東京都・新都心
瓦礫が舞う。
粉塵で視界は白く染まり、ビルの警報音が鳴り続ける。
ラルゴはその場から一歩も動かず、能研のメンバーを見据えていた。
「……来い。」
イレイダは刀を構える。
「私一人で十分だ。」
ソウヤが前に出ようとする。
「俺も――」
「下がれ。」
イレイダはソウヤを制した。
「こいつは力押しじゃ勝てねぇ。」
「まずは私が能力を見極める。」
惣一も静かに頷く。
「ソウヤ。イレイダの判断に従え。」
「……分かった。」
第二ラウンド
イレイダは深く腰を落とした。
呼吸が静かになる。
周囲の音が消えたように感じる。
次の瞬間――
──消えた。
「!」
ソウヤの目から完全に姿が消える。
ラルゴだけは反応した。
「……右。」
巨大な拳を横へ振り抜く。
しかし。
そこには誰もいない。
「上だ。」
イレイダはラルゴの真上。
重力を利用して刀を振り下ろす。
斬撃。
ギィィィン!!
火花が散る。
ラルゴの肩へ深く食い込むはずだった刃が、筋肉によって止められる。
イレイダは目を見開いた。
「……筋肉だけで止めた?」
ラルゴは無表情のまま答える。
「……まだ。」
「浅い。」
怪力
ラルゴは刀を掴む。
イレイダの顔色が変わる。
「しまっ――」
ブンッ!!
そのまま刀ごとイレイダを振り回した。
イレイダは咄嗟に刀を手放し、空中で体勢を整える。
しかし。
ラルゴはもう目の前まで迫っていた。
「終わり。」
巨大な拳が振り下ろされる。
ドゴォォォォン!!
地面が陥没。
半径数十メートルに衝撃波が走る。
道路がめくれ上がり、街路樹が根元から吹き飛ぶ。
ソウヤは叫ぶ。
「イレイダ!!」
煙の中から声が返る。
「騒ぐな。」
イレイダは瓦礫の上へ着地していた。
額から血が流れている。
「……面白い。」
作戦変更
惣一が戦況を分析する。
「イレイダの斬撃でも決定打にならない。」
「正面突破は危険だ。」
タジが端末を確認する。
「ラルゴの筋肉が能力で極限まで強化されている!」
「でも一点だけ!」
「能力を使うたびに筋肉疲労が蓄積している!」
惣一は静かに言う。
「反動か。」
イレイダは口角を上げた。
「なるほど。」
「つまり、暴れさせれば勝手に弱る。」
ラルゴは表情を変えない。
「……時間稼ぎか。」
「悪くない。」
「だが。」
能力がさらに高まる。
筋肉が膨れ上がり、大気が震える。
ソウヤ参戦
ソウヤは拳を握る。
「イレイダ。」
「今度は俺も行く。」
イレイダは少しだけ笑う。
「ようやく言ったか。」
「足を引っ張るなよ。」
「もちろん。」
二人は同時に踏み込む。
ソウヤは真正面。
イレイダは側面。
ラルゴは二人を同時に見据える。
「……連携。」
「なら。」
「まとめて潰す。」
巨大な両腕が交差する。
ソウヤは拳を構える。
イレイダは刀を構え直す。
街全体を揺らす激突が始まる――。
屋上
その戦いを見下ろす二つの影。
グラン。
そしてマラン。
マランは静かにソウヤを見つめる。
「……一人じゃ勝てない相手に、仲間と挑むか。」
その姿に、かつての自分にはなかったものを感じていた。
グランはマランの横顔を見て、小さく呟く。
「迷うな。」
「お前は私の右腕だ。」
マランは答えない。
ただ、ソウヤたちの連携を静かに見つめ続けていた。
第56話 完
瓦礫が舞う。
粉塵で視界は白く染まり、ビルの警報音が鳴り続ける。
ラルゴはその場から一歩も動かず、能研のメンバーを見据えていた。
「……来い。」
イレイダは刀を構える。
「私一人で十分だ。」
ソウヤが前に出ようとする。
「俺も――」
「下がれ。」
イレイダはソウヤを制した。
「こいつは力押しじゃ勝てねぇ。」
「まずは私が能力を見極める。」
惣一も静かに頷く。
「ソウヤ。イレイダの判断に従え。」
「……分かった。」
第二ラウンド
イレイダは深く腰を落とした。
呼吸が静かになる。
周囲の音が消えたように感じる。
次の瞬間――
──消えた。
「!」
ソウヤの目から完全に姿が消える。
ラルゴだけは反応した。
「……右。」
巨大な拳を横へ振り抜く。
しかし。
そこには誰もいない。
「上だ。」
イレイダはラルゴの真上。
重力を利用して刀を振り下ろす。
斬撃。
ギィィィン!!
火花が散る。
ラルゴの肩へ深く食い込むはずだった刃が、筋肉によって止められる。
イレイダは目を見開いた。
「……筋肉だけで止めた?」
ラルゴは無表情のまま答える。
「……まだ。」
「浅い。」
怪力
ラルゴは刀を掴む。
イレイダの顔色が変わる。
「しまっ――」
ブンッ!!
そのまま刀ごとイレイダを振り回した。
イレイダは咄嗟に刀を手放し、空中で体勢を整える。
しかし。
ラルゴはもう目の前まで迫っていた。
「終わり。」
巨大な拳が振り下ろされる。
ドゴォォォォン!!
地面が陥没。
半径数十メートルに衝撃波が走る。
道路がめくれ上がり、街路樹が根元から吹き飛ぶ。
ソウヤは叫ぶ。
「イレイダ!!」
煙の中から声が返る。
「騒ぐな。」
イレイダは瓦礫の上へ着地していた。
額から血が流れている。
「……面白い。」
作戦変更
惣一が戦況を分析する。
「イレイダの斬撃でも決定打にならない。」
「正面突破は危険だ。」
タジが端末を確認する。
「ラルゴの筋肉が能力で極限まで強化されている!」
「でも一点だけ!」
「能力を使うたびに筋肉疲労が蓄積している!」
惣一は静かに言う。
「反動か。」
イレイダは口角を上げた。
「なるほど。」
「つまり、暴れさせれば勝手に弱る。」
ラルゴは表情を変えない。
「……時間稼ぎか。」
「悪くない。」
「だが。」
能力がさらに高まる。
筋肉が膨れ上がり、大気が震える。
ソウヤ参戦
ソウヤは拳を握る。
「イレイダ。」
「今度は俺も行く。」
イレイダは少しだけ笑う。
「ようやく言ったか。」
「足を引っ張るなよ。」
「もちろん。」
二人は同時に踏み込む。
ソウヤは真正面。
イレイダは側面。
ラルゴは二人を同時に見据える。
「……連携。」
「なら。」
「まとめて潰す。」
巨大な両腕が交差する。
ソウヤは拳を構える。
イレイダは刀を構え直す。
街全体を揺らす激突が始まる――。
屋上
その戦いを見下ろす二つの影。
グラン。
そしてマラン。
マランは静かにソウヤを見つめる。
「……一人じゃ勝てない相手に、仲間と挑むか。」
その姿に、かつての自分にはなかったものを感じていた。
グランはマランの横顔を見て、小さく呟く。
「迷うな。」
「お前は私の右腕だ。」
マランは答えない。
ただ、ソウヤたちの連携を静かに見つめ続けていた。
第56話 完
