月城くんの偏食事情。

月城くんはふかふかのベッドで気持ち良さそうに寝続けている。

「月城くんってよく寝るよね。これも、体質なのかな。」

「いや、意外と睡眠時間は短い方っすよ。夜はずっと起きてるんで。昼夜逆転なのは、体質かもっすけど。」

「エッ、一晩中起きてるの?!」

「はい、暗くなると目が冴えるらしくて。日が暮れる頃からはずっと起きてて、夜明け前に学校行って、そのまま寝てますね。」

「寝らずに学校に来て寝てるんだ……。」

「日が昇らないうちの方が、登校し易いっすからね!」

夜寝ないなんて……本当に日中頑張ってたんだな。
体に負担がかかりそうだけど、体質だから、変えられないのかな…。

「俺、なんか飲み物持ってきます。」

緋美くんは部屋を後にした。


──月城くんの部屋は昼間なのに薄暗く、真っ白のベッド以外はよく見えないほどだ。

よく見るとそのベッドの枕元に、何か人の顔のようなものが見える…。

怖いな……。
これ見えていいやつなの……?

ドキドキしながらスマホでその顔を照らしてみると、

………!

………俺?!


「わぁっ…!!!」

ガチャン…!!

あまりに驚いた俺は、勢いよく仰け反り、スマホをベッドの枠に落としてしまい、月城くんがぼんやりと目を覚ました。

「う〜ん……何の音…?」

「……えっ!こーくん!!うそっ!ここ僕の家だよね?えっえっ、まさか、血を吸われに来てくれたの?!」

「……うれしい……!」

秒で勘違いした月城くんは、ガバッと俺に抱きついてきた。

「あっ!いやっ、違っ…!」

「血がっ?」

「飲ませたい?」

「こーくぅ〜ん〜!!嬉しい…♡そっか、緋美だね、緋美が口説いてくれたんだね!」

「いやいやいや!!違うって!」

「違うの?じゃあ、こーくんの心の準備が出来たってことだね!そっかあ、うんうん!」

「でも、慌てなくていいよ!まず、お風呂に入ろう!僕が丁寧に洗ってあげるから…♡」

「お風呂!?」

「そうそう!食材を洗うのは常識でしょ。こーくんのことも、キレイに洗ってあげるね♡」

「えええええ〜違うって!!無理無理無理!!」

「ふふっ!遠慮しなくていいよ。大丈夫、全身キレイに、洗うだけだから…」

なかなか誤解が解けず、月城くんが俺の服を剥ぎ取ろうとしていたその時、


ガチャッ…