制服に守られている僕達の特権

「いつか交換しようよ」

「交換?」

「私が青春を謳歌した思い出と、鈴音が一足先に学んでくれた大人の世界。教え合って補い合って、私達、最強になろうよ」

「いいね。ますます頑張んなきゃね」

お腹をさすってハニかんだ鈴音をそっと抱き締めた。
最後の教室で。
二人きりじゃない、三人分の鼓動がここには在る。

「ママを守ってね」

「ん?何?」

「私と赤ちゃんの初めての約束」

「スパルタ辞めてくださーい」

同じ制服を着て、見慣れたはずの教室を背景に微笑む鈴音を目に焼き付ける。

夏が終わってもこの場所で私が強く歩んでいけるように。
十七歳だった私達がいつか、私達が私達であるだけで全部が正解だったと胸を張れる日まで。


制服に守られている僕達の特権 完.