制服に守られている僕達の特権

毎週金曜日は職員会議があるから授業は五時間目までと決まっていた。
ホームルームの前に掃除の時間が三十分設けられている。
学年内で一ヶ月を目処に各クラス、担当する場所が回ってくる。
更にクラス内で割り振られた班ごとに一週間ずつ掃除場所を交代していく仕組みだ。

今週、私の班は保健室とその周辺の窓拭き担当。
鈴音の班は隣のクラスの班と一緒に体育館に割り振られていた。

内心、保健室担当になっていることをラッキーだと思った。
鈴音のことがやっぱりどうしても気になっていたし、昼休みの様子を保健医の先生に聞きたいと思っていたからだ。

鈴音に内緒で探るような真似をすることに罪悪感はあるけれど本人に聞いてもまともに答えてくれそうにはなかった。
鈴音はそういう子なのだ。
普段からできるだけ私に心配をかけないように振る舞ってくれている。

「先生、こんにちは」

「こんにちは。今週は掃除当番ありがとうね」

「あの、今日の昼休みのことなんですけど」

「昼休み?」

「はい。鈴音…、うちのクラスの」

「ああ、鈴音さんね。体調が優れないって。少し横になってたけど五時間目にはクラスに戻ったはずよ」

「はい。ちゃんと五時間目の授業は受けてました」

「それがどうかしたの?」

「いえ…。あの、鈴音どんな様子でしたか」

「どんなって?」

「その、すごく具合悪そうでしたか」

先生はちょっと天井を見上げて考えるような素振りをした。

「そうねぇ。ちょっと胸がムカムカしてたみたいね」

「お昼ごはん、食べなかったんですか」

「いいえ。おうちからフルーツを切って持ってきてたみたいでね。食べたらいくらかマシになったって言ってたわ」

「そうですか。ごめんなさい。探るようなことして」

「心配なんでしょう。本人からは聞いてないの?」

「詳しいことは。鈴音、こんなこと滅多にないから気になったんです」

「そう。じゃあ大丈夫じゃなさそうにしてたらそばに居てあげなくちゃね」

「はい」