制服に守られている僕達の特権

昼休みの昼食タイムになると、いよいよ鈴音は保健室で少し休むと言い出した。

「ねぇやっぱ具合悪いんじゃん!ちゃんと話してよ、どうしたの」

「んー、ちょっと貧血かなあ」

「貧血?朝から?」

「だーいじょうぶだって。寝不足かもね。昨日遅くまで漫画読んじゃったから」

「ついてく。保健室」

「平気。少し寝たいからさ。ありがとね、心配してくれて」

「当然でしょ」

「ん。ちゃんとごはん食べなさいよ!」

鈴音はどこまでも私の″姉″であろうとする。
体調が悪いのは自分のほうなのに私に心配かけないように、というよりも「私が困らないように導いてあげる」ことが癖になっているのだ。

「今は自分の心配しなよ!鈴音が元気ないとつまんないじゃん」

「分かった。五時間目には戻るから」

宣言通り、鈴音は昼休みが終わる頃には教室に戻ってきた。
心配するクラスメイト達の前で「元気ふっかーつ」なんて言って、二の腕にポコッと小さい力こぶを作って見せている。

本当に貧血だけだったのだろうか。
「だけ」ってわけではないけれど、大きな病気とかだったらもっと困る。
鈴音を失うかもしれないなんて悪い想像はしたくないのに妄想は歯止めが効かない。
おかげで今日に限ったことではないないけれど数学の授業はいつも以上に集中できなかった。