制服に守られている僕達の特権

「彼のこと言い出せなかったのはSNSで出会ったことだけが理由じゃないんでしょ。高校生でも大学生でも、せめて学生だったら話してくれてたよね」

「そう、なんだと思う。成人と未成年って世間的には認められてないよなぁって。保護者の同意があれば女性は十六歳で結婚できるのに、それを認めさせるだけのヒストリーも勇気も私の中には無いなんて思っちゃったの」

「その覚悟すら無いのに妊娠なんて」

「分かってる。ナギの感情が正しいよ」

「正しさなんて知らないよ!法律も世間体も大人達の常識も…。ただ私は鈴音のことだから…ああそうですかって気持ちにはなれない」

「ありがとうね、ナギ。彼とはすぐに恋人同士になって、出会い以外で何か特別なことがずっと起こってたわけじゃない。それでも私のことすごく大事に想ってくれてることは分かった。私だって彼のことが大好き。だから…いいかなって思っちゃったの。彼になら人生変えられてもいいかなって」

「バカだよ鈴音!大事になんてしてないじゃん!女子高生を自分の欲だけで妊娠させたって後ろ指さされたってしょうがないんだよ!?親に認めてもらう覚悟も無いのになんで赤ちゃんなのよ!大事に想ってるんなら、誠意があるんなら順番が違うじゃんか!そんな風に責められたって反論できないんだよ」

「分かってる…」

「鈴音、私だって鈴音を大事に想ってる。大好きなんだよ。鈴音が彼のことを大好きだって思う気持ち、信じたい。だからそんな悔しい感情の中に居て欲しくないよ。彼にだって言ってやりたい。鈴音には鈴音の人生があるのに。高校卒業して、行きたい大学にも行けて、鈴音ならなりたい自分になれるチャンスがいくらだってあったのに」

「だから言えなかったの」

「え?」