ソウヤとイレイダ
ドォォォォォン!!
二人の連携攻撃が、ペインへ容赦なく襲い掛かる。
ソウヤの拳。
イレイダの斬撃。
左右から同時に迫る必殺の挟撃。
しかし――。
「甘い。」
ペインは不敵に笑う。
Slaughter(殺戮)
地面を蹴った瞬間、その姿が掻き消えた。
「また消えた!」
タジが叫ぶ。
ソウヤは目を閉じる。
(レイ。)
『右だ。』
「ッ!」
ソウヤが反射的に身体を捻る。
ドゴォッ!!
拳が頬をかすめる。
「避けた?」
ペインが初めて驚いた表情を見せる。
「面白い。」
「今のを見切るか。」
「今だ!」
イレイダが飛び込む。
刀身が青白く輝く。
「喰らえぇッ!」
一閃。
しかしペインは腕で受け止める。
ギィィィン!!
金属同士がぶつかったような音が響く。
「硬ぇ!」
イレイダが舌打ちする。
「俺の身体は。」
「その辺の能力者とは違う。」
ペインが笑う。
そのまま腕を振り抜く。
ドン!!
イレイダは後方へ弾き飛ばされるが、受け身を取り着地する。
「化け物かよ。」
ソウヤが低く構える。
レイの戦闘技術。
ソウヤ自身の判断力。
二つが完全に噛み合い始めていた。
「行く。」
一歩。
二歩。
フェイント。
ペインの懐へ潜り込む。
「そこだ!」
拳が腹部へ突き刺さる。
ドゴォッ!!
ペインの身体が初めて数歩後退した。
沈黙。
そして。
「……ハハ。」
ペインは腹を押さえながら笑った。
「痛い。」
「今のは効いた。」
屋上。
マランはその一撃を見て小さく目を細める。
「成長している。」
ネリクマも頷く。
「あの頃とは違う。」
ネネは少し安心したように息を吐く。
「でも。」
「ペインさん……。」
マランは静かに答えた。
「ここからだ。」
ペインは笑みを消した。
「遊びは終わり。」
その一言に空気が変わる。
全身から凄まじい殺気が溢れ出す。
地面がひび割れる。
周囲の木々が軋む。
結衣は思わず一歩下がった。
「何、この圧力……。」
燕も帝凰剣へ手を掛ける。
「まだ本気じゃなかったの……?」
ペインは首を鳴らした。
「グランに怒られるからさ。」
「街を壊さない程度に遊んでた。」
「でも。」
「もういいよね。」
bloodbath Slaughter(殺戮真化)
能力がさらに解放される。
身体中の筋肉が隆起し、地面へ立つだけでアスファルトが砕け始めた。
「本気で。」
「殺してやる。」
その瞬間。
ズォォォン!!
空気が震えた。
ソウヤは拳を握る。
イレイダは刀を構える。
「来るぞ。」
「分かってる。」
二人は並んで立つ。
「ソウヤ。」
「何だ。」
「絶対に負けるな。」
イレイダが笑う。
ソウヤも笑い返した。
「ああ。」
「一緒に勝つ。」
次の瞬間
ペインが地面を蹴る。
轟音すら置き去りにする速度。
ソウヤとイレイダも同時に踏み込む。
三人の姿が一瞬で交錯する。
その時――
屋上で見守っていたマランが、小さく呟いた。
「……来たか。」
その視線の先。
能研本部へ向かう一本道を、一つの巨大な影がゆっくりと歩いて来る。
地面が揺れる。
ドン……
ドン……
ドン……
二メートル五十センチを超える巨体。
無表情。
握り締められた巨大な拳。
ラルゴ。
マスタークラウンの第二の刺客が、ついに戦場へ姿を現した。
ペインは振り返ることなく笑う。
「遅いよ、ラルゴ。」
ラルゴは低い声で一言だけ答えた。
「……壊す。」
能研を襲う脅威は、一人では終わらなかった。
――第130話 完
ドォォォォォン!!
