月城くんは放課後も「一緒に帰ろう!」と毎日のように誘ってくるけれど、俺は転入の関係で追いついていない授業の補習があり、なかなか一緒に帰れずにいた。
そもそも帰り道も全く違うし、俺としてはそこまでして一緒に帰る理由もない。
月城くんはその度に残念そうな顔をするけれど、日中無理して起きているせいか、放課後にはもう眠気も限界らしい。
「じゃあ、また明日ね……」
と、名残惜しそうに欠伸をしながらも、いつも割と素直に諦めて帰っていく。
今日も補習を済ませ、いつものように一人で帰ろうとしていたのだけれど──
何故か靴箱の前に緋美がいて、
その背中では、月城くんが気持ち良さそうに眠っている。
光「緋美、どうしたの?月城くん、寝ちゃったの?」
緋「えっ、呼び捨てっすか?」
光「うん。俺、お前に敬称付けるのやんなっちゃった。敬意とか無いし。」
緋「マジっすか…別にいいですけど…。」
光「てか、帰らないの?」
緋「まだ日差し強いんで、でもおんぶだと日傘させないんっす。」
緋「なんか、最近しーちゃん、学校でもずっと頑張って起きてるらしくて。帰りにはうとうとしてるんすけど、今日はついに靴履きながら寝ちゃって…。」
俺を追いかけ回してるせいだな…
そこまで頑張っていたとは…
血を飲みたくての行動とはいえ、限界まで耐えてたんだと思うと、俺は月城くんが健気に思えてきた。
光「緋美、俺が傘持って、家まで送るよ。」
緋「えっ いいんすか?」
光「うん、俺のせいでもあるし…」
光「傘、リュックに入ってる?」
緋「はい!ちなみにリュックも持てないんで、リュックも持ってもらっていいすか?二人分の。」
……リュック三つと、デカい日傘を持てと?!
調子に乗りやがって……!
そう思いつつも、出した手を引っ込めることは出来ず、俺は背中にリュック、お腹にもリュック、左手にリュック、右手に大きな日傘を持ち、月城くんの家まで歩くことにした。
何このちんどん屋スタイル。
重いし恥ずかしい…。
緋美やっぱり許せない。あいつ、呪ってやる…!
緋美を恨みながら森を抜けると、
月城くんの家が見えてきた。
あの洋館が、何の映画で観た雰囲気に似てるのか、ずっと考えてたけど…
─思い出した。
ジョニデ目当てで観た、
『ダークシャドウ』だわ……
……吸血鬼の映画……
それに気付いたと同時に月城くんの家に着いた。
俺はいち早く荷物を下ろしたかったから、映画のことはそれ以上深く考えず、とにかく中に入らせてもらった。
緋美は月城くんをベッドに寝かせると言うので、
どんな部屋なのか興味が湧いてしまった俺も着いていくことにした。
廊下にはアンティーク調で立派な額におさめられた古い肖像画が、いくつか飾られている。
外国の人に見えるけど、一体誰なんだろう…。
光「緋美、これは、誰の肖像画なの?」
緋「ああ、先祖らしいっす。しーちゃんの父親の家系のなんで、俺はよく知らないっすね。」
光「えっ、そうなんだ。月城くんって、ハーフとか??」
緋「クォーターだったかな…確か、祖先はルーマニアの方にいたって、聞いたような…」
緋「まあ、何であれ、しーちゃんはしーちゃんなんで!」
ルーマニア!?
ルーマニアがドラキュラ伯爵の舞台だってことくらい、俺でも知ってるぞ??
否定しつつ、少しずつヒント出してくるこの感じ、めっちゃ気持ち悪い!
ここまで揃って、吸血鬼じゃなかったら、むしろなんなの?強火の吸血鬼オタク?
オタクに、「オタクですね!」って言ったら、「いえいえわたしなんて〜まだまだです〜」って謙遜するあれか?
