ホームルームまで終わって、クラスメイト達は足早に帰宅していったり、部活に向かったり、誰かの机の周りに集まっておしゃべりに夢中になったりと、思い思いの放課後を過ごしている。
荷物をまとめていた私の元に鈴音がやって来た。
二人とも部活動には所属していない。
このまま帰宅して、いつも通りカラオケかファミレス、ファストフードにでも入ってくだらないおしゃべりで時間を潰すのだろうと思っていた。
でも今日の鈴音は本調子ではないから、すぐに帰って休みたいかもしれないとも思った。
「なーぎー」
「鈴音。体調はどう」
「平気。あのさ、今日急いで帰んなきゃだめ?」
「私は大丈夫だけど」
「話したいことがあるの。学校出ちゃったら決心鈍りそうなんだよね。屋上でもいい?」
身体のどこか奥のほうが波を打ったような感覚があった。
決心をするほどの話ってなんなのだろう。
今日の体調不良と関係があるのだろうか。
またムクムクと頭の中に悪い妄想が膨らんでいく。
どうか、思っているよりもなんでもない内容でありますように。
夏が来る前に食べ過ぎて、急にダイエットしたら身体を壊しちゃったとか、その程度のことでありますように。
でも鈴音は一生ダイエットとは無縁だと思えるくらい、元々痩せているんだけど。
七月の十六時前は日中と同じくらいまだまだ猛暑を感じさせる。
屋上まで登ってきたら風が強くて、湿気を含んではいるけれど救済措置にはなった。
落下防止のために設置された金網のフェンスに背中を付けて、鈴音は空を仰いだ。
太陽が鈴音を照らして、眩しくて表情はよく見えない。
胸の下まで伸びたロングヘアが風に流される。
スカートが時々ふわりと舞うけれど鈴音には気に留める様子はなかった。
「学校、辞めようと思うんだあ」
なんでもないことのように鈴音の口から飛び出した、その単純な言葉の意味を汲み取れないのは、風が強くてよく聞き取れなかったからだ。
そう思い込みたくなるような告白だった。
荷物をまとめていた私の元に鈴音がやって来た。
二人とも部活動には所属していない。
このまま帰宅して、いつも通りカラオケかファミレス、ファストフードにでも入ってくだらないおしゃべりで時間を潰すのだろうと思っていた。
でも今日の鈴音は本調子ではないから、すぐに帰って休みたいかもしれないとも思った。
「なーぎー」
「鈴音。体調はどう」
「平気。あのさ、今日急いで帰んなきゃだめ?」
「私は大丈夫だけど」
「話したいことがあるの。学校出ちゃったら決心鈍りそうなんだよね。屋上でもいい?」
身体のどこか奥のほうが波を打ったような感覚があった。
決心をするほどの話ってなんなのだろう。
今日の体調不良と関係があるのだろうか。
またムクムクと頭の中に悪い妄想が膨らんでいく。
どうか、思っているよりもなんでもない内容でありますように。
夏が来る前に食べ過ぎて、急にダイエットしたら身体を壊しちゃったとか、その程度のことでありますように。
でも鈴音は一生ダイエットとは無縁だと思えるくらい、元々痩せているんだけど。
七月の十六時前は日中と同じくらいまだまだ猛暑を感じさせる。
屋上まで登ってきたら風が強くて、湿気を含んではいるけれど救済措置にはなった。
落下防止のために設置された金網のフェンスに背中を付けて、鈴音は空を仰いだ。
太陽が鈴音を照らして、眩しくて表情はよく見えない。
胸の下まで伸びたロングヘアが風に流される。
スカートが時々ふわりと舞うけれど鈴音には気に留める様子はなかった。
「学校、辞めようと思うんだあ」
なんでもないことのように鈴音の口から飛び出した、その単純な言葉の意味を汲み取れないのは、風が強くてよく聞き取れなかったからだ。
そう思い込みたくなるような告白だった。

