君がいる夜


「…ごめん、ごめんね…、」

ひとりの少女が雨が降りしき夜、両膝を地面につき、隣りに座る少年へ贖罪の言葉を口にする。
少女の頬を伝うのは、雨なのか涙なのか最早分からない。

「大丈夫だから…、」

少年は、優しくそう答えた。


ふたりの着ている半袖の制服は赤く染められており、強い雨が洗い流すように降り続け、少女の右手には刃物が握られていた。

その傍らに、土のついたシャベルが転がっている。


少女は少年を守るために。
少年は少女を守るために。

あの雨の夜、ふたりは誰にも言えない秘密をそれぞれ抱えた。