二人の連携攻撃が、ペインへ容赦なく襲い掛かる。
ソウヤの拳。
イレイダの斬撃。
左右から同時に迫る必殺の挟撃。
しかし――。
「甘い。」
ペインは不敵に笑う。
Slaughter(殺戮)
地面を蹴った瞬間、その姿が掻き消えた。
「また消えた!」
タジが叫ぶ。
ソウヤは目を閉じる。
(レイ。)
『右だ。』
「ッ!」
ソウヤが反射的に身体を捻る。
ドゴォッ!!
拳が頬をかすめる。
「避けた?」
ペインが初めて驚いた表情を見せる。
「面白い。」
「今のを見切るか。」
「今だ!」
イレイダが飛び込む。
刀身が青白く輝く。
「喰らえぇッ!」
一閃。
しかしペインは腕で受け止める。
ギィィィン!!
金属同士がぶつかったような音が響く。
「硬ぇ!」
イレイダが舌打ちする。
「俺の身体は。」
「その辺の能力者とは違う。」
ペインが笑う。
そのまま腕を振り抜く。
ドン!!
イレイダは後方へ弾き飛ばされるが、受け身を取り着地する。
「化け物かよ。」
ソウヤが低く構える。
レイの戦闘技術。
ソウヤ自身の判断力。
二つが完全に噛み合い始めていた。
「行く。」
一歩。
二歩。
フェイント。
ペインの懐へ潜り込む。
「そこだ!」
拳が腹部へ突き刺さる。
ドゴォッ!!
ペインの身体が初めて数歩後退した。
沈黙。
そして。
「……ハハ。」
ペインは腹を押さえながら笑った。
「痛い。」
「今のは効いた。」
屋上。
マランはその一撃を見て小さく目を細める。
「成長している。」
ネリクマも頷く。
「あの頃とは違う。」
ネネは少し安心したように息を吐く。
「でも。」
「ペインさん……。」
マランは静かに答えた。
「ここからだ。」
ペインは笑みを消した。
「遊びは終わり。」
その一言に空気が変わる。
全身から凄まじい殺気が溢れ出す。
地面がひび割れる。
周囲の木々が軋む。
結衣は思わず一歩下がった。
「何、この圧力……。」
燕も帝凰剣へ手を掛ける。
「まだ本気じゃなかったの……?」
ペインは首を鳴らした。
「グランに怒られるからさ。」
「街を壊さない程度に遊んでた。」
「でも。」
「もういいよね。」
bloodbath Slaughter(殺戮真化)
能力がさらに解放される。
身体中の筋肉が隆起し、地面へ立つだけでアスファルトが砕け始めた。
「本気で。」
「殺してやる。」
その瞬間。
ズォォォン!!
空気が震えた。
ソウヤは拳を握る。
イレイダは刀を構える。
「来るぞ。」
「分かってる。」
二人は並んで立つ。
「ソウヤ。」
「何だ。」
「絶対に負けるな。」
イレイダが笑う。
ソウヤも笑い返した。
「ああ。」
「一緒に勝つ。」
次の瞬間
ペインが地面を蹴る。
轟音すら置き去りにする速度。
ソウヤとイレイダも同時に踏み込む。
三人の姿が一瞬で交錯する。
その時――
屋上で見守っていたマランが、小さく呟いた。
「……来たか。」
その視線の先。
能研本部へ向かう一本道を、一つの巨大な影がゆっくりと歩いて来る。
地面が揺れる。
ドン……
ドン……
ドン……
二メートル五十センチを超える巨体。
無表情。
握り締められた巨大な拳。
ラルゴ。
マスタークラウンの第二の刺客が、ついに戦場へ姿を現した。
ペインは振り返ることなく笑う。
「遅いよ、ラルゴ。」
ラルゴは低い声で一言だけ答えた。
「……壊す。」
能研を襲う脅威は、一人では終わらなかった。
――第130話 完
