「北村、心配したんだぞ!」
「ごめん、ちょっと友達と散歩行ってたらこんな時間になってた」
「俺らマジでビビったぞ、風呂から戻って来てずーっと北村帰ってこないから、神隠しにでもあったのかと思ったよ」
高橋は半分ふざけながらも、しっかり心配してくれていた様で申し訳なくなった。
「神隠しって、心配かけたみたいでごめん」
「とりあえずよかったよ、なあ田中?」
「おう」
田中の返事はどこかそっけな無かった。それはそうだろう。さっき告白した相手が、普通に失踪していたのだからそんな反応になるのも当然だ。
「すかしちゃって、さっきまで田中ずっと心配してたんだから」
「そうだったんだ、心配してくれてありがと」
そんなやりとりをしていると、廊下から足音が聞こえてきた。
「点呼っぽいな」
ガチャリと扉が開き、担任が現れた。
「おーい、消灯時間だぞ。3人そろってるな、早く寝ろよ」
「はーい」
ドアは閉じ、先生が隣の部屋に行った音がした。
「ほんとギリギリだったな」
「そうだったみたい」
「で、北村どこで何しとったん? まさか女にでも会いに行っとったん?」
「そんなわけないだろ、普通に去年クラス一緒だったやつに会ったから話し込んでただけ。普通に男だよ」
ありえない妄想に半笑いで答えた。「だよな」とどこか動揺した様子で返事をした田中とは対照的に、話を振ってきた高橋は「つまんねー」と言いつつもどこか楽しそうだった。
そこから高橋がずっと話しかけてきていた気がするが、ベッドで話を聞いていた僕は、ここまでの疲労で寝落ちてしまった。
-------------
林間学校3日目。
今日は朝食をとり、帰宅をするだけなので、僕の気持ちもだいぶ楽だった。
さっさと朝食を済ませ、バスに乗る。今回は行きとは異なりみんな疲れていたんだろう。
最初から静かなバスの中で僕は、昨日江波戸に言われたことを考え続けていた。
進学コースに戻るべきなのかな。半ば自暴自棄になって総合コースへ移った自覚はあった。進学の幅が狭まることも真剣に考えていたわけではなかった。
最近やっと気持ちに整理がついて、将来のことを少し考えることが増えていた。やりたいことがないのなら大学に行ってやりたいことを探していくべきだと。そんなふうに考える様になった。
進学クラスに戻った方が、もっと人生の幅が増えるのかなぁ。テスてか行けると思うとか昨日勝手に思っていたけど、学年で5位取らないといけないって結構大変だよな。
とりあえず本当に進学コースに行くかどうかは別として、学年5位以内に入ることだけ考えようと決心して僕の林間学校は幕を閉じた。
バスを降り解散となり、僕は一人で駅まで向かおうとした。
「北村―」
声の方向を向くと江波戸がいた。バスの到着が早かったクラスから解散だったので、そこまで人は残っておらず前のように注目を浴びることもなかった。
「え、何?」
「そういえば俺、北村の連絡先知らなかったなって思って。この機会に交換したくて」
確かに校内は携帯電話の使用は禁止で、これまで交換しようとか言う発想すらなかった。
「おけおけ」
とりあえず先ほど返却されたばかりの携帯電話の電源を入れる。
「はいこれ読み込んで」
江波戸に差し出されたコードを読み込み、とりあえず「北村です」とだけ送った。
「どう? 今メッセージ送ったけど、届いた?」
「届いた、アイコン白熊なんだね」
「昔家族旅行で行った水族館で撮ったやつを適当にアイコンにしてみた」
「かわいいじゃん」
「ありがと」
「この後誰かと約束ないなら一緒に帰ろう」
「いいよ」
「ごめん、ちょっと友達と散歩行ってたらこんな時間になってた」
「俺らマジでビビったぞ、風呂から戻って来てずーっと北村帰ってこないから、神隠しにでもあったのかと思ったよ」
高橋は半分ふざけながらも、しっかり心配してくれていた様で申し訳なくなった。
「神隠しって、心配かけたみたいでごめん」
「とりあえずよかったよ、なあ田中?」
「おう」
田中の返事はどこかそっけな無かった。それはそうだろう。さっき告白した相手が、普通に失踪していたのだからそんな反応になるのも当然だ。
「すかしちゃって、さっきまで田中ずっと心配してたんだから」
「そうだったんだ、心配してくれてありがと」
そんなやりとりをしていると、廊下から足音が聞こえてきた。
「点呼っぽいな」
ガチャリと扉が開き、担任が現れた。
「おーい、消灯時間だぞ。3人そろってるな、早く寝ろよ」
「はーい」
ドアは閉じ、先生が隣の部屋に行った音がした。
「ほんとギリギリだったな」
「そうだったみたい」
「で、北村どこで何しとったん? まさか女にでも会いに行っとったん?」
「そんなわけないだろ、普通に去年クラス一緒だったやつに会ったから話し込んでただけ。普通に男だよ」
ありえない妄想に半笑いで答えた。「だよな」とどこか動揺した様子で返事をした田中とは対照的に、話を振ってきた高橋は「つまんねー」と言いつつもどこか楽しそうだった。
そこから高橋がずっと話しかけてきていた気がするが、ベッドで話を聞いていた僕は、ここまでの疲労で寝落ちてしまった。
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林間学校3日目。
今日は朝食をとり、帰宅をするだけなので、僕の気持ちもだいぶ楽だった。
さっさと朝食を済ませ、バスに乗る。今回は行きとは異なりみんな疲れていたんだろう。
最初から静かなバスの中で僕は、昨日江波戸に言われたことを考え続けていた。
進学コースに戻るべきなのかな。半ば自暴自棄になって総合コースへ移った自覚はあった。進学の幅が狭まることも真剣に考えていたわけではなかった。
最近やっと気持ちに整理がついて、将来のことを少し考えることが増えていた。やりたいことがないのなら大学に行ってやりたいことを探していくべきだと。そんなふうに考える様になった。
進学クラスに戻った方が、もっと人生の幅が増えるのかなぁ。テスてか行けると思うとか昨日勝手に思っていたけど、学年で5位取らないといけないって結構大変だよな。
とりあえず本当に進学コースに行くかどうかは別として、学年5位以内に入ることだけ考えようと決心して僕の林間学校は幕を閉じた。
バスを降り解散となり、僕は一人で駅まで向かおうとした。
「北村―」
声の方向を向くと江波戸がいた。バスの到着が早かったクラスから解散だったので、そこまで人は残っておらず前のように注目を浴びることもなかった。
「え、何?」
「そういえば俺、北村の連絡先知らなかったなって思って。この機会に交換したくて」
確かに校内は携帯電話の使用は禁止で、これまで交換しようとか言う発想すらなかった。
「おけおけ」
とりあえず先ほど返却されたばかりの携帯電話の電源を入れる。
「はいこれ読み込んで」
江波戸に差し出されたコードを読み込み、とりあえず「北村です」とだけ送った。
「どう? 今メッセージ送ったけど、届いた?」
「届いた、アイコン白熊なんだね」
「昔家族旅行で行った水族館で撮ったやつを適当にアイコンにしてみた」
「かわいいじゃん」
「ありがと」
「この後誰かと約束ないなら一緒に帰ろう」
「いいよ」
