」
クラスの空気がざわめいた。
光「ちょちょちょ…!声大きいよ…。また誤解されちゃうから…。」
月「たのしみだね!僕、がんばるから!」
月城くんに野外活動なんて出来る気がしないけれど、あれだけ張り切ってるんだから、本当に参加するつもりなんだろう。
確かに血を飲むチャンスは多そうだな…ウォークラリーで、「疲れたー、おんぶしてー、血飲ませてー」って言ってる月城くんの姿が目に浮かぶもんな……
ただ昨日の雰囲気と違って、血を飲むことに真っ直ぐな月城くんに戻っていて、俺はホッとしたような、少し残念な気持ちにもなっていた。
昨日は危うく勘違いしそうだったからな…
それにしても、日光に弱いだけじゃなく、食料(緋美)もいないし、牛乳だけじゃ体力持たないだろうし、本当に大丈夫なのかなぁ…
月城くんが滅茶苦茶弱ったら……、
俺は血をあげられるのかな……。
もしそれでも無理だと拒否したら、月城くんは無理やり俺の血を吸うかな?
それとも、他に血を吸わせてくれる童貞を探すかも知れない。
月城くんは美人だし、事情を話せば血を飲ませてくれる男の1人や2人くらい、いるだろう。
その男の血が、俺のより美味しかったら……?
<…光の想像…>
「日向野くん、君より美味しい子を見つけたから、もう君にしつこく血を飲ませてなんて言わないよ。今までごめんね。じゃっ!」
……ズキッ………
心臓が、針で突かれたように痛んだ。
…そんなふうに、月城くんが俺の知らない他の子の血を気に入ってしまったら、俺は、どうなるんだろう……。
血を介さない俺らの関係って………。
隣を見ると、月城くんは微笑みながら、林間学校のチラシを眺めている。
机の上には、カラフルな洗濯バサミが大量に置かれていた。
うそっ!?眠くなったらあれでどっかつまむつもり?!
俺の視線に気付いた月城くんは、ニコッと笑いかけ、洗濯バサミを「カチカチッ!」っとおどけたように鳴らした。
ちょっと…!肌弱いのに無理だって……!
授業中、何度か隣から「ててっ!」と聞こえてきた。恐る恐る目を向けると、月城くんの指先は、洗濯バサミだらけになっていた。
シザーハンズかよ………。