モヤモヤしているうちに、月城くんの部屋に着き、緋美は優しく、月城くんをベッドに寝かせた。
寝床が学習机や棺桶だったらどうしようと思っていたけれど、案外普通のベッドでホッとした。
そもそも帰り道も全く違うし、俺としてはそこまでして一緒に帰る理由もない。
月城くんはその度に残念そうな顔をするけれど、日中無理して起きているせいか、放課後にはもう眠気も限界らしい。
「じゃあ、また明日ね……」
と、名残惜しそうに欠伸をしながらも、いつも割と素直に諦めて帰っていく。
今日も補習を済ませ、いつものように一人で帰ろうとしていたのだけれど──
何故か靴箱の前に緋美がいて、
その背中では、月城くんが気持ち良さそうに眠っている。
光「緋美、どうしたの?月城くん、寝ちゃったの?」
緋「えっ、呼び捨てっすか?」
光「うん。俺、お前に敬称付けるのやんなっちゃった。敬意とか無いし。」
緋「マジっすか…別にいいですけど…。」
光「てか、帰らないの?」
緋「まだ日差し強いんで、でもおんぶだと日傘させないんっす。」
緋「なんか、最近しーちゃん、学校でもずっと頑張って起きてるらしくて。帰りにはうとうとしてるんすけど、今日はついに靴履きながら寝ちゃって…。」
俺を追いかけ回してるせいだな…
そこまで頑張っていたとは…
血を飲みたくての行動とはいえ、限界まで耐えてたんだと思うと、俺は月城くんが健気に思えてきた。
光「緋美、俺が傘持って、家まで送るよ。」
緋「えっ いいんすか?」
光「うん、俺のせいでもあるし…」
光「傘、リュックに入ってる?」
緋「はい!ちなみにリュックも持てないんで、リュックも持ってもらっていいすか?二人分の。」
……リュック三つと、デカい日傘を持てと?!
調子に乗りやがって……!
そう思いつつも、出した手を引っ込めることは出来ず、俺は背中にリュック、お腹にもリュック、左手にリュック、右手に大きな日傘を持ち、月城くんの家まで歩くことにした。
何このちんどん屋スタイル。
重いし恥ずかしい…。
緋美やっぱり許せない。あいつ、呪ってやる…!
緋美を恨みながら森を抜けると、
月城くんの家が見えてきた。
あの洋館が、何の映画で観た雰囲気に似てるのか、ずっと考えてたけど…
─思い出した。
ジョニデ目当てで観た、
『ダークシャドウ』だわ……
……吸血鬼の映画……
それに気付いたと同時に月城くんの家に着いた。
俺はいち早く荷物を下ろしたかったから、映画のことはそれ以上深く考えず、とにかく中に入らせてもらった。
緋美は月城くんをベッドに寝かせると言うので、
どんな部屋なのか興味が湧いてしまった俺も着いていくことにした。
廊下にはアンティーク調で立派な額におさめられた古い肖像画が、いくつか飾られている。
外国の人に見えるけど、一体誰なんだろう…。
光「緋美、これは、誰の肖像画なの?」
緋「ああ、先祖らしいっす。しーちゃんの父親の家系のなんで、俺はよく知らないっすね。」
光「えっ、そうなんだ。月城くんって、ハーフとか??」
緋「クォーターだったかな…確か、祖先はルーマニアの方にいたって、聞いたような…」
緋「まあ、何であれ、しーちゃんはしーちゃんなんで!」
ルーマニア!?
ルーマニアがドラキュラ伯爵の舞台だってことくらい、俺でも知ってるぞ??
否定しつつ、少しずつヒント出してくるこの感じ、めっちゃ気持ち悪い!
ここまで揃って、吸血鬼じゃなかったら、むしろなんなの?強火の吸血鬼オタク?
オタクに、「オタクですね!」って言ったら、「いえいえわたしなんて〜まだまだです〜」って謙遜するあれか?
モヤモヤしているうちに、月城くんの部屋に着き、緋美は優しく、月城くんをベッドに寝かせた。
寝床が学習机や棺桶だったらどうしようと思っていたけれど、案外普通のベッドでホッとした。
