「彼と出会ったのはSNSで、共通の趣味があってね。たまたまおすすめで流れてきた彼の投稿を見て意気投合したの」
「共通の趣味って?」
鈴音は大ファンであるバンドの名前を口にした。
ファンクラブに入会していることも知っている。
「去年の夏、私がライブに行ったこと知ってるでしょ」
「うん」
今では日本を代表すると言ってもいいくらいのバンドで、ファンクラブ会員でさえライブのチケットは幻だと言われている。
去年の夏。チケットを入手できなかった鈴音はひどく落ち込んでいた。
その後すぐに「チケットを譲ってくれる人がいる」と瞳をキラキラさせて報告してきた鈴音のことを思い出した。
そのチケットを譲ってくれたのが彼だったのだろう。
「一緒に行くはずだった友達が怪我をして行けなくなっちゃったんだって。譲り先を探してる投稿がそれだったの。譲ってもらうために何度かDMでやり取りをして、彼が社会人だってことも知った」
「学生じゃないんだ…」
「二十四歳なの」
「…彼は鈴音が未成年だって知ってて譲ったの」
「全部ちゃんと話したよ。最初はね、さすがに同行はマズいだろうからチケットを譲ったら行動は別でって流れだった。でもせっかく同じ人達を好きで、ライブでって環境だったから意気投合してね。そのうち″未成年の子をここで単独行動させるのは心配だ″って言ってくれて。っていうかそもそもチケットが連番なのに別行動も無理でしょ」
その日のことを辿るように話しながら鈴音は苦笑した。
だけど大切な思い出を打ち明けてくれるような、あたたかい表情だった。
「共通の趣味って?」
鈴音は大ファンであるバンドの名前を口にした。
ファンクラブに入会していることも知っている。
「去年の夏、私がライブに行ったこと知ってるでしょ」
「うん」
今では日本を代表すると言ってもいいくらいのバンドで、ファンクラブ会員でさえライブのチケットは幻だと言われている。
去年の夏。チケットを入手できなかった鈴音はひどく落ち込んでいた。
その後すぐに「チケットを譲ってくれる人がいる」と瞳をキラキラさせて報告してきた鈴音のことを思い出した。
そのチケットを譲ってくれたのが彼だったのだろう。
「一緒に行くはずだった友達が怪我をして行けなくなっちゃったんだって。譲り先を探してる投稿がそれだったの。譲ってもらうために何度かDMでやり取りをして、彼が社会人だってことも知った」
「学生じゃないんだ…」
「二十四歳なの」
「…彼は鈴音が未成年だって知ってて譲ったの」
「全部ちゃんと話したよ。最初はね、さすがに同行はマズいだろうからチケットを譲ったら行動は別でって流れだった。でもせっかく同じ人達を好きで、ライブでって環境だったから意気投合してね。そのうち″未成年の子をここで単独行動させるのは心配だ″って言ってくれて。っていうかそもそもチケットが連番なのに別行動も無理でしょ」
その日のことを辿るように話しながら鈴音は苦笑した。
だけど大切な思い出を打ち明けてくれるような、あたたかい表情だった。

