制服に守られている僕達の特権

ぺったんこのお腹。
私達とおんなじように心臓があって、いつか視認できるようになるなんて信じられないくらい、鈴音の身体はまだ鈴音のものだけのように感じた。

「後悔したら許さないからね」

「分かった」

「誰よりも幸せになんなきゃ許さないからね」

「分かった」

「ああ、間違った」

「え?」

「………その子のこと。誰よりも幸せにしなきゃ許さないからね」

「ん…当たり前でしょ!」

「最後の夏休みだったね。去年が」

「うん」

一学期の終業式と共に、鈴音は退学する。
高一の夏休みが最後だと分かっていれば、もっとしたかったことや二人で行ってみたかった場所。
意地でも全ての願いを叶えたのに。

「でもさ、大人は夏休みしちゃだめなんて法律は無いからさ」

「そう、だね?」

「鈴音の赤ちゃんが夏休みを経験する頃にはさ、いつか一緒に取り戻そうよ。十七歳で出来なかった夏休みをさ」

「ありがと…大好きだよ」

「知ってる。もう散々、知ってたよ。鈴音、おめでとう。ほんとに、おめでとうだよ」

「ナギ…ありがとう…ありがとうね!